草の採り方
どうも、作者です。15話。
アイスが食べたい。
狼型の魔獣たちが次々と切り払われる。それにしても、上で俯瞰していて思うが、彼女は背中に目でもついているのだろうか? 私がいくら、死角からの敵に関しては教えているとはいえ、対応速度が尋常じゃない。何せ、ここまで魔獣からの攻撃をまともに受けていない。
これで、六体。あと一、あ、逃げた。
「させませんわ」
「縛れ」
『魔鎖』
彼女は、一言そう唱えると、地面から光を帯びた鎖が出来上がる。その鎖は迷うことなく魔獣の元へととんでいく。一心不乱に逃げていた魔獣は、その後ろ脚を鎖にからめとられる。必死に振りほどこうとしているが、鎖から抜け出すより先にその頭を穿たれる。
「これで、終わりですわね」
「近辺敵影なーし」
遭遇した魔獣はたいてい狼が打で同じ種類みたいである。やはり何かあったのだろうか?
「逃げたやつは、見逃してもよかったんじゃない?」
「いいえ、逃げたということは狡猾だということ。もし、逃がしてしまえば強くなって帝都に害あるものになってしまうので、倒さなければなりませんわ」
確かに、ここまでの魔獣はこちらを見た途端、なりふり構わず襲ってきた。そんな中で逃げた一体はかなり知能があったのかもしれない。相違のが厄介なものなんだな。
それにしても、今の鎖すごかったなぁ。かっこいい。そういえば、魔法というのを私はあんまり使ったことが、あぁ召喚するときのあれは一応詠唱か。
「さっきの鎖カッコよかったね」
「あれはただの簡易魔法ですわ」
「簡易魔法?」
「ジョゼさん、知らないんですの?」
まて、もしかして一般知識なのか? だとしたらまずい。
「お嬢、無理にごまかしても逆効果だぜ?」
机に置かれているシゼルが言う。うーんまぁ、そうだね。ごまかしてもあれだし、ばれたらその時はその時である。
「うん、知らない」
「ふむ、まぁいいですわ。簡易魔法は、短文の魔法ですわ。通常、魔法は、限られた職業の人間がつかえる職業特有の魔法、その人しか使えない固有魔法、種族特有の魔法の三種類があります。しかし、簡易魔法だけは、万人が使えます」
さらっとこの世界の魔法について、色々と情報開示されたが、つまるところこのインスタントマジックというのは誰でも使える魔法ってことか。
「つまり、私でも使えるってことか」
「そういうことですわ」
そんな便利魔法があるとは、今度教えてもらおう。
「まぁ、一度に覚えられる種類は個人の才能によりますが」
「レーシュは何種類覚えているの」
「私は3種類ですわね」
聞いたはいいが全然ぴんと来ないや。にしても、結構な種類があるのだろうか?
「それって多いの?」
「かなり多いですわね」
つまり、レーシュは才能があるということだ。くっ、魔法の才能まであるのか、レーシュは一体何の才能がないのだろうか?
「さて、ここにもなさそうですわね」
「うーん、本当にあるのかな~?」
「あなたが聞いた情報でしょう?」
それはそうなのだが、しかしあの優しいおじいちゃんがわざわざ嘘をつく理由もないだろうし。だとしても本当にない。まぁ、まだ森全てを探したわけではない。
それから一時間、魔獣に遭遇することもなかったが、しかし進展もなかった。あまりに見つからないものだから。私は机の上で寝そうになった。ただ、それをレンズは察知しているのか、そうなるたびに全力で視界を揺らしてくる。賢い奴め。
と、そこで崖にぶち当たる。
「うーん、ちょっと先に上見てくるよ。そっちの方が安全だし」
「そうですわね、よろしく頼みますわ」
と、いうことで、崖の上を見に行く。崖の間には所々出っ張っている。その中の一つに人が座れそうなスペースがあった。そのスペースに見たことがない草を見る。レンズ近づいて。
レンズは草の方に近づく。この距離なら『鑑定』しやすい。という訳で『鑑定』
バルド草:衝撃を与えると光る。また、ある植物と混ぜ合わさることで、持続的に光るようになる。岸壁や洞窟などに自生している。
見つけた! まさかこんなところに生えているとは。そりゃ見つからないわけだ。木の根元などを重点的に探していたのだから、見つかるわけがなかったのだ。
