怠惰な少女、転生す。
どうも、FOXtaleです。初連載になります。そう長くやらないシリーズですがよろしくお願いします。
初連載なもんで、全然どんなタグ入れていいか分かりません。助けてください
季節的には春、だが暑すぎる5月のある日。なんてことはない、遅刻すると母に説教くらうので、そうならない程度の時間に家を出る。いつもと変わらない1日。おそらく私は死んだ。
ふむ、車だったか、バイクだったかはわからんが何かが突進してきたところまでは覚えている。
記憶的に多分死んだのだろう。しまった、こんなことだったら、学校についてから飲めるだろうと高をくくったびたCを飲めば良かった。
「ん~~、君ってば死んで気にするのそこ?」
確かに、父はギャン泣きし、母は激昂するだろう。それは申し訳ないかも。
「いやそうじゃなくて。死んで悲しいとかそういうの」
うーむ、人はどうせ死ぬものだし、そもそも生きるのも中々にめんどくさい。何より死ぬのは嫌だ!なんて思う暇もないくらい一瞬で死んだからなのか、そもそも死んでしまったからなのか、何も思い浮かばない。
「なるほど、死んでしまった人間というのは、そんな感じなのか。まぁ、君が特殊なんだろうけど」
と、今気づいたが目の前には、緑髪の生意気そうな少年?がいる。いや顔立ちはとても整っていて女の子にも見える。そしてこの妙な空間。えーとここは誰?あなたはどこ?
「反対じゃない?まぁ良いや。僕は、んーと、名前は、めんどくさいな。女神様でいいよ」
女神様?じゃ、ここは天国?天国とかって実在したんだ。いや、地獄か?
「さぁ?」
さぁ?って、ドユコト。
「だって僕、君の世界の神様じゃないし。だから、あっても知らない。あ、でも、いたら申し訳ないかも?」
えーと、つまり異世界ってやつか。そんなアニメいっぱいあるし。
「それで間違いないよ。死んだ君の魂を僕が引っ張ってきた」
なんのために?いや、死んだ人間が異世界につれてこられてやることといえば。
「君の想像通り。転生ってやつさ」
えー、めんどくさい
「え、そんなぁ」
だって、死んだんだし。もう死なないでいいのに。もう1回死ににいくの嫌じゃん。
「確かに。これは困ったぞ。僕と合う子見つけるの苦労したのに。次探すのも時間かかるしなぁ」
で、私ってどう消えるわけ?
「うーん、君はもともとこの世界の人間じゃないし、なじんでないし、元の世界に返すしかないんだけど...。ごめん、返したことないからわかんない」
えー?じゃあ私どうなんの?
「僕の話し相手?死ぬことはないよ」
貴様、さては無責任だな。
「ごめん。君の世界の人はみんな嬉々として受け入れるもんだと」
確かにテンプレみたいな死に方したしね。明らかに異世界に行くタイプの死に方だった。でも、そうなると、さすがにここにずっと居るのはめんどくささより退屈さが勝つなぁ。あ、ちなみに、転生特典とかは?
「もちろんあるよ。僕ができる限りのサービスはしてやるとも」
ほう、つまり最強の存在にでもしてくれると。
「そうなりたいの?」
いや別に。使命とかありそうで嫌。
「なるほど、なら安心してくれ。楽に生きれるくらいの力だよ」
ふむ。なら、転生で。ほんとに使命とかない?
「気ままに過ごしてくれていいよ。ただ、まぁ、気が向いたら僕のお願いを聞いてほしいな」
なんと身勝手な。
「女神なんてそんなもんだよ」
これが上位存在の余裕という訳か
「まぁ、めんどくさそうだったら断ってくれていいからさ」
本当に?
「本当だよ〜。ん~~、それでも疑いが晴れないなら、たまにでいいから話し相手にでもなってよ、寝てる時にでもさ。ここに一人だと退屈なんだ。そっちをメイン条件ってことで」
ん~~。寝てる時に邪魔されるのは嫌だけど。わかった、それでいいよ。退屈なのは、同情したげる。
「じゃ、契約成立ってことで、んふふ、やっぱり僕と君は相性がいいらしい」
なんだコイツ。それでいつ飛ばされるの。
「そこで、寝っ転がってて。したら、あっちに飛ばすよ。」
りょ。
「あと、謝罪料込みでオマケしとくよ。ほんとは意味ないけど。君の未練がそれで気慰み程度にでもなくせるように」
あ、転生したらどうすりゃいいの?
「近くに大きい街があるから、そこのギルドってところに行けばいい。そこなら、色々世話焼いてくれると思う。では、良い第二生を。またね〜」
よくわからん女神の声が遠ざかっていく。そこで意識はきれた。
青い空、飛ぶトカゲ、原っぱのにおい。起き抜けに感じたのはそんなことだった。あれドラゴンかな。
どうも、死んだ時と服装が違う。この世界の服だろうか?
「んしょ」
体を起こす。中々に気持ちいい風でである。このまま寝てしまいたいが、ここは異世界、恐らく。なので危険がいっぱいだろう、恐らく。ということで、あたりを見渡す。今のところ危険そうな生き物は近くにいない。なので多少はのんびりしてもよさそうである。
もう少しあたりを見渡すと、大きな壁が見える。恐らくあの女神が言っていた町とはあれのことだろう。よく見たらあそこまでの道がそばにあった。案外近そうである。これなら移動するのも楽そうだ。だがしかし、まだ動くのもめんどくさい、まぁ、安全そうなのでとりあえず枕に寝っ転がる。果報は寝て待て、焦ってもしょうがない。使い方あってるか?
