固有魔法
どうも、作者です。66話です。
ニンテンドーダイレクトを見ていたら、FEの風花雪月とのつながりがありそうな新作が出てきて、席を立ちあがりました。今から楽しみ。
「魔法というのは、才能などはあれど、職業や種族によって獲得できるものですわ」
ふむ、確か冒険者の魔法使いは同じ魔法を使うというのはバンカさんから聞いたことがある。同じ魔法を使う、というよりは覚えられる魔法に違いはあるらしいが、レベル5になったときに覚える魔法がファイア、アイス、サンダーの三つのどれかから覚える、みたいな感じらしい。
こう書きだすと、これまたゲームっぽいな。レベルとかステータスもそうだったけど。
「ただし、固有魔法だけは違います。これだけはその人間しか覚えることができない魔法です」
つまるところ、その人間だけが持つオリジナル魔法という訳か。
「基本的に一人につき一つことができる魔法で、その中身も様々です。切り札として使うものから、普段使いとして使える魔法、もしくは複数の性質が複合した物、とにかくその性質は千差万別、まさしく人の数だけ固有魔法はあります」
つまり私も覚えることができるんだろうか?
「レーシュは持ってるの?」
「いえ、わたくしはまだ持っておりませんわね」
そうなのか、すごい強いから持ってそうなのに。
「そもそもどうやってその魔法覚えられるの?」
「わかりませんわ」
わからないのか、いや分かったらもう持ってるか。
「そもそも、どうやって手に入れるかも人によって違うんですのよ。寝て起きたら持ってたとか、強敵と戦っているときに手に入れたとか」
ふむ、中身が人によって違うなら、覚えるタイミングも千差万別という訳だ。なんというか、すごくロマンのある力だなぁ。ならやはり私もその内覚えれそうだ。
「うーん、私だとどんな魔法になるかなぁ?」
「ジョゼさんでしたら、召喚獣関連になりそうですわね」
そうなのか、
「覚える魔法ってわかったりするの?」
「絶対にこうなるとはいえませんが、基本的には覚える人間の生き様や戦闘スタイル、後はスキルなんかに関連したものになるとは言われていますわね」
なるほど、それなら確かに私なら確実に召喚獣関連になりそうだ。現状私の異世界生活のほとんどは召喚獣たちに頼っているわけだ。
「なら、レーシュはかっこいい魔法になりそう」
「そ、そうでしょうか?」
レーシュはまた赤面していた。でも、茶化してそう言ったわけではない。レーシュは騎士として未熟だと言っていたけど、きっと騎士の精神はもう持っていると思うし、かっこよくて、私の誇れる友人だもん。
「そうだよ」
「ん、んむぅ」
なんというか、今まで見たことがないかわいい顔をしている。声を上げたいけど、でも褒められていてるからどういう表情していいかわからなくて、変な表情になっている。かわいい。
「お嬢の魔法はしょぼそうだな!」
「シャラップシゼル!」
私も一瞬そう思ったけど!
「私だってめちゃくちゃかっこいい魔法かもしれないじゃん!」
「わ、私の魔法はか、かっこいい前提なんですの?」
「おう!」「うん!」
それに関してはシゼルと同意見なのだ。
「・・・んー、もう!」
今日のレーシュはいつもの数倍かわいいのう。
「と、それでイサムの魔法ってどんななの?」
「相変わらず切り替えが早いですわね」
あ~いい表情だったのになぁ。いつもの呆れた顔に戻ってしまった。レーシュの表情を堪能したらイサムの固有魔法が気になってきた。
「灰氷様の魔法はいくつかの形があるそうで、私は最初の一つを見せてもらいましたわ」
形、そんな魔法もあるのか。さっき言ってた複数の性質を併せ持つ魔法ということだろうか?
