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少女誘拐

どうも、作者です。21話です。

さて、ジョゼはどうなっているでしょうか。

雨の日、ようやっとこの日が来た。あの女の足取りをつかむのは実に大変だった。最初は冒険者だから、ギルドに出入りするはずと、見張りを立てていたが、部下たちは一切そのようなは女は出入りしていないの言いやがる。おかげさまで何回、部下を殴ったかわかりやしねぇ。


ただ、しびれを切らして自分で見張っても見つかりやしなかった。見つけたのはそれから、随分と後だった。どういう訳か、ギルドから西に45度ほどいったところの道だった。どうやら、図書館に用があったらしい。


俺は、チャンスだと思ったが、踏みとどまった。なんせ、兵士どもがうろついてやがったからだ。これじゃすぐばれちまう。俺は女が図書館が出るのを待って、行動を把握するのに注力した。


そこから一か月、女の行動範囲は、大抵、商店か、図書館あたりだと気が付いた。そこで俺は部下たちに貧民をあおらせて、犯罪数を増やし、兵士たちを散らした。できるだけ、図書館側から兵士の注意を散らすように。


さすがに、浮浪者の一人が、ヘズン草の種を取られたときはヒヤッとしたが、元々そういう案件は定期的にあったために、あまり怪しまれなかったのは助かった。


あとはチャンスを待つだけだった。あの女が動くのを、そしてそれが今だ。しかも雨の日、雨の日ならば多でさえ少ない人がほとんどいなくなる。俺はなんて運がいいのか、今なら女神に感謝をしてもいいくらいだ。


細かい処理はいくつもあった、ギルド、騎士双方に極力俺たちマフィアが怪しい動きをしていないように見せるのは、中々に骨が折れたし、あの女が街中ではあの狼を連れだしていないことを確認するのもなかなか大変だった。しかし、それも今日で終わりだ。


俺の部下どもはどいつもこいつも大雑把だ。殺されでもしたら、努力が水の泡だ。俺がやるのが一番確実だった。


俺は女の頭を殴り、女が気絶したのを確認する。あぁ、俺の物語はここから始まるのだ。




「ん」


私は意識を取り戻す、見える視界にあるのは扉があるくらいで他には何もない部屋だった。どうも私は言うに座らせられているらしい。手足は完全に固定されていおり、口には何かつけられ喋れない。たしか、猿轡だったか。


何故、私は冷静に分析しているのだろう。完全にやられた、誰にやられたかわからないがとにかく誘拐されたのはわかる。何の目的かは分からない、とにかく誘拐されたのだ。


ただ、どうやらシゼルは、腰につけられっぱなしである。それだけが幸いだ。シゼルも身を潜めている、シゼルは最後の切り札になるだろう。どうするか。


扉が開く、そこから現れた、やさぐれた顔をしている男だった。顔には傷がついており、その表情もあいまって、明らかに一般人のそれではない。体格はがっしりしており、身なりはそれなりに整えられている。


「おはようお嬢ちゃん。よく眠れたかい?」


私は精一杯睨みつける。喋りも動きもできない自分の最後の抵抗だ。


「生意気な目だなぁ。ほんとは痛めつけてやりたいところなんだが、嬢ちゃんにはできる限り無事ていてほしいんでね。痛めつけやしないさ」


優しい声音交じりでそう言う、あぁこいつは私を支配したいんだ。人を思い通りに動かそうとする人間はいつもこうだ。上っ面だけ、優しく取り繕おうとする。


「何、少し俺の元に雇われてくれねぇかなぁ、何、嬢ちゃんは少し草を増やしてくれるだけで一生楽させてやるぜ?」


『活性』が目的か!? いつ見られた? 人前で使ったのなんて、せいぜい、ギルマスの前だけだ。それとも、店の中をみられていた? いや窓はあるが外から中は見れないガラスが使われていたはずだ。いったい何時?


