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帝都の裏道

どうも、作者です。19話です。

今回から新章と言ってしまってもいいかもしれません。

帝都、それはカウデン帝国の首都の通称だ、この世界では最大級の都市であり、多くの人間がこの地に集まるのだ。それは、いいものばかりが集まるわけではない。当然、悪いものもこの帝都には集まる。例えば、貴族の暗殺をもくろむ暗殺者、悪辣の商売をしようとする商人、そして我々、マフィア。そういうやつは大抵裏道に集まるものだ。




青の月の中月一日、特に送魂祭から一か月、本当に何も変化がなかった。いつも通り、薬屋の修業をしたり、図書館に本を借りにいったり、レンズで空から帝都を眺めてみたり、掃除したり。まぁ、そんなことをする日々だった。


「今日もいつも通りですわね、ジョゼさん」


「いらっしゃ~い」


まぁ、何変わったかと言われれば、レーシュがよく来るようになったことか、学校帰りだとか休日だとかによく来るようになった。裏道にある薬屋は静かで落ち着くらしい。ようは、図書館感覚でここに来ている。別にいいけど。


「今日は君が初のお客さんだよ」


「それは店としてどうなのですか」


「いいんだよ、元々君意外だとバーレさんかバンカさんしか来ないんだから」


「それはそうですけれど」


レーシュは呆れた顔をしている。いいのだ、ギルドからの依頼で収入は安定してるし。


「あぁ、この時期ですものね」


そう、この青の月の中月というのは、この世界にとってすごく忙しい時期なのだとか。実際私にもそのしわ寄せはきている。


「新しい冒険者が来るのはこの時期でしたね、それに新入生もこの時期に入学していますわ」


「どこも大変だねぇ」


そうなのだ、新しい冒険者がたくさん来るということは、それを受け入れるギルドも忙しくなる。そうなれば、必然職員であるバンカさんは忙しくなるし、人が増えれば商売時だから商人のバーレさんも気合を入れる。ということで、レーシュ以外の人間があまり来なくなったのだ。


