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反転の祝福

どうも、作者です。77話です。

前回の続き、二人の魔眼の戦いです。イドハは無事に勝てるでしょうか?

「あいつらの強さは、魔眼だけじゃない」


ギルドマスターは、魔眼の一族について、そう言い続ける。


「魔眼以外にも強い力があると?」


「ああ、魔眼、というよりかは魔人っていう生き物は他にも特殊な力を持ってる」


「特殊な力?」


「といっても、こういう力を持ってるのは共通なんだが、まぁとにかくわかりやすい力を持ってる。あいつら魔眼の場合は”反転”という力をもっている」


特殊な力、というのは恐らく女神より授かった力だろう。ほとんどおとぎ話の話だが、女神は私たちを作ったとき、それぞれの種族に力を与えたという。エルフであれば”豊穣”の力を授けたとされている。といってもこれはどこまで本当化は分からないが。


「”反転”ですか、それはどんな力なんですか」


「あいつらはそれをスキルとして持ってて、基本的な力は”ステータス反転”と”魔眼反転”の二つ」


名前で何となく察せる力だ。


「ステータス反転は、厳密には入れ替えに近い。中身は人によって異なるが、攻撃と防御を魔力を利用させて入れ替える力だ」


ステータスを反転、なるほどそれは強い。といっても、どうも反転できるステータスは固定されているようだが――




恐らく相手の力が急激に上がったのは、相手の攻撃のステータスが増えたから。恐らく別のステータスと反転させたはずだ。


でも、多分それだけじゃない、恐らく魔眼を利用した。あの魔眼は()()に影響を与える魔眼だ。恐らくそれを”反転”させた――





「そして、”魔眼反転”だが、こっちもわかりやすいな。純粋に魔眼の性質を反転させる」


「魔眼の性質を、ですか」


「ああ、どの性質が反転するかは一度使ってみなきゃわからん。例えば、ものを燃やす魔眼であれば、”もの”のところが反転して、ものじゃなく人を燃やす魔眼になるかもしれんし、”燃やす”ところが反転して熱を奪う、要はものを凍らす魔眼にもなるかもしれん」


なるほど、文字通りの性質反転だ。だが、それはつまり、


「彼らは二種類の魔眼を持っている、ということですか」


「そうなる」


・・・ますますすさまじい強さなのが理解できる。それが種族単位でいる、というのだから恐ろしい。


そして彼女はそんな一族の――




恐らく、反転した性質は”他者”から”自己”に反転している。つまり、他人の肉体を操るものから、自己の肉体を操る魔眼、恐らく魔眼で先に体の動きを刻むことで、さっきみたいな早くて正確な一撃を生み出した。明らかに動きのキレが違ったのはそういうことだろう。


