街のあり方
どうも、作者です。52話です。
お菓子が食べたいのに、お金は使いたくないジレンマ。どうしましょう。
教会を後にした後、また、色々と商人の店に入っては色々と話を聞いていた。ただ、あの神父さんの情報がかなり正しかったらしく、特に目新しい情報は見当たらなかった。ただ、商人の人たちは口をそろえてこう言った。最近は景気がいい、と。
「特に目新しい情報はなかったな」
「そ、そうですね」
「となると」
ウロクはあんまりやりたくなりなさそうな顔をしている。しかし約束は約束である。それに、あの神父さんは怪しさ満点ではあったが、くれた情報は正しかったのだ。
「お前らはのんきでいいよな」
まぁ、仕事をするのはウロクだけであるから気楽である。
「そ、その時は私も手伝いますよ」
「え!?!?」
「お前過去一で驚いてない?」
そ、そんなイドハさんがやるとなると必然私もやる羽目になるじゃないか。一人だけやらないのは、別にそれでもいいな。まぁ、私はやらなくてもいいか。
「いいっすよ、受付嬢、どうせこいつはやらねぇから。別に人がやっていようと必要がなければいいよね、ってタイプだからな。やるだけ損だぞ」
「そ、そうですか?」
イドハさんが困惑気味に答えるがそうである。やらなくていいのだ、やらなくていいことはやらなくていいのだ。面倒くさい。
「ま、必要なら手伝ってもらうさ」
「は、はい」
と、そんなことを話しているうちに神父さんが言っていた商人さんの店にたどり着いた。ま、ウロクがやるのだから気楽に見よう。
「あの、ノルマさんの店で間違いないですか?」
「ん、ああ、 俺がノルマだよ」
中から出てきたのは、そこそこ年を取ったおじさんが出てきた。少し太り気味の、バーレさんよりそれっぽい商人さんだった。
「どうも、あそこの教会の神父様から紹介されてきました」
「神父様、あのお方からの紹介か、どういう案件だ?」
「実は、」
その神父さんから、情報をもらう交換条件として、ノルマさんの商売の手伝いをしてほしいと言われたことを話す。
「なるほど、確かに困っていたし、実際人手が欲しかったから助かるね。何より神父様からの推薦だろう、それなら問題ないさ!」
「それなら」
「ああ、手伝ってくれると助かる」
そこで、何かウロクが悪い笑みを浮かべている気がする。何だこいつ、何を考えている。
「ちなみに、その手伝いって人手が多い方がいいんですかね?」
んな、こいつまさか!?
「ん? あぁそりゃ人手が多い方がいいね」
「そうですか、それなら俺の知り合いも読んだ方がいいですかねー?」
「ははは! あぁ、よんでくれるんならぜひよんでくれ!」
「それならぜひ!」
こ、こいつ強制的にこっちを巻き込みにいったな! くそぅ、こうなったら断るわけにはいかないじゃないか。何より横にいる、イドハさんがすごくやる気がある顔をしている、まずい、本当に断りずらい。どうすればいいんだ。
「じゃあ、あとで呼んできますね。それでどんな手伝いをすれば」
「基本は領主様に渡す商品の荷物の積み込み、できれば、護衛までしてもらいたいが、流石にそれは難しいな、神父様の紹介とはいえ知らない人間を領主様の敷地に入れることはできんからな」
それは流石に厳しいか。でも、色々と情報は得れそうである。
「荷物はここに?」
「いや倉庫があるから、そこでだな」
「今からやるんです?」
「いや、明日の朝からやるつもりだからなその時に来てくれ」
「了解」
なるほど、明日か。じゃあ、今日はもう情報収集することはないかな?
