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手紙

どうも、作者です。82話です。

本当にちょっとずつ後日談的に書いていきます。多分あと数話です。

あれから三日、レンズが帰ってきた。ギルマスからの手紙をもって。何で手紙なんだろうか? 普通にレンズ越しに話せばいいだけな気がするが。こっちが情報把握はこっちの方が速いだろうってウロクが手紙にまとめてレンズに持たせたから、それに習ったのかな?


「なんて書いてあるんだ?」


「今開けてるから待って」


私は封を切って中の紙を読む。中の手紙はそこそこの枚数入っている。



ジョゼ、本当は直接話したいんところなんだが、魔獣の動きが急に活発になったもんだかちょっと忙しすぎるので手紙にした。できるだけ簡潔に話したいことだけ箇条書きする。

まず一つ目、今回の依頼、よく成功させてくれた。ギルド代表として感謝する。何より、奴隷にされてた人たちを開放してくれたこと、この国を危機から救ってくれたこと、お前たちがいてくれてよかった。ほんとうにありがとう。

二つ目、こっちの魔獣の動きが活発になったのは、ウロクが書いた報告書を読んだ限り、イサムが倒した魔獣が原因だろう。ただ、イサムが倒したらしいから多分すぐ落ち着くだろう。だから、問題はない。

三つ目、魔獣の動きが活発になったせいでしばらくそっちに迎えを送れそうにない。なので、一か月ぐらいはそっちのギルドにいてくれると助かる。

四つ目、お前たちも知っての通り、助けられた人たちは西の貴族の人間が面倒見てくるから心配すんな。これに関しては言ってなかったが、こっちで段取りはとってたから問題ない。特にエルフに関しては身元が分かりしだいできるだけ故郷に返す計画だ。故郷がなくなっちまってるエルフはまぁ、こっちで面倒見るさ。

五つ目、イサムとジョゼの主従契約の件、これに関してはこっち的に一番困惑してることだが、まぁ、イサムとジョゼが決めたことだ。とやかくは言わん。だが、今後の冒険者活動に関してはきっちり話し合わせてくれ。うん、流石に急にSSランク冒険者をやめさせるわけにはいかんのでな、うん。

六つ目、お前たちが帰るとき、一緒にイドハの奴も帝都に来てほしい。とりあえず、他の従業員が辞めた話を隠した件は説教。今回の件に手伝ってくれたことは感謝する。それとそのまま、南の町には別の従業員をあてがうことになるから、そのつもりで。もちろん、状況を鑑みて、優秀な奴をそっちに着任させるから、そこは心配すんな。

以上、ちょっと少ないが、今は最低限、これだけ伝えておく。詳しい話とかは、お前たちがこっちに帰ってきた時にでも話しあおう。あ、あとこっちに帰ってくると面倒ごとがいくつかありそうだから覚悟してくれると助かる。あとこっちであった話なんだが――つらつらと世間話が続いている。



「長いよ!?」


思わずそんな言葉が出るぐらい手紙は長かった。ウロクも少し顔が引きつっている。そりゃ最初に完結に話すって書いてあったのにこの長さの手紙を送ってきたのだ。元の要件だけでもそこそこあったが、その後の世間話がその三倍ぐらいあった。何なのあの人。


「そ、そうですか? 手紙ってこんなものような気がしますが?」


「うむ、短いのだからこんなものだろう」


「嘘だろ?」


ギルマスも二人も長命種だからか? 今度から長命種の短いはあんまり信用しないことにしよう。


「ま、まぁとりあえずは内容的には六つか」


「そ、そうですね」


簡単に言えば、ギルドが忙しいこと、それに伴ってしばらくはここに私たちはいること。私とイサムのこと。解放した人たちのこと。そして、イドハさんがこの南の町から転勤することになったと言った感じか。


「それにしても、あの魔獣のせいで他の魔獣が活発化していたんだ」


「まぁ、相当にやばそうなやつだったんだろ? 俺は直接見てないが」


「うむ、あそこで倒さなければこの街は壊滅、最悪国が滅んでいたかもしれぬ」


まじか、そんなレベルだったのか。それを倒せるイサムとは一体。いや、そもそも、イサム最初負けかけてたな。そんだけやばかった奴ってことか。


「でも、この街の魔獣が活発化してたみたいな話は聞いてないけど?」


「そ、そうですね?」


私とイドハさんは二人で頭にハテナを浮かべる。


「うむ、前と何も変わった様子はなかったぞ!」


「ま、そういうことだ」


「あ、あ~」


イサムとウロクがそう言ったところ、イドハさんは気づいたみたいだ。どういうことだ? わかってない私にウロクが補足する。


「ジョゼ、この土地の魔獣はもともとどうだった?」


「確か元々活発だったんでしょ?」


「それの原因は?」


「それは、あの魔大陸産の魔獣たちが原因で、あ」


そういうことか、あの魔大陸の魔獣たち、もう殲滅したはずなのに魔獣たちが活発なのがおかしいのか。


「それにしても、その件の魔獣は殺したはずなのに、何でまだ活発なんだ?」


「そ、それは恐らく、魔獣の魔力がまだ残っているからですね。く、詳しく言えば魔獣たちが、残り香に恐れてその土地から逃げようとしている状態です」


残り香ですら、魔獣たちが恐れて、逃げているのか、しかも、今までの規模が南の町範囲ぐらいでとどまっていたのが、帝都近くの魔獣たちに影響を与えるレベルで。


相当やばい魔獣だったんだな。あの後イドハさんから教えられたがあれは、「神災魔獣」だとかいうんだったか。それを倒したと聞いたときのイドハさんの表情はすごかったなぁ。


「ま、とにかく灰氷が倒してくれてよかったってわけだな」


「そ、そうですね」


全員、とりあえずうなずくしかなかった。


「あとは、イドハさんも帝都に行くことになったね」


説教付きだけど。


「そ、そうですね」


イドハさんは悲しそうな、恐れているような、でもちょっと嬉しそうな何とも言えない顔をしていた。


「じゃあ、イドハさんはこれからもよろしくってことで」


「うむ!」


「よろしくな!」


「これは全員言う流れか? ま、よろしくな」


「は、はい」


イドハさんは少し悲しさをにじませながらそれでも嬉しそうに返事をする。こっちとしては純粋にうれしいけれど、イドハさん的には、ここの冒険者とは長い付き合いだったはずだ。そういう複雑な感情があるのだろう。


「ここの皆さんには、挨拶をしなければなりませんね」


ノルマさんや、なんだかちょっとだけ協力してくれたあの冒険者たち、私たちもあいさつする人たちがいる。


「う~ん、しばらくはここか~、だらだらするか」


「お嬢はどこいてもあんまり変わんねぇだろ!」


まぁ、そうなんだけど。まぁ一か月、ここでゆっくりと過ごそう。




といっても、あれから特に変わったことがあるわけでもなく一か月はあっという間に過ぎていった。


ここでのだらだら生活に慣れてきたこと、現れたのは、バーレさんだった。どうやら帝都に帰るときがきたらしい。

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

手紙、長いです。最近密度が高かったのでこれでいいか悩んでいます。ま、是非もないよネ。

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