「形ってどういうこと?」
「なんでも、詠唱を途中でやめることで魔法の性質が変わるそうですわ。第一の形で止めたときは、途中だった詠唱をそこから読み上げれば次の形に移行するそうですわ」
つまり一つ目の形から二つ目の形に移行できるのか、便利そう。でも、言い方的に二つ目に移行したら、一つ目に戻るというのはできなさそう。
「それで、レーシュが見たのは一つ目何だっけ?」
「そうです、頼んだところ見せてくれましわ!」
へ~、まぁイサムならいいぞ!の一言で見せてくれそう。
「どんな感じなの?」
「一つ目の形は『氷牙』、彼が持っている剣に付与するエンチャント魔法ですわ」
エンチャント、聞きなじみのある単語だ。ファンタンじーものでは定番の魔法だろう。武器に魔法をかけることで、自分ではなく武器を強化する魔法。それがイサムの固有魔法という訳だ。
「効果は?」
「『氷牙』の名の通り、氷系のエンチャントですわね! 純粋な切れ味強化の効果もあるようですが、やはり切ったところが凍るということでわね!」
レーシュは熱く語っているが、普通にえげつないことを言っている。切ったところが凍るって恐ろしいな。
「人間に対しても、十分高い効果がありますが、やはり魔獣に対して強い魔法ですわね、強い魔獣ほど、自己再生能力が高いですから」
つまり凍ったところの再生を阻害できるってことか、確かに厄介な魔獣相手にすごく有効そうだ。冒険者の魔法としてはすごく強そうだ。
「俺でも一瞬でやられそうだぜ!」
「元から一発でしょうよ」
「それもそうだな!」
まぁでもすごくかっこよさそうな魔法だな~
「でも、他にもあるんだよね」
「はい、聞いたのは名前だけですが、『灰域』と、もう一つあるそうですわ」
何で片方ぼかしてるんだ。
「もう一つの名前は?」
「それが、本人も発動できたことないそうですわ」
どういうこと? 何でそうなるんだ? つまりイサムの固有魔法は不完全ってことか。そんなことあるー?
「どういうことです?」
「曰く、『灰域』から先の詠唱がわかないそうですわ」
つまり、固有魔法そのものが未完成ってことか、そんなパターンもあるんだ。
「でもあるのは分かってるってことだよね?」
「そうらしいですわ。本人的にももう一つあるのは何となくわかるそうですから」
もう一つ、つまりそれが最終形態になるっていうのも何となくわかってるわけか。計三つの形を持つ魔法、なんというか、主人公が持ってそうな魔法だな。
「うーん、そこまで聞くと三つ目見てみたいなぁ」
「まだ他のも見たことがないのにですか?」
「・・・そうだ。見てなかった」
今度イサムに見せてもらおう。それにしても固有魔法、すごく必殺技みたいでかっこいいなぁ。詠唱とかもどんなのか気になるし。
「そういえば、この世界の魔法って基本詠唱があるよね?」
「そうですわね、基本魔法と呼ばれるものは詠唱が必要ですわ」
やっぱりそうなのか、でもこういう世界の定番といえば、無詠唱で無双! という感じだろう。
「詠唱が必要ない魔法とかないの?」
「残念ながら無詠唱は例外なく不可能ですわ」
「えぇ」
普通に無理といわれた。つまりこの世界に無詠唱魔法というものがないのか。絶対に詠唱が必要ということはこの世界の人間は喉が絶対的な弱点になりそう。
「ですが、魔法に分類されていないものはありますわよ」
「え? そんなのあるの」
「あるもなにも」
ん? レーシュがあきれ顔をしている。私何かしたっけ?
「お嬢も持ってるじゃねえか!」
ん? え私持ってんの? 私何か持ってたっけ・・・あ。
「『活性』か」
「そうですわ、ジョゼさんの『活性』のように魔法ではないですけれど、魔力を利用するスキルならありますわ」
なるほど、スキルは魔法とは別物だけど、でも魔力を利用するものは魔法みたいなものか、確かに魔力を使って植物を強制成長させるというのは魔法みたいなものか。
「あとは、魔人の一つの族が持っている”魔眼”なんてものもありますが、あれもスキルの一種だそうですけど」
へー! この世界魔眼があるんだ! 魔眼は厨二心がくすぐられるぜ!
「でも、言い方的にその魔人の人達しか持てなさそう」
「ほ、他の種族に”継承”された、なんて事例はあるそうですよ」
「あ、イドハさん」
どうやら受付嬢としての仕事を終えたらしい。でも、そうなのかスキル、しかも魔眼の”継承”ってかっこいいなぁ。
「灰氷様、イドハさん、お疲れ様ですわ」
「おう!」
イサムも下から戻ってきた。
「ふ、二人も戻られましたよ」
そう言うと、後ろから、ウロクとモロゾフも戻ってきたらしい。だが、二人とも少し雰囲気が暗いだろうか? 特にモロゾフの方が表情が暗い気がする。
「奴隷の居場所が、大まかにわかった」
ウロクの放った言葉に、私は嫌な感覚を覚える。休みの時間は終わりだろうか。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。
今回はレーシュがひたすらにかわいい回でした。ただ今回で休憩回はおわり。来週から物語は佳境といった感じです。