とりあえず、ウロクはその場を離れる。
「この後はどうするの?」
「ふーむ、どうしようかな」
ウロクはその辺を散策している。さてどうするのか、
「そういえば、昼はまだ何も食べてなかったな、とりあえずなんか食べるか」
「え、私たちも何も食べてないんだけど」
「そっちはそっちで何か食べとけ」
私たちの分まで買ってくれればいいのに。
「何か食べるものあります?」
「は、はい。簡単なものならありますけど」
そういって、食糧庫のようなところに連れていってくれる。基本は保存のきく干し肉や固めのパンである。実にラインナップが冒険者のそれである。ただあまりないな。やはりどこかで食べようか。
「うーん、あんまりないし、どこかで食べます?」
「は、はい」
承諾してくれるが、あまり声色は明るくない、あんまり外で食べたくないんだろうか? 嫌々そうな人を無理やり外に連れ出すのはよろしくない。それに、考えてみれば食事中は仮面を外さなければならないから、それもよろしくないか。
「・・・やっぱり、食材買ってきます」
「え、で、ですが」
「いいんですよ、ここら辺の店はもう把握してるので」
ここらへんはもう、レンズで把握してるから迷うこともないだろう。ということで私は近場の店まで食材を買いに行く。といっても、帝都で物を買う時とは何も違わなかったので特に問題なく買える。
私は特に問題なくギルドの方まで戻っていく。
「はぁ、ギルドに霊族が来たらしいですよ」
道端の女性がそんな話をしている。霊族、たしか、イサムって妖精わんこだったよね。つまりイサムのことである。何か気になるので、少し聞き耳を立てる。
「どうして霊族なんて町に来たのかしら」
「ただでさえ野蛮な冒険者だというのに。その上霊族だなんて。速く街から出て行ってくれないかしら」
なんというか、これはいわゆる差別という奴だろうか。冒険者だから、特に何もされていないみたい、いや昨日もそんなことがあったな。あのぐるぐる巻きにした冒険者がイサムが霊族というだけで、いらだちを大きくしていた。気分が悪い、さっさとギルドに戻ろう。
「すいません、すぐ作りますね」
「い、いえ、ごゆっくり。・・・ジョゼ様、何かありましたか?」
イドハさんは私のことをじっと見てくる。私の内心を除くように、その目は吸い込まれそうなほどきれいだった。でも、私は目をそらす。
「あとで、話しますね」
「は、はい」
私は料理を簡単に作る。お腹が減っていたので早めにできるものを作る。
「ほい」
「ジョ、ジョゼ様、料理もできるんですね」
「まぁね」
覚えたのはこの世界に来てからだが、何だかんだで、もう五か月だか、それぐらいこの世界にいてずっと作っているので、最近は料理を作るのにもあまり面倒くささだった。しかし、洗い物はめんどくさいので、ナインに任せるが。
「お、おいしいです」
「まぁバンカさんから教えてもらってからのお気に入り何で作りなれてるんですよね~」
「バ、バンカ様とお知り合いなんですね」
あ、イドハさんもバンカさんと知り合いなのか。
「イドハさんも?」
「は、はい。私にギルドの仕事を教えてくれたのはバンカ様なので」
そうなんだ。意外な、いや二人とも、この国の受付嬢だし知り合いでもおかしくはないか。というか、ギルマスとも知り合いだったし、別に知り合いでも、おかしくはないか。
「そ、それで、どうしたんですか」
私は、少し話すのをためらったが、なんだか隠し事はできない気がしたので素直に話す。
「実は、外でイサムに早く出ていってほしいとか聞こえて、ちょっとむかついたんです」
「それは...。」
イドハさんは口をつぐむ。しかし、意を決したように、話始める。
「この街の人々は、基本多種族の人間を嫌っています。あの魔獣侵攻は魔族によって、いえ、魔人によって引き起こされたものですから」
「それは」
「はい、霊族の方々を嫌う理由にはなりません」
そのとおりだ。魔人を嫌う理由にはなるかもしれない、でもそれはイサムたちを嫌う理由にはならないはずだ。
「こ、この街で数年過ごしていて気づいたのは、恐らくここにいる方々は根本的にそれだけじゃないと思います」
「それって」
それはきっとこの街の一つの真相だ。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。
ちょっと重くなりそうで書くの大変です。