だが、『活性』が見られたのが何時であれ、私は使う気はない。勝手に人を殴ってさらって、こんなとこに監禁して、誰が使うもんか、例え楽な生活ができたって絶対にやらない。


「はぁ、本当に生意気な目だなぁ。だが、まぁいい、何、俺はいつまでも待ってやるよ。嬢ちゃんがイエスと言うまで」


そう言って男は部屋を出る。扉の先で何か喋っている。どうにか集中して聞く。


「クヤハさん、どうしますか」


「とりあえず、しばらくは何もするな。交代で監視しろ。餓死ぎりぎりまで追い込め。それでも、使わなかったら、今度は痛めつけろ、心が折れるまでな。」


「ヤクは?」


「バカが、ヤクなんて使って精神が壊れちまったら、スキルが使えなっちまうだろうが!」


「す、すいやせん」


その後は、離れながらしゃべっているのか途切れ途切れにしか聞こえない。


「いた・・・たは、な・・・・ヤっ・・・」


とか、それぐらいだ。


しかし、どうやら猶予はある。とはいえ、ご飯が食べられないのはきついけど。さて、どうするか。




私は今日も今日とて、ジョゼさんの元へ向かう。最近はもう学校帰りに行くのが日課になっている。ジョゼさんといるのは振り回されることはあれど居心地がよかった。雨だからと言って、彼女は特に変わらない人だ。今日も当たり前に店にいるだろう。


ピース・スリープ、そう書かれた看板が掲げられた店にたどり着く。私はいつも通り、扉を開ける。


「ジョゼさん、こんにち、あら?」


どうやら、ジョゼさんは外出中らしい、営業中に店を空けるのはどうかと思うが、まぁ人が来ないのだから、それで慣れてしまったのだろう。とはいえ、この裏道に人がいるところは見たことがないとはいえ鍵をかけずに外に出るのは杜撰ではなかろうか、彼女が帰ってきたら注意しよう。


ジョゼさんが外に出るのは大抵図書館か、食品を買いに近くの商店に行くかのどちらかなのですぐ帰ってくるだろう。それまで、自習をして待つことにした。そう思い、いつも使ってるカウンターに腰掛ける。そうすると、机の上にある本に目が行く。


「これは、『英雄記』の三巻ですわね」


確か今読んでいると言っていたのを思い出す。おそらく、これを読み終えたから、続きを借りに行ったのだろう。しかし、返却しなければならないのに、相変わらず、抜けたところがある人だ。おきっぱとは、届けた方がいいかしら? いや、すれ違いになるとまずいだろう。おとなしく待つとしましょう。


一時間、一時間待った。私はそこで嫌な予感がした。ジョゼさんが帰ってこない。一時間、そう一時間だ。他人ならばそこまで気にしなかっただろう。ジョゼさんが一時間も帰ってこなかった。それはあまりに異常事態だった。ジョゼさんは基本出不精である。これまでも、ジョゼさんが突然外出することもあったが、外に出てもせいぜい30分もあれば帰ってくる、そういう人だ。


私は、店を飛び出し、商人街に向かう。まずはバーレさんの元へ。


「バーレさん、ジョゼさんを知りませんか!?」


「あ、店にいねえのか、出てたとしてもすぐ帰って」


「一時間以上店を空けていますわ」


「・・・あ? 嬢ちゃんが一時間も!?」


バーレさんにもそれだけどれだけ異常事態か伝わる。何より、バーレさんが知らないとなれば、あとはギルド、そこにも、いなければ、彼女は確実何かに巻き込まれている。




「久々だな、ハ」


「レイドです。わざわざ偽名を使っているのだから徹底してください」


「そうだったな、すまんすまん。にしてもわざわざ使う必要あるかねぇ?」


「もう、このあたりだと本名でも有名なんですから、これ以上騒がれては駄目でしょう?」


私はそういいながら、ギルマスとギルマスと対面している巨大な鎧を全身に纏った友人にお茶を差し出す。会うのは、二年ぶりくらいだが、友人はあまり変わっていないようで息災だ。


「それで、今回はどんなクエストできたんだ?」


「そう大したものではないです。この辺りはポーションの質がいいですから、それの補充と、最近できたダンジョンの調査ですよ」


「そうか、あぁ、ポーションと言えば、お前に会わせたい奴がいてな!」


そう言って、ギルマスは私に目配せする。きっとジョゼさんのことだろう。私も新しくできた友人を紹介したかった。


「そうですね、私も新しい友人を紹介したです」


「バンカがそう言うなんて珍しい。私もちょっと気になるね」


「えぇ、楽しみにし」


バン! 扉が勢いよく開く、そこにいたのは、レーシュさんとバーレさんだった。二人とも随分と焦った顔をしている。二人がそろってそんな顔をする状況、私は嫌な予感しかしなかった。


「ジョゼさんが、何かに巻き込まれていますわ」

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

ジョゼは大ピンチ、そして、ジョゼの友人たちは一瞬で気づきました。これからどうなるんでしょうか。地味に新キャラも登場です。次回にご期待ください。

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