私、もといレンズはレーシュのところに戻る。レンズは、差し出された腕にとまる。ふむ、レーシュは中々に手慣れているな。
「あったよ~、バルド草」
「本当ですの!」
「うん、崖の間の出っ張った所にあった」
「なるほど、岩付近に生える草でしたか」
「そうみたい」
「では、採りに行きましょうか」
だが、結構高いところにあったがレーシュは大丈夫だろうか? さっきの戦闘を見るに大丈夫だろうが、しかしクライミングは結構大変だろう。
「ずいぶんと時間を使ってしまったことですし、なるべく早く採りましょう。レンズさん、バルド草のある所に行ってくださる」
レンズは、その位置につく。ずいぶんと、レーシュがずいぶんと下にいた。レーシュは体勢を変えてしゃがみ込んでいる。レンズの耳がずいぶんといいのかレーシュの声がかすかに聞こえる。
「吹け」
『突風』
恐らく簡易魔法。その一言と共に足元に風がでて、彼女を数メートルほど上へと飛ぶ。しかし、それでもレンズのいる場所まで届かない。しかし、
「縛れ」
『魔鎖』
今度は出っ張っている岩に鎖を巻き付ける。そうすると、ターザロンプのように体を左右に振る。そして、また突風を唱える。そうして、体をもう一度上に上げる、今度はさっきの倍くらい飛んで、今度こそレンズのいる場所まで飛んでくる。
彼女は、自然な重心移動で、一切の無駄のない着地をする。しかも、何も生えていない場所に。
「oh,アクロバティック」
「さて、あとは採るだけですわね」
レーシュは丁寧に必要量だけを取って袋に入れる。彼女は中々に満足そうな顔をしている。それもそうだろう、ここまで四、五時間ぐらい歩き回ったし、十回ぐらい、魔獣に遭遇した。さすがに疲れているのだろう。
「よーし、これで依頼達成!」
「いやあなた、まだ調合が残っているでしょう」
そうだった。まぁ、シゼルに丸投げするだけだから私のやることはほとんどやることは終わったのだ。
「じゃあ、帰りはレンズが先導するよ」
草を探す必要がないので、あとは魔獣の位置をレンズで上から特定すればいいのだ。そうすれば、帰りは戦わずに帰れる。私はいったん休憩しよう、レンズだけでもできるし。
「了解ですわ」
ということで、あとはレンズに任せて私は寝よう。スヤァ( ˘ω˘ )
「・・・ゼ・・ん。ジョ・・・さ・・。ジョゼさん」
「あと五分」
「ダメですわ。はぁ、人が苦労して帰ってきたというのに」
「お嬢! 流石に依頼人にあほ面の寝顔さらすのはよくないぜ!」
「んにゃ」
いつの間にか、レーシュたちはかえってきていたらしい。レンズが優しく私の頭をつついていた。とりあえず、あとでシゼルは振り回しの刑に処そう。
「お帰り~」
「はい、帰りましたわ」
レーシュのとても機嫌がよさそうだった。それだけの苦労したことが見て取れる。まぁ、私はレンズ越しに見ていただけだからあまり苦労した感じはなかった。
「さて、とは調合するだけだ」
「そんな簡単に作れるものですの? 簡単なレシピしかありませんが」
「まぁ、作れるんじゃない?」
「あなたが作るのではないの?」
「作るのはお嬢じゃないぜ! 俺だ!」
「シゼルさんが」
そう、私はシゼルはただお喋りが過ぎるだけの召喚獣ではないのだ。というか、シゼルのメインは薬を作ることである。
「ということでお嬢様! そいつを俺によこせ!」
「え、ええ」
レーシュのことをお嬢様ってなんか私より呼称が上じゃない? いや何も間違っていないのだが。彼女はバルド草を瓶の中にいれる。瓶の中に入れられた植物は一瞬で消えていく。
「おう、確かにこれなら作れるな!」
「これなら間に合いそうですわね」
レーシュはほっと胸をなでおろしてから、安堵したようにそう言い放つ。
「そうだね、これなら送魂祭には間に合うね」
「知っていたの、ですね」
「聞かしてくれる? 貴方が亡くした人を」
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字・コメントお気軽にどうぞ。
発光ポーションが使い道がやっとわかります。




