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クエストに

どうも、作者です。四話です。

今期のアニメはたくさん見るものがある気がします。昨日もそれで投稿遅れました。

「喋ったああああ!?」


バンカさんの驚いた声が響く。私が初めて召喚した獣、シゼルを見てこんなに驚くとは。そんなに驚くことなのかな?


「おいおい、俺を見てそんなに驚くことはないだろ? そこなお姉さん? 俺だって初めて呼ばれて産声すらあげてないんだからな」


なんだこいつ。私より喋る気がするぞこの靄。にしたってどうやって喋っているんだろうか?


「どうやって喋ってるの?」


「うーん? 俺も知らん! 少なくとも俺はこういう獣だってことくらいだな!」


よく見たら口が見える。それ以外はただの靄だが。ただ口しかないはずなのに、何か表情豊かである。


「まぁいいや、シゼルって戦えるの?」


「いや全く! このボディをみろ、どこに戦闘能力があるように見えるお嬢!」


「ボディどこ? ってそうじゃなくて、こう、不思議な力で敵をやっつけるとかさ」


「それもない! なんせ俺ができることといやあ、ものを混ぜ合わせて薬を作ることくらいだな」


「え~? 使えないじゃん」


うーん、でも薬を作れるのは便利か? だがこれでは、クエストでは役立たずになりそうだ、どうしよう?


「それよりお嬢、そこで呆然としてるお姉さんは放置してても大丈夫なのか?」


確かに、シゼルのことで、すっかりバンカさんのこと忘れていた。


「バンカさーん? 大丈夫ですか」


「…は!? すみません。完全に停止してしまいました」


「それはいいけど、そんなに驚くことなの?」


「いやいや、喋る獣なんて前代未聞ですよ。人以外でしゃべるのは、竜種ぐらいなものです」


「つまりこの世界で唯一の存在ってこと?」


「恐らくは」


「まじか! 俺ってすごいのか!」


それなら驚くのもうなずける。何事も前代未聞なことというのは驚くものだろう。まぁ、この世界二日目も私からすれば大抵前代未聞なのだが。


「はぁ、とにかく、シゼルさんは戦闘では使えそうにありませんね」


バンカさんと二人で悩む。うーん、となると適当な職業からから選んで、クエストに出るのが無難だろうか?


「おいおい、お嬢らよ。召喚できる獣はもう一体いるだろ」


「「あ」」


そうだった。もう一体いるの忘れてた。シゼルのインパクトが強すぎたのが悪い。


「そうですね、もう一体を見てから決めた方がよろしいですね」


よし、召喚してみよっか――




「ジョゼさん、とりあえずクエストには行けそうなので、あとはジョブ選びくらいですね」


「そうですね~」


「お嬢に合うジョブなんてあるのか?」


「なんだとシゼル、そんな生意気なこと言うなら退去させるぞ」


「それだけはやめてくれ!」


まあいい、一通り召喚スキルについて把握できた。ということでバンカさんと先ほどの部屋に戻ってきた、あとはジョブを決めてクエストを受注する。そうすれば、冒険者として始まりという訳だ。


とりあえず、バンカさんと、ジョブ選びをする前にステータスを開く。それを見ながら決めた方がいいだろうし。


海野ジョゼ 所属:なし 職業:なし、サブ職業:召喚士 レベル1、サブレベル1 種族:人間

ステータス 攻撃2、防御3、速度3、魔力12、耐魔14

スキル 翻訳、幻想召喚Lv.1、鑑定眼Lv.1、活性


…。あれ?


「ジョゼさんどうしたんですか?」


「ちょ、ちょっとバンカさん、これ見てください」


そう言い、バンカさんにもステータスが見えるように操作する。バンカさんはわたしのステータスを見るためにこちらに近づく。


「どういうことですか? サブ職業が追加されている?」


やはり、バンカさんも知らないらしい。となると、


「やっぱ、スキルを使ったときに追加された?」


「そう考えるのが妥当ですね。ジョゼさん、召喚するとき、体がポカポカしませんでしたか?」


表現かわいい。じゃなかった、確かにシゼルを召喚した時、妙に体が熱かった。あれのことだろう。


「なりました」


「ならば、職業を得たのはその召喚の時ですね」


「なるほど~」


いつの間にか、ジョブを手に入れていたらしい、つまりニートは卒業である。短いニート生活だった。


「このステータス、ジョゼさんのスキルを考えれば十分かもしれませんね」


「まぁ、直接戦うことはないですしね」


「お嬢はもとより貧弱だからな! 前に出られても困る!」


お前が言うか、戦闘能力なしのシゼル。


「うーん、そうですね、近場であれば、まず十分ですね。ですが、一応つけておくことをおすすめしますが」


どうしようか、自分に合った職業もわからないまま悩むのはかなりもったいない気がする。それに、ある程度お金を稼げれば、他の楽な仕事をしたい。なら、召喚士だけでも十分だろう。このまま考えていたら、クエストに行くのも明日になりそうだし。そう、決して考えるのが面倒になったわけではない。


