ただいま帝都
どうも、作者です。84話です。
ようやっと帝都に帰ります。最近肩回りが謎の筋肉痛です。なにかした覚えがない。
というか、気が付けば十月、この作品の一話が七月九日ですから、まる三か月ぐらいになりますね。いや、自分でも毎日投稿できて驚き。あと少し頑張ります。
「久々だな、ジョゼ」
手紙が来てから一か月、バーレさんが南の町まで来た。というより久々の来訪かな?
「久々~、と後ろの二人は」
「俺たちだよ」
なんと後ろにいたのはモロゾフとレーシュだった。何故か黒い面をつけていたので、本当に分からなかった。
「なんで二人が一緒にいるの?」
「護衛ですわよ」
あ、そういえば、最初の私達もそんな感じのポジションだったし、グラスを貸し出したのはそういう理由だった。まぁ、二人なら安心か。
「なるへそ~」
「完全にたるんでいますわね」
「まぁ、一か月ひたすらダラダラしてただけだからなこいつ」
前門のレーシュ、後門のウロクに呆れた顔をされている。いいじゃないか、平和で。
「本当にあの時のジョゼさんと同じ方なのかしら」
「・・・そんなに嬢ちゃんがかっこいいことあったのか?」
割と本気でバーレさんが聞いてくる。さっきからこの人たち失礼じゃない? それにしても、あの時の私ってそんなにかっこよかったのか。よくわかんないなぁ。
「まぁ、あの時のジョゼにあってたら確実に印象変わってたろうな」
「え? その言い方だと私の印象そんなに変わったってこと?」
「まぁ、多少はな」
そ、そうなのか。初耳。
「そういえば、イサムとイドハはどうしたんだ?」
「二人とも支度中、私の荷物もまとめてもらってる」
といっても、本と、一部のポーションキットくらいなのもので、そんなにないのだが。
「ジョゼちゃーん、準備終わりました~」
「ん、りょうか~い」
「「「・・・ジョゼちゃん!?」」」
そんなに驚くことか? 三人とも、特にイドハさんと元から知り合いだった二人が驚いていた。そうか、二人がいたときはジョゼ様呼びだったし。ということで、普通に友達ということで、ジョゼ様呼びは堅苦しいということで変えてもらった。
「そんなことが、固そうなイドハがねぇ」
「は、はい、まぁ、ジョゼちゃんとは、随分と仲良くなりまして」
まぁ、もう一か月くらい一つ屋根の下で暮らしているのでジョゼちゃん呼びに本人も慣れてしまっている。
「と、あんたがイドハさんだな、俺がバーレだ。よろしくな!」
そういえば、バーレさんとイドハさんは初対面だったか。
「ひゃ、ひゃい、よ、よろしくお願いします」
初対面だとまだ緊張するのか、すごくおどおどしている。相変わらず、商人としてのあれなのか、そんなことは気にしないバーレさんである。
「うむ、何の話してるのだ?」
「あ、灰氷様も、久しぶりです」
「うむ! 久しぶりだなレーシュ殿! そして、モロゾフ殿! ・・・、バーレ殿!!!」
あ、完全に名前忘れかけてたな、まぁ、思い出してえらいのか?
