調査二日目・荷物を積み込もう
どうも、作者です。57話です。
チャハーンがおいしい一日でした(何か書こうとして思い浮かばなかった)。
朝、昨日の報告の後、とりあえず一旦休もうということになった。気になる情報が多かったとはいえ、それぞれ一日活動した後だったので、とにかく疲れていたのだ。私とイサム以外。
特にレーシュはひどかった。あの後、倒れたのだ。ベッドに到達することなくぶっ倒れていた。あの綺麗な金髪縦ロールが乱れていたほどだ。頑張って梳かしたから髪はあまりいたんでいないと思う。
「おはようございます、ジョゼさん」
「おはよう!」
「イサムさんもおはようございます」
「よく眠れた?」
「いつ眠ったかがわかないほどぐっすりと」
そういう割に顔色はあまりよくなさそうだ。まぁ、昨日あんなに情報を流し込まれたのだから仕方がないけど。まぁ、体力の方は問題ないと思いたい。
私は朝ごはんを作る。普段はめんどくさいし、そもそもこんなに早く起きないので作らないが、昨日の明らかな国家転覆につながる情報を流し込まれたことによって私もあまり眠れなかった。なので気分転換に朝ごはんを作る。皿洗いはウロクとイサムに任せよう。
「いただきますわ」
「いただきます!」
「はーい」
今日一番最初に起きたのはイサムで、その次が私、レーシュで他のみんなはまだ起きていない。ただ朝ご飯はもうできてしまったので、三人で食べることにした。
今日の献立は、スープとパン。パンは固めだが、スープにつけるちょうどいい感じだ。
「ジョゼさんが作る料理はおいしいですわね」
「そりゃどうも」
なんというか、本当に生気がない顔で食べているが、段々調子を取り戻してきたのか、どんどんとパンにほおばる速度が上がっているらしい。まぁ、昨日は結局あの報告会で食べる手が止まってしまってあまり食べられていなかったのでお腹が減っていたのだろう。
「ジョ、ジョゼさん、あの」
「おかわりは作ってあるよ」
「ありがとうございます」
「某もおかわりだ!」
元々イサムが大食いだから大量に作ってある分である。ちなみに量もイサムの方は倍盛っているはずなのだが、もう食い終わっている。
「お、おはようございます」
「もう食ってるのか」
イドハさんとウロクも起きた。さて、今日のことを語ろう。
「さて、こっち側はもう今日やること決まってるわけだが、そっちはどうする?」
そうだった、今日はあの商人の手伝いをする羽目になるんだった。めんどくさい~。いやまて、私は非力ですと言えば、いける。それに最悪、私はレンズで周囲を見張るとか言えばいける。それでいこう。
「今日はあの魔獣たちがいる場所に行きますわ。それでジョゼさん」
「何~?」
「できれば、シゼルさんに加えて、レンズさんもこちらに貸してくださいませんか」
んぶ、少し飲んでいた水をこぼしかける。それはまずい。そうしたら私の言い訳が使えないじゃないか。
「そ、それは」
「こんかい、魔獣の生態などの情報が欲しいですから、ジョゼさんの『鑑定』を使わせていただきたいんですの。ジョゼさん本人を連れて行くより安全でしょう?」
しまった、ここで断れば、私の方が、魔獣討伐の方に行くことになる。しまった、最悪の二択だ。というか、ほぼ一択だ。二元論は卑怯だぞ!
はっ、ウロクがこちらを見ている。察した目をしている。言いよどんでいる私の思考を読んだな! この男ハレンチです! 乙女の思考を読むなんてなんてハレンチなの!?
「いいんじゃないか? ちびジョゼを連れていくよりかはいいだろ。それに今日はこいつもついてくる予定だしなぁ?」
「そうなんですのね」
レーシュが純粋な目で私を見てくる。ウロクはあんなによこしまな目で私のことを見ているというのに! ウロクの策にまんまと乗っちゃって、イサムは今の話が分かってないだろうし、イドハさんも大丈夫だろうという目だ。つまり、私に逃げ場がない!
「・・・いいよ」
「助かりますわ!」
きっちり食べて体力が回復して潤った顔のレーシュに言われたどうしようもないではないか。はぁ、頑張りますか。
「あと、代わりではありませんが、そちらに新しく来た味方を護衛につけますわ」
「味方?」
「ああ! あいつか!」
どうやら、シゼルは知っているらしい。ということは昨日合流したのかな? そういえば、レーシュが合流したばかりの時にそんなことがあった気がする。
「はい、昨日この街に来たんですけれど、アサシンでして」
アサシン、アサシンというと暗殺者、やばい人?