「いや、一度クエストを受けてみます」


「そうですか、ではクエストを受注してみましょうか」


そう言いながら、バンカさんは何かをこちらに差し出す。何かのカードらしい。


「あなたの、冒険者カードです。先ほど戻るときについでに発効しました。これにどんなクエストを受注し、クリアしたかが記録されます。再発行にはお金がかかるのでなくさないようにしてください」


「ほぉー、了解です」


いつの間にかカードができていた。私が知らない間に、そこら辺の手続きをしてくれていたらしい。さてはこの人有能だな? ただこれで、クエストに挑めるらしい。


「それで、どんなクエストがいいですか?」


まぁ、こういう時のセオリーは決まってるものである。そう、大体あれだ。


「やはり薬草採取でしょうか」


やっぱり、こういう時は薬草採取のクエストだ。RPGと異世界の基本である。


「薬草か! 俺なら回復薬に簡単に調合してやるぞ!」


「それは便利ですね。ですが、薬草はギルドが管理しているので、そのまま納品してくださいね」


「俺の出番はなしか!」


「じゃあそれにします」


「では、採取用のバッグや簡単な装備はこちらで支給します」


何から何まで、世話してくれる。このままでは、バンカさんのひもになってしまいそうだ。


「すいません、色々と」


「いえ、これに関しては、初心者の皆さんにやっているだけですから、お気になさらず」


逆を言えば、他のことは私のためにやってくれたことであるということだ。やはりひもになりたい。だが、ここまでやってくれたのだ。今回は頑張ろう。




バンカさんが持ってきてくれた装備品を身につけて、ギルドの前までやってきた。おぉ、これだけで少し冒険者っぽい。と、いっても鏡のようなものがないため、全身がどうなっているかよくわからないが。


「ふむ、やはり似合っていますね」


バンカさんが、とても自信満々の笑みで言う。そんなに似合ってるかな?


「ほんとですか?」


「おぉ! よく似合ってるぜお嬢! 馬子にも衣装ってやつだな!」


シゼルが瓶の中から声を出す。あんまり喋るなって言ったのに。どうやら私のびたCの中がちょうどいいらしい。


「それいい意味じゃないから」


「ふふ、本当に似合っていますよ。なんせ私が選んだんですから! ジョゼさんはきれいな顔立ちをしてますからね! 選びがいがありました」


なるほど、バンカさんが選んでくれたのか。あれ? 私、バンカさんとしか関わってない? まぁいいか。


「では、行ってらっしゃいジョゼさん」


「はい、いってきます」


「あ、ジョゼさん、”彼”を呼び出すのは門を出て離れてからにしてください。じゃないと混乱を招いてしまいますので」


つまり、門までは歩きか。ちょっと面倒くさい。だが注目される方が面倒くさい。ので仕方ないか。


「りょーかいです」


「じゃ、改めていってきます」


「じゃあ、お気をつけて」


「はーい」


昨日入ってきた門とは真逆のところからでる。今回は門番さんに冒険証見せるだけで出れた。戻るときも冒険証を見せるだけでいいらしい。


少しづつ門から離れる。門番さんが米粒ですらなくなったあたりで、バンカさんから貰った地図を広げる。


さて、ここから北の森に薬草があるらしい。頑張りますか! ただちょっと遠い。つまり、今こそ呼び出す時。周りに誰もいないよね? まぁいない前提でやりますか。


『出でよ、魔法の獣、刻む者、紋章獣、モンジ』


ニ体目の獣を召喚する。光とともに現れたのは、体に文様が刻まれた大型の狼。その名は紋章獣、モンジ。シゼルより強そうで獣らしい獣だった。


「わふ」


「貴様は可愛いのう」


シゼルが鳴き声を発しながらこちらに近寄る。シゼルと違いしゃべらないが役に立つ子である。しかももふもふ。冬場はモンジの中で寝たい。


「俺は可愛いくないのかお嬢!」


「可愛くない」


「ひでぇ!」


「ま、じゃあ行きますかー」


そういいながらモンジにまたがる。さて初クエスト、薬草集めてちゃっちゃか帰りますか。


読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字・コメントお気軽にどうぞ。

シゼルは喋らしてて楽しいので、喋らせすぎないように気をつけねば。

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