最強の冒険者・その二
どうも、作者です。41話です。
今日はジョゼ視点です。
いつもより早くレーシュが帰った今日この頃。バンカさんやバーレさんも来ないので、久々に一人の時間だった。まぁ、シゼルはいるが人じゃないのでノーカウント。私はだからと言って何か特別なことをすることもなく、いつも通りのほほんと過ごしていた。もし、あっちの世界にいた時なら、こういう時昼寝でもするのだが。
やはり、この世界に来てから睡眠時間が減ったのが痛い。純粋に眠気をあまり感じなくなったのだ。一日に九時間も寝てしまうともう眠気が吹っ飛ぶのだ。寝ようと思っても寝られないのだ。目を閉じたまま虚無の時間になるだけである。
まぁ、だからと言ってどうすることもない。ただ何となくいつもやっていることを繰り返すだけである。ただふと椅子に座ってぼーっとしていると私は何となくステータスを見る。
海野ジョゼ 所属:セントラルフラッグ 職業:薬剤師、サブ職業:召喚士 レベル8、サブレベル46 種族:人間
ステータス 攻撃7、防御11、速度12、魔力81、耐魔89
スキル 翻訳、幻想召喚Lv.5、鑑定眼Lv.5、活性、計算Lv3
ふむ、いつの間にかすごいレベルが上がっていた。今のところ、レベルが10上がるごとに新しい召喚獣が呼べるようになっているから、あと少しで新しい召喚獣が呼べそう。なんだかんだ、毎回便利な召喚獣が出てくるから少し楽しみである。
「シゼルはどんな召喚獣が来てほしい?」
「俺に従順な奴!」
今までにそんな子いたかな? いや他の召喚獣たちは従順ではないが、シゼルのことを雑に扱っていること様子はあまり見たことがない。従順ではないが、敬意、のようなものがある気はする。
「従順だとしたらどうするの?」
「...。どうするんだろうな!」
こ、こいつ、何も考えていないではないか。従順だからと言ってシゼルがどうこうすることはないだろう。することがないし。
まぁ、シゼルが言うことに意味があることなどあんまりなかったが。
シゼルがと話していると、勢いよく扉が開く。知らない人だった? 見た目は二足歩行の狼。そして、なんというか武士という感じだ。編み笠と着物を着た銀色の狼、すごくかっこいい。
「頼もう! 道を教えてくれ!」
え、誰この人? 誰かに紹介されてきたのかな? いや、今道を教えてくれって言ってたな。ただ道を尋ねてきたのか、え、でもこの道に迷い込むことはないはず。迷いことがあるとすればそれは、
「あの、誰かの紹介できたんですか?」
「? いや、ギルドを探していてな、だが一向にたどり着かないものでな。この道にあった店はここだけだった、それでここに道を尋ねた次第だ」
この道には、ギルマスによって結界が張られている。人間の思考に作用として、この道に入ろうという意思やこの道に対する興味が徹底的になくなるという結界だ。厳密には、この道に目的もなく入ること、見ることができないという認識阻害の結界らしいが。つまりこの道に入ることそのものが目的になっていないとこの道には入れないのだ。
もし、その結界を無視しては入れるものがいるとするならばそれはギルマス以上に魔法が長けているか、もしくは思考を一切挟まないまま、要は考えずにこの道に入ったものだけである。つまり、特大級のバカ
「すいません、魔法って得意ですか?」
「いや、魔法の類は苦手だが、それがどうしたのだ」
つまりこの人? は特大級のバカという訳だ。まさか本当にいるとは。
「えーと、それでギルド探しているんだっけ」
「そうだ」
というか、ここまで来て、ギルドの位置分かってないのか、バカというか、究極の方向音痴なのでは?
「ちなみに、この帝都に来てからどれくらいギルド探してるの?」
「...。...?わからん、結構な時間だ!」
「あぁ、そう」
うん、究極の方向音痴で究極のバカだこの人。
「なんか、道教えてもたどり着けなさそうだから案内するよ」
「かたじけない!」
私はその人狼さんをギルドまで案内する。と言ってもすぐそこなのだが、にしても、妙に愛嬌のある狼だ。見た目は完全な二足歩行の狼だし、顔だけ見るとすごくりりしいのだが、喋ると途端にあほっぽい感じになる。なんだっけ、そんな犬種いたような。
あれだな、モンジとは逆だ。モンジはすごく愛嬌のある狼だけど、戦うと途端にりりしくなる。モンジと相性よさそう。
そういえば、人狼は初めて見たかも。時々道を歩いていると、犬の耳とか尻尾をついている人は見たことはあるが、完全に二足歩行の狼というのは初めて見たかもしれない。そもそも、あの獣耳の人たちは別の種族なのだろうか?