「あ~、ジョゼはそういうのは関わりなかいよな」
「うん、大丈夫やばい人じゃない?」
「常識はある方だと思いますわよ、いつも少し不機嫌ですが、人に当たることはないですし」
何で不機嫌なんだ? まぁいいや。
「何より、依頼には忠実な方ですから信頼できますわ。わたくしは、この前の仕事でもご一緒したので、確信を持って言えますわ」
うーん、
「昨日も某たちに危険を教えてくれたな! 悪いやつではないと思うぞ!」
イサムの方からも大丈夫だという回答をもらった。まぁここまで言うなら大丈夫だろう。
「ま、そういうことなら大丈夫か。その人と合流すればいいの?」
「いえ、恐らくどこかに潜んでいると思うので、気兼ねなく行動していただければ」
一体どこに潜んでいるんだ? まぁ、そういうことなら通常通り行動しよう。
「それじゃ、今日も頑張りますか~、正直これ以上関わりたくはないんだけど」
ウロクが苦い顔をしていた、まぁ、内戦の火種にこれ以上手を突っ込むのは私も嫌である。しかし、依頼を受けた以上やるしかないわけだが。
「さーて、やっていきますか」
ということで、私はシゼルとレンズをレーシュたちに預け、昨日言われた地点まで向かう。
「あ、わ、私顔が割れているのでど、どうしましょう」
「んじゃあ、これを」
ウロクは私たちが付けている黒い面を渡す。ギルマスが、王様側からの援軍にも渡せるようにと渡されていたものだ。というか、あの時点でギルマスはレーシュが援軍としてくるのを知っていたのだろうか? 予備も人数分渡されていたので、かなり余裕がある。一人分ぐらいなら余裕である。
「あ、ありがとうございます」
イドハさんは黒い面をつける。相変わらず面の色は真っ黒なので魔術が面の魔術が効かない指輪をしていると完全に二人とも黒い面をつけた不審者にしか見えない。私もそうなんだけど。
これで大丈夫だろう。さて、手伝いに行きますか。
「うーっす、来たぜ」
「お、あんちゃん、本当に来てくれたんだな」
「おいおい、ボイコットすると思ってたのか」
「いやいや、そんなことは。なんせあの神父様の紹介だからな!」
神父、結局あの人は何者なんだろうか? いや、今はこっちが優先か、あの人は怪しいけど、でも今のところ敵ではない、気がする。不気味とはいえ、何か悪い情報をつかまされたわけでもない。
「お、その人たちが昨日言ってた手伝いか?」
「ええ、この街に来る馬車でたまたま一緒になってね、暇があるからと手伝ってくれたんだ」
こやつ、さらっと嘘をつくな。私たちの設定考えてきたのか?
「とりあえず、ここの荷物を運んでくれるか?」
「これって何なんです?」
「これは、領主様に献上する美術品だな」
なるほど、確かに包装されているが、確かに長方形の形をしているから多分額縁なんだろう。
私たちは次から次へと荷物を積み込む。私は素の力が低いため軽いものばかり運んでいたが、普通に疲れる。意外だったのは、思ったよりイドハさんの力が強かったことだ。少なくとも私より強い。私が持つのに苦戦していた荷物を当たり前のように、運んでいる。前にある程度は戦えると言っていたので、元々戦士とかだったんだろうか。
私たちは結構な量を運んだあと、一旦お昼ご飯を食べてから、もう一度作業に入る。数が多くて時間がかかる。
それにしても、疲れる、ひたすら疲れる。面倒くさすぎる。どうにかして、ナインを出せないだろうか? ナインの触手さえあればこんなもの簡単に運び出せるのだが。どうにかして透明化できれば。
荷物をほとんど詰み終わった後、残りはあとすこしというところに差し掛かっていた。
「これはなんだー?」
「ん? それは何だったかな? ああ、確か盟主様が美術商に頼んでいたものを一緒に預かった奴だ。領主様が直々に頼んだものだからより慎重にな」
何だろう? 正方形の箱だし、壺とかかな、結構大きいけどどんなに高い壺なんだろうか。慎重にとなると、流石に私ひとりではちょっとまずいだろう。二人にも手伝ってもらった方がいいな。でも他の荷物運んでいるし、ちょっと休憩しよう。
と、座ったはいいが、あの荷物の中身が気になる。領主直々に選んだ、美術品ってどんなんだろうか? 一度気になると、止められないね。
「ノルマさーん」
「どうした?」
「中身見ていい?」
「いやいや、それはだめだよ」
「えー、でも領主様直々に選んだ品でしょ~、気にならない?」
「む、そういわれると気になってくるな。確かに、今回は間に合わないが、次献上品を選ぶ時の参考になるかもしれんな」
「でしょでしょー?」
ノルマさん、案外ノリがいい人だな? 押せばいける。
「ということで私、気になります」
「うーむ、せっかく好意で手伝ってくれているし、報酬代わりだ。私が慎重に開けるから一緒に見ようではないか」
「わかった!」
ノルマさんは慎重に開ける。私も汚れなどが中に入らないようにしなければ。ん?
まさかのタイミングでレンズの視覚共有がなされる。これは、レーシュと事前に話した、『鑑定』してほしいときは共有をするようにと言っていたやつだ。すごいタイミングだな、片目だけ共有しよ。
え?
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。
モブのはずのノルマがノリがいい。最後一体何を見たんでしょうね?