『燃やせ』

『火炎』


魔法攻撃! 恐らく牽制の一撃。私はそれを魔眼で軌道をそらす。だがその隙に相手は近づいてきた。だが、相手の攻撃に隙がある。


『敵を裁断せよ、魔の刃』

『魔刃』


近づいてきた敵に刃を放つだが、相手はその一撃を左手でいなし、もう一度攻撃を右手でその拳を放った。私は後ろに飛ぶ。


「ぐふっ!!」


拳は私の腹を直撃する。ただ、後ろに飛んだおかげで、クリティカルヒットはどうにか免れる。しかし、随分と後ろに吹っ飛ばされて、本棚と思われるものにぶつかる。


「これでも死にませんか、さすがはここまで生還しているだけはありますね」


「かはっ・・・ええ、本当に・・・あなた達のせいで・・・随分と頑丈に・・・なりましたから」


私は喋りながら、どうにか立ち上がった。ここで、負けるわけにはいかない。


『どうか我が声に応えろ、今は応えぬ者』

『魔剣サイレントアンサー』


私は小さな声で紡ぐ。何より、一連の動きで、なんとなく、攻撃とどこが反転しているかわかった。大丈夫、これならきっと勝てる。


「本当に、あなたが生き残るために、一体何人の”同胞”が死んだのでしょうね」


私はその言葉に怒りがわいてくる。


「その”同胞”を殺したのは一体、誰ですか? 一方的に”裏切り者”と決めつけ、私たちを追い回したのは誰ですか、”狂信者”!!」


「・・・ああ、そんな言葉を使われると無性に腹が立ちますねぇ!? 狂信!? これは純粋なる振興です! あのお方への!」


「それを、”狂信”といっているのですよ。あんな女神の言うことをただただ信じるしか能のないあなた」


敵は怒りの形相で近づいてくる。すさまじい速度で、敵は近づく、相手は無防備にも。私からの反撃はないと、近接攻撃はないと踏んでいるのだろう。それはそうだ、私は攻撃力が低いし、素の筋力も低い。だが、相手は忘れているのだろう。


私にも()()があることを・・・!


私は本と作った魔剣を投げつける。相手は剣を避ける。そして少し遅れた本を手で払おうとした。だが、その本が動くことはなかった。それによって、相手は体勢を少し崩した。


「なっ!?」


固定、私の魔眼の本質はものを”動かす”こと。それが”反転”し、ものを”停止”させる魔眼となる。私の瞳は紫に変色していた。


「ですが、その程度で!」


いくら相手が体勢を崩したところで、相手は魔眼も使って即座に起き上がる。相手のすさまじいまでの一撃。だけど、私はその時間が欲しかった。


『我が声によって起きよ』

『巨魔剣』


私の体躯程ある大剣がその手に収まる。私はそれを敵に叩きつけようとする。だけど、相手は咄嗟に横に避ける。


「なっ、貴方の力でそんな大剣、いや!?」


ステータス反転、私のそれは魔力と攻撃の入れ替え、相手が近づいてくれるなら、これが一番だろう。それに彼は、もう遠くまで()()()()()()


恐らく、彼のステータス反転は攻撃と速さの入れ替え。先ほど、魔剣を弾いたし、魔法の威力は下がらなかった。つまり入れ替わったのは、魔力や耐魔ではない。となるとあとは防御か速さ。ならどちらか、それは先ほどの魔法にある。


反転を使う前までは、魔法を使っていなかった。恐らく、魔法を使わなければ、近づけなかった。それは恐らく、先ほどよりずいぶんと鈍足だったから、入れ替えの時間が必要だったのだ。先ほど、攻撃前に隙があったのも、入れ替えの時間が必要だったから。逆を言えば、今この瞬間、逃げ切れるほどの速度は出ないだろう。しかし、


「貴方はもう一度、避けられる。そう思っているんでしょう?」


「!?」


そんなことはさせない。()()()()、先ほど固定した、()()()の固定を解除する。『魔剣サイレントアンサー』、その魔剣の性質は対象の()()


魔剣は相手にとびかかる。敵は意識外からの剣にほとんど反応できなかった。魔剣は敵の足と床を縫い付けた。もう避けることもできないでしょう。


私は手に持った剣で切りつける。相手はどうにかしようと必死だったが、もう間に合わない。相手の肩から反対側の腰まで深い傷がつく。


「かっ、はっ」


敵は、もう動くことができないようだ。


「はぁ・・・はぁ・・・お終いです」


「あ・・・あぁ・・・私は、ここで終わり・・・ですが」


相手の目の光は消えかかっているが、それでもまだ意識がある


「いえ、魔獣たちはもう殲滅されているところです。あっちでは奴隷を救出し、”SSランク冒険者”が魔獣をせん滅しているところですから。あなたの計画はついえました」


「は・・・ははは・・・なるほど。それは・・・幸い、だ」


「・・・幸い?」


幸い、一体何が幸いなの?


「あの・・・魔獣たちが、奴隷如きを食った・・・ところで帝国を・・・壊滅は・・できない。だから」


この人は何を言っている? いや、まさか、まさか!?


「魔獣が・・・ある程度・・・減るか・・・私が死ぬか・・・したときに、共食いをする・・・ように・・・しかけました」


災厄が、地獄がやってくる音がした。

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

イドハ、何とか勝てましたね。ですがより恐ろしい何かが来そうです。

それは次回、明かされます。よしなに。

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