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文化紀行記

どうも、作者です。65話です。

前回の続き、相も変わらずの日常回です。最近ダークギャザリングの漫画を買ったのですが、すごいおもろい。

「ヒビキ、文化紀行記ですか!?」


本を探していて、というか今まで一番テンションが上がっているイドハさんを見た。


「有名な人なの?」


「はい、世界中を旅して、その時代、その国、そこに住んでいる人たちの文化を記録しながら旅をしている竜人様です! 特に文化紀行記は今は滅んだ国を含めた文化を事細かに書き出せれていて、しかも他の国や歴史背景など様々な視点で深い考察がなされている代物です! 歴史書としてとても価値のある本ですが、読み物としてもとても面白いですよ!」


お、おう。ここまで興奮しているイドハさんは新鮮だ。普段は暗闇に包まれた目に魔力でも宿っているかのように輝いている。本当に光ってるのでは? と思ってしまうほどには輝いてる。


「いい語りっぷりだねぇ! お嬢ちゃん!」


「あ、ひゅ、ひゅいまへん、つ、つい興奮してしまっへ」


あ、おどおどしてる姿に変わった。


「別にいいよ、語ってるところすごく楽しそうだったし」


でも、そこまでお勧めされるのだったら買ってみようかな。実際この世界のことを勉強するのにおもしろそうだ。


「これってどれくらい?」


「ん? ああそれは百年くらい前をまとめたものの写本だったはずだ」


料金を聞いたんだが、でも百年前か。


「結構昔の人なんだね」


「いや、今も生きてるぞ」


今も生きてる!? い、いやそうだこの世界は異世界だし、エルフだっているし別におかしくないのか。


「相当の長寿なんだ」


「ちょ、長寿というか、竜人の皆さんは不老なので」


不老、そういえば竜人って確か、三種族に入らない特殊な存在なんだっけ? この前レーシュがそんなことを言ってた気がする。竜人、名前からして人型のドラゴンという感じなんだろうか。


「不老か~、じゃあいつからこの「文化紀行記」って書いてるの?」


「一番古いものだと、千年以上前にもなりますね」


千年以上! すごい、そんなに昔から、ならこの百年前のものというのはまだ新しい方なのか。なんというか、想像できないな~。


「この文化紀行記ってこれだけ?」


「そうだな、確かもっと最近の年代のがここに、あった。それ含めて二冊だな」


「じゃあ、二冊ともちょうだい」


「まいどあり!」


お金は全然余裕だった。何だったら追加で四、五冊買っても問題なさそうだっけど、持って帰るのも大変だからこの二冊だけにする。文庫本なんかよりかなり大きい、まさしく異世界の本という感じだ。というか、昔の西洋の本は全部こんな感じなんだっけ?


「いや~、本を買ってくれる人がいて助かったぜ! またこの国に来た時には、文化紀行記持ってきてやるよ!」


「いえいえ~、あだったら帝都に持ってきてください。そっちに住んでるので」


そんな会話をして商人さんのところから別れる。目当てのものは買えたし、今日はもう帰ろう。


「いい買い物をしましたね!」


いや、まだ中身を読んでいないので何とも言えないけど、まぁイドハさんおすすめなら大丈夫かな? わかんないけど。


「それにしても、イドハさん、本好きなんですね」


「はい、昔よくお友達と二人でよく読んでいたので」


「へ~、友達とか~」


「私もヒビキの本を教えてくれたのも、その子ですから」


こんな本をおすすめする友達、その子頭よさそう。私なら、ファンタジー系のラノベをおすすめしちゃうな~。


「それにしても、ヒビキって日本語ですよね」


「日本語というのは、ジョゼさんの世界の言語ですよね。確か勇者様も使っていたと聞きますし」


そういえば、勇者も日本人何だっけ。


「ということはヒビキも日本人に会ったことがあるんでしょうね。しかも、こうして名前として浸透しているくらいなので相当昔から」


「このヒビキっていつからこの名前が使われてるの?」


「うーん、現代写されているものはすべてヒビキで統一されていますし、少なくとも二百年前にはこの表記だったはずです」


二百年、勇者がやってきたのはそんなに昔なはずないし、相当昔から転移者がいたみたいだ。しかも、私と勇者、それとヒビキという竜人さんがあった人、日本人率が高い気がする。