「あなたは薬屋として力を入れなくていいですの?」


「別に~、というか、私も薬の発注増えて忙しいし」


「忙しいのは俺だがな!」


「あらシゼルさん、こんにちは」


「おうお嬢様!」


まぁ、実際忙しいのはシゼルだけど。でも、帳簿とかは私がとっているから私も忙しいのだ、スキルのおかげであっさりおわるんだけど。


「そういえば、新しい召喚獣が呼べるようになったとバーレさんから聞きましたわよ」


バーレさんとも面識あるのは知ってたけど、私の知らないところで除法が拡散してるのは何なんだ。


「私も結構レベル上がったからねぇ」


「どれくらい上がったんですの?」


私はステータスを見せる。口で話すより早い。レーシュには全部話しているので問題ないし。


海野ジョゼ 所属:セントラルフラッグ 職業:薬剤師、サブ職業:召喚士 レベル4、サブレベル21 種族:人間

ステータス 攻撃5、防御8、速度8、魔力52、耐魔57

スキル 翻訳、幻想召喚Lv.3、鑑定眼Lv.4、活性、計算Lv2


「あいかわらず、召喚士のレベルの上がり方がすさまじいですわね」


そうである。薬剤師は一か月で2しか上がってないのに、召喚士は一か月で12上がってる、速度がすさまじい。


「一体どうやったらこんなに上がるのかしら」


「多分、召喚獣たちが何かするたびにこっちに経験値が入ってるみたい」


「つまり、シゼルさんやレンズさん、モンジさんが動けば動くほどあなたがレベルアップするのですのね、なんというか規格外ですわね」


そう、一種のチートと言っていい、何せ私は何もしていないのだからね。


「せっかくだし、呼び出してあげよう、彼を」


「新しい召喚獣ですわね」


「便利な子だよ」


「楽しみですわ!」


レーシュは目をキラキラさせている。結構こういうところ子供っぽい。まぁ、アレスのこともあって獣が好きなのだろう。


さて、呼び出そうか。


『出でよ、水晶の獣、作る者、結晶獣、グラス』


光が収束して、出てきたのは水晶を甲羅に携えた亀である。大きさは抱えられるぐらいで、すごく穏やかな顔をしている。


「かわいいですわね」


「ちなみに大きさは人間大まで大きくできるよ」


「貴方の『幻想召喚』って応用ききますわよね」


まぁ、基本でかくても邪魔だから普段はこのサイズだが。


「それで、この子は何ができるんですの?」


「水晶もしくはガラスを作り出すこと、それを加工することが基本能力だよ」


「ガラスを作る、ということはもしかして」


彼女は机の上においてあった空のポーション瓶を手に取る。


「そうそう、そのポーション瓶はガラスが作ったものだよ」


「ついにポーション瓶まで自作になりましたか。あなた本当に経済を壊せますわね」


「まぁ、そうだね」


知り合い全員に同じことを言われ呆れられた、ギルマスには全力で笑われた、その後真顔であんまりやりすぎるなよと言われたが。


「まぁ、ヘンテコなポーション瓶作るのにとどめるよ」


「変なポーション瓶作る意味は分かりませんが、まぁできるだけ抑えるようにしてくださいまし」


「は~い」


そこでいったん会話は途切れ、それぞれで作業を始める。レーシュは勉強、私は、掃除したり、薬を作ったり。それぞれで作業を始める。


彼女がここに通い始めたころは居心地の悪さもあったが、今ではそんなものは消え失せた。というか、同じ空間にいても気にしなくなっている。ただ、ちょくちょくシゼルがレーシュに茶々を入れている。私が注意しようとしたら、なんでもちょうどいいタイミングらしい。よくよく考えてみたらシゼルはかなり空気が読めるらしい。


それから一時間ほど、特に会話もなく互いのやることに集中していた。そうしていたら、唐突に扉が開く


「いらっしゃいませー、ってあれギルマスさん」


「おう、 俺だ」


ギルマスが店に来るのは久々な気がする。開店以来かな?


「あら、ギルドマスター様、ご無沙汰しておりますわ」


「おう久々だな、フーニル家の娘殿」


二人は面識があったのか。いや、バンカさんもたまに貴族のパーティに出席してるって言ってたし、あって当然か。


「それで、どういう用件ですか?」


「あぁ、大した用件じゃない、半分は単純に見に来ただけだ。あとは、ちょっと注意してほしいことがあってな」


「うん?」


そういう割に今日はなんだか真面目モードだ。ちょっと心して聞いた方がいいか?


「そう大したことじゃない、この祝物に注意してほしいってだけだ」


ギルマスは種を取り出す、ふむ鑑定しようか。


イズン草:栽培、採取が難しい薬草、少量であれば麻酔として使用可能、過剰摂取非推奨


なんだろう、この書き方、何かやばいにおいがする。あれだ、歴史の教科書とかでこんなのが、あれだ、思い出した。アヘン戦争でこんなの見たぞ。つまるところ、


「大麻?」


「ふむ、大麻というのは分からんが、多分近いな、いわゆる違法薬物というやつだ。中毒性が高いうえ、採りすぎると年を取ったみたいになって、完全に人として終わっちまう」


「昔からあるものですわね、それをどうして、あ」


レーシュは何かを思い至ったかのように顔をしかめる。それもそうだろう、おそらくしっていたのに見逃されていた、しかしそれを今になって私に言うということは、


「『活性』だね」


「そういうことだ、こいつは栽培が異常にむずいから今まで流行らなかったが、お前ならそれを無視できるからな。とにかく、こいつだけは注意してくれ」


流石にこれに関しては、真面目に聞いた方がいい。元の世界でも問題になってるものだ。あまり、触れたくないし、触れる気もないが注意した方がいいだろう。


「わかった」


「ギルドマスター様、それだけですの?」


「まぁ、それが一番だな、あとは最近、ここじゃないが、こういう裏道で違法取引をしてるやつがいるっていう情報がギルドにまで入ってきてな」


「騎士の元にとどまらずですか」


二人がそろって難しい話をしている。多分結構まずいのだろうが、私にはよくわからん。


「ま、ここに関しては安心していい、一応結界のメンテナンスもしたから、とりあえずイズン草だけ覚えてくれればいい」


「りょーかい」


「あぁ、あと余裕ができた時でいいからギルドに来てくれ、バンカの気分転換になる」


「それもりょーかい」


流石に今回は気をつけよう。あとバンカさん相当ストレスやばそうである。

読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字報告・コメントお気軽にどうぞ。

少し、不穏な気配がしてきましたね。

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