「おう! 灰氷さんに名前を覚えてもらえるのは光栄だ!」
「す、すまぬ」
バーレさんの曇りのない笑顔に逆に申し訳なさが加速しているイサム。中々レア。
「と、だらだら話しすぎるのはよくないな」
「そ、そうですね」
「お、お嬢~!」
「ギリギリ間に合ったかね?」
そんな言葉と共に現れたのは、久方ぶりに見た最初にイサムに気絶させられた冒険者とノルマさんだった。どうやらお見送りらしい。
「ん? お前は知らん奴だな。まぁいいや、それよりお嬢! 本当に行っちまうんですか!」
さらっと私のことがわかっていないようだ。そうか、あの時の私は面をつけていたから私のことが分からなくてもおかしくはないな。
「は、はい。残念ではありますが」
「そ、そんな~」
思ったよりこの人はイドハさんを慕っていたらしい。
「はいはい、イドハさんが迷惑するからあんまり言うなよ。イドハさん、あっちでもお元気でやってください。どっかで帝都に手紙でも出しますわ」
「はい、ありがとうございます」
冒険者二人は、その後イサムとレーシュに話しかけていた。そういえば、二人は成り行きとはいえ、少し調査に協力してくれたんだっけ。そこそこ仲良さそうに話している。
「ジョゼ殿、あの時は世話になりましたな」
「いえいえ、こちらこそ」
なんというか、ノルマさんとはどんな話をすればいいかわかないな。あの後もちょくちょく外に出た時に世間話などをしていたが、本当に知り合い程度だ。
「・・・そうですな、次に会うことがあるかもわかりませんし、改めて、ありがとうございました、ジョゼ殿。あなたたちが戦ってくれてよかった。この街もきっといい方向に進みます」
「い、いやいやこちらこそ、本当に協力してくれてよかったです」
急に敬語で来られると流石に困惑する。でもあの時は本当にノルマさんがいてくれて助かったし、私は自分のために戦っただけなのだ。だから感謝されると、ちょっと。
「ふふ、ジョゼ殿、称賛は素直に受け取っておくべきですよ」
はぁ、商人の人たちには会話のペースで勝てる気がしないな。
「はい、そうしておきます」
「ええ、ではまた、どこかで」
「はい、さようならノルマさん」
私はそれだけ言って馬車に乗り込む。他の皆も少し会話をしているから、私は馬車で寝そべって、何となくあの日、いや調査に奔走していた日のことを思い出す。
「色々あったな~」
たった数日の話、だらだらしていた時間の方が長いはずなのに、未だに鮮明に思い出せる。
「本当にちょっと変わったな、嬢ちゃん」
「そう?」
自分では何が変わったかわかんないや。
「おう、少なくとも原っぱで寝そべってた時よりは随分と変わったよ。ま、面倒くさがりは変わってなさそうだがな!」
バーレさんがそう言うなら、そうなのだろう。そうだな、私はどこまで成長したって、怠惰らしいが。
見送りの数はたった三人。だけど、私たちは最後まで手を振っていた。さぁ帝都に帰ろう。
それから三日、行きは五日かかったが、あの時より、バーレさんが移動に慣れたのと、より効率のいいルートを見つけたことで、三日で済んだ。ただ、地味に大所帯になったせいか馬車の中は一層騒がしかったけど。中々に心地いい空間だった
「う~ん、久々の帝都だ~」
帝都の大城壁が目に入る。相変わらず大きい。一か月ぶりだけど、少しだけ寂れたように見える。やはり、魔獣の動きが活発だったらしいから、その影響だったりするのかな?
バーレさんの話を聞いた限り、Bランク冒険者以上の同行がなければ一般の人たちは帝都から出られなかったらしい。そんなわけで、ほとんどの商人の人たちは赤字だったらしい。バーレさんはギルマスからもらった報酬があったからどうにかなったらしいが。
そんなことを考えている内に、帝都の関門をくぐる。今回も特に問題なく抜けられた。魔人のイドハさんは入れるかちょっと不安だったが、ちゃんとは入れたらしい。事前に隠蔽措置をしているか、基本ばれることはないらしい。私の『鑑定』は当たり前にその隠蔽貫通していたが大丈夫なのかと不安だったがいけたらしい。
帝都の中に入ったが、馬車が泊まらない。そろそろ家につく頃だと・・・あれ? 明らかに通り過ぎて行ったぞ?
「あの~、家通り過ぎたんですけど」
「ははは、実は言ってきてもらう場所がってな」
何だろう嫌な予感がする。バーレさんの乾いた笑いが怖い。
「私、ここで降り、」
そこで、がしっとモロゾフとレーシュに肩をつかまれる。そこで、私同様何も知らされていないウロクとイドハさんもまさかという顔をする。
「王命ですわ、今回の件に関わったメンバー、ジョゼさん、そして私含む計六人全員、帝都につき次第王の御前に来るように、と」
しまった。これは罠だったか。まさかの王さまのところに行くことになるとは。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。
さて、次はものすごい久々のカウデンの王様登場、ついでにジョゼからすれば初邂逅です。といってももう終わるんですけどね。