「とりあえず、今日はこの本で時間をつぶすよ、ついてきてくれてありがとイドハさん」


「あ、い、いえ、私もこんな形で文化紀行記に出会えるとは思っていなかったのでとてもよかったです」


イドハさんがはにかんでいる。まぁ、人間好きなものを前にするとテンションが上がるものだ。私の友達も好きなカップリングを語っているときは死ぬほど楽しそうだった。そして、あとであの時は喋りすぎてなかった私、と聞いてきたものだ。


私たちは軽く雑談をしながらギルドに戻る。ふー、面をつけっぱなのは疲れる。でもこれがないと、いつまたあの兵士たちが来るかわかないし。大変だ。


「あ、イドハちゃーん! 討伐の精算してくれ!」


「あ、二人とも、すみませんやりますね」


あれは、イサムに一発KOされていた冒険者じゃないか! 私の方をちらっと見たが、気にせずイドハさんについていっていた。私の姿みてどうとも、いやあの時はこの黒い面で顔を変えていたから気づかないのか。


「おかえりなさい、ジョゼさん」


「あ、レーシュ、そっちこそ」


どうやらレーシュも魔獣退治の方が終わったらしい。多分イサムがいたから爆速だったんだろうな。


「イドハさんと二人でどこ行ってたんですか?」


ちょっとむっとした顔で言うレーシュ、


「何~レーシュ嫉妬~? レーシュも私とデート行きたかった?」


「な、ち、違いますわよ!? わ、私はただ、外に出て無闇に襲われては問題でしょう!?」


レーシュが赤面して反論する。


「も~冗談だって、やることがないから本買いに行ってたの。図書館もないしね」


「はぁ、そうなんですのね。ですが、どんな本を買いましたの?」


「文化紀行記っていう、竜人の人が書いた本らしいよ」


その名前にレーシュが目を輝かせる。あれ、これはイドハさんと同じ


「文化紀行記ですか! そ、それ私にも読ませてくださいまし! 何故か帝都にはそういった書庫が見当たりませんのよ!」


「レーシュも知ってるんだ」


「知ってるも何も、謎多き竜人のお方が書いた本な上、各種族ごとの特徴を知る上でもとても貴重な本ですわ。確かものによっては真狼の情報も載っていたそうですよ!」


あ~、なるほど種族学としても貴重な情報源なのか、納得。確かに竜人が書いたという意味でも貴重か。


「でも読めるかな、これこの国の言語じゃないし」


そう言って私は一冊レーシュに渡す。すると、明らかにレーシュがテンションを落としていた。


「ほ、本当ですわね、わたくしが知らない言語ですわ。これでは読めません。ジョゼさんがうらやましいですわ」


こんなにテンションを落としているレーシュは初めて見たかもしれない。なんだか今日は新鮮な気分になれる一日だな~。


「ま、私が読んで、そういう情報あったら教えてあげるよ」


「えぇ、ぜひそうしてくださいませ」


私たちは部屋まで戻って、一息つく、どうやらイサムは体を動かしたりないらしく、残って鍛錬をしているんだとか。


「レーシュは今日どうだった?」


「ええ、やはり灰氷様についていくのは大変でしたわ、あちらも加減はしてくださっているようなのですが、それでもついていくのが精いっぱいですわ」


イサムについていけているだけすごい気もするけど。実際、レーシュはかなりへとへとそうで、イサムは動き足りないということだから、実力差はあるんだろうな。


「ですが、収穫がなかったわけではありませんわ」


「収穫?」


「はい、灰氷様の固有魔法が見れましたので」


「固有魔法?」


これまた聞きなれない単語だ。

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

ジョゼとレーシュは純粋に友達という感じがして、何も考えず書けて楽です。何より、百合っていいよね。


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