「えーと、人狼さんてなんて名前なの?」
「某か? 某はイサム、イサムという」
「イサムさんね、よろしく」
「ふむ、そういうお主の名は」
「ああ、私は海野ジョゼ、よろしくね」
「ウミノジョゼ、よし覚えた、よろしく、ジョゼ殿」
と自己紹介しているうちにギルドについた、五分も歩いていない。
「ついたよ」
「ここか! すぐそこではないか!」
そうだよ、そぐそこだよ。どうやったらこの至近距離で迷えるんだ。
「すまぬな、ありがとうジョゼ殿」
「いいよ、すぐそこだし」
いやほんとに、道をまっすぐ行っただけである。
それにしても、ギルドの前では、職員たちがあわただしくしている。どうやら誰かを探しているらしい。
「あ! 灰氷さんいました! ようやく見つけました!」
灰氷? 随分とかっこいい名前だな。うん? こっちに向かってくる。
「ほんと、やっと来ましたね灰氷!」
「う、探していくれていたか、すまない」
どうやら、灰氷とはイサムのことだったらしい。イサムさんはギルの職員に説教されていた。着いたら門から動かないでと言ったのに、とかそんな言葉が聞こえてくる。
「貴方は本当に何かと不可思議な縁を結びますね、ジョゼさん」
「あ、バンカさん」
バンカさんもやってくる。どうやら、バンカさんもイサムさんのを探していたらしい。バンカさんは少し疲れている顔をしている。
「縁って、イサムさんのこと?」
「ええ、かの灰氷と一緒に来るとは、」
「かの?」
かの、というのは少し言い方に違和感があるな。灰氷というあだ名といい、ギルド職員が探していたことと言い、もしかしてすごい人なのか? いや待て、冒険者ですごい人、そしてあの噂、もしかして、
「灰氷の真狼、この世界に五人しかいない、レイドと同じSSランク冒険者、その一人です」
またもや私は、SSランク冒険者と縁を結んでしまったらしい。
「ジョゼ殿、世話になったな!」
「いやちょっとしか世話してないけど」
「してくれたことに変わりはなだろう」
まぁ、本当に私が直接案内してなかったらたどり着かなさそうだったし、そういう意味では世話したと言えるのか?
「珍しいですね、あの人が名前を覚えているのは」
バンカさんがそんなことをつぶやく。ぼそっと言っていたので、あまり反応できなかったが。
「でもまさか、SSランク冒険者だとは」
いや、確かに見た目は武士でかっこいいし、強そうではあるが、それより先にバカのイメージが先行していて、気が付かなかった。
「それにしても、灰氷の真狼ってかっこいい」
「そうですね、ちなみに真狼というのは彼の部族の名前です」
「あ、そうなんだ」
「はい、彼は霊族の一種族である獣精の中のクー・シーと呼ばれる種族です」
霊族、というのは確か大まかに分けられる三種族の一種だっけ? 人間は獣族、エルフは霊族、あとは、魔族だっけ? ということは、バンカさんとは近い種族という訳だ。
「獣精っていうのは」
「まぁ、灰氷殿の見た目の通り、見た目が獣の妖精のことです。クー・シーは犬の見た目を姿をした人たちですね」
てことは、猫の妖精とかいるのか、見てみたいな。
「更にそのクー・シーの中でも、狼の姿をしているのが、真狼と呼ばれる方たちですね」
へー、というか種族が細かすぎて覚えるの大変だな。まぁ、つまり彼は犬の妖精ってことだ。獣耳の人たちは違うのかな? 今度聞いてみよう。
「ジョゼ殿」
どうやら説教が終わったらしい、イサムさんが話しかけてきた。
「俺はこれから、ギルドに入る。それでは、またな!」
「うん、じゃあね」
なんというか、イサムさんとはこれからも付き合いがある気がする。そんな予感がしていた。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。
新しい、SSランク冒険者の登場です。前から登場自体はしてましたが、本格登場です。