中々のどかな土地だ。風もそこそこに気持ちいい。そういえば、頭にある枕は何だろう?なんとなく枕に使っていたが、女神が持たせてくれたものかな?そう思って、バックを開けてみる。すると、中に入っていたのは恐らくこの世界のお金と、毛布と、着替え、あとは、
「こ、これは!びたC!!ありがとー!ヘンテコ女神様!でもなんで一本空なのー( ;∀;)」
おそらく、女神が言っていたオマケとはこれのことだろう。どうして、一本空なのか謎だが。あ、いや、そうか、バックに入れていたびたCをそのまま一緒に送ったのか。おそらくお守り代わりに入れてた最初に飲んだびたCだ。納得。
私は空じゃない方のびたCを飲み干す。これで前世の未練は断ち切れた。嘘である。もっと飲みたい。だがそれはそれとして、満足感で体を倒す。やはり、びたCは至高の飲み物である。この瓶こそ私の生きる活力であった。もうないが。
ふと、あることに気づいた。なんだか、生きていて感じたことのない違和感があった。その違和感を拭い去るように、体を動かしてみる。するとなにか、ゲームみたいなウィンドウが出てくる。
「んー、なにこれ?ゲーム?」
ついつぶやいてしまうほど、場違いな画面が出てくる。名前と共に、いわゆるステータス画面が出てきた。
海野ジョゼ 所属:なし、職業:なし レベル1 種族:人間
ステータス 攻撃1、防御1、速度2、魔力4、耐魔3
スキル 翻訳、幻想召喚Lv.1、鑑定眼Lv.1、活性
ふむ、我ながらビックリするほどのくそ雑魚っぷりである。ただ、スキルの方はなんだか強そうなスキルがある。翻訳と鑑定眼はラノベだとかでよく見るスキルだが、活性と、幻想召喚は絶妙によくわからない。召喚と書いてあるから恐らく何かを呼び出せる能力なのだろう。今使えるかな?ただどう使うんだ?
わからん、わからんくてボーっと考えているうちに睡魔に襲われる。ま、まずいここはのどかす・・ぎ・・・すぴー。
「ぉーぃ、おーい、そこのお嬢ちゃん」
「ふがっ!?んー?ここどこぉ?」
誰かに呼ばれた気がして起きる。というかいつの間にか日が傾いていた。どおりで景色が変わっているわけだ。
「ここは帝都のド真ン前の道、ってそうじゃなくて、さすがに夜までここで寝るのはお勧めしないぜ?」
「えーと?あなたは・・・。」
あまり年が離れているようには見えない。そこそこに日焼けた肌と、中々の筋肉。なんというか、絵にかいたような好青年。という感じの人だ。
「俺はただの商人さ、ま、駆け出しだけど」
「ほへー、商人さん。珍しいですね」
「いやそんな珍しくないと思うぞ」
はっしまった、つい、前世?の感覚で話してしまった。そうだここ異世界だ。この人の言う通り夜はやっぱり危ないのだろう。
「起こしてくれてありがとーございます。今から帝都って入れますか?」
「ん?なんだ嬢ちゃん、帝都の人間じゃないねぇのかい。」
「えーと、まぁ、最近上京してきた旅人です」
「なんだ、俺と一緒じゃねえか。そういことだったらすぐそこまで、一緒にいくかい?馬車に空きはあるんでね」
「え、ほんとですか、いや、ちょっと怪しさもあるな。ちなみに見返りとかはありますか」
「別にいらねえよ、縁は大事にする人間でね。ま、いつか嬢ちゃんが上客になってくれれば御の字さ」
なんとなくこの人からは人の好さを感じる。多分いい人なのだろう、というか、そもそも何かするつもりなら私を起こす必要はなかっただろう。そういう意味でも信用度は高い。
「じゃあお言葉に甘えます。センキュー!!」
「お、おう。まぁ、よろしくな!!」
かわいく元気にお礼を言ったら若干引かれた。まぁ、果報を寝て待った甲斐があったらしい。
馬車につかの間の時間、揺られる。ふむ、ここも中々寝心地がよさそうだ、まぁ、すぐ着くそうだから、寝る時間はないが。
「そういや嬢ちゃん、どうしてあんなとこで寝てたんだい。」
そんなのは決まっているのだ。そう、
「気持ち良い天気と、そこそこの硬さの地面、そこに心地よい風、そうなったら昼寝するしかないでしょう」
「はっはっは!なるほど、それは聞いてるだけで眠たくなるな。まぁ、ここは昼間は安全だからいいが、どこでもそんな風に寝るなよ。嬢ちゃんならどこでも寝れそうだし」
「へへ、自慢じゃないけどどこでも寝れますよ~」
「いや今のは警告だよ!ほんとに寝るなよ」
「気をつけまーす。っとそういう、えーと」
「?あぁ、俺の名前はバーレってんだ、よろしくな」
「あ、ジョゼです。バーレさんは帝都で何を?って商売か」
「商人名乗るからにはね。ま、ご存じの通り、この帝都はここらへんで一番でかい町、というかこの帝国の中心地だからな、競争は激しいが、ここで、一山当てりゃ、人生一生安泰ってな」
ご存じじゃないが。だがなるほど、帝都というのでそんな気はしてたがやはりすごく大きい町であるらしい、話しているうちにずいぶんと近づいたが、思ったよりも城壁が高い、あれだ、進撃してくるタイプの巨人とか、中にいそうなくらい高い。というか、結構近いと思っていたが、遠近法で近く見えていただけだった。歩いていたら一時間くらいかかったかも。
バーレさんが、あーだこーだ話してくれているうちに、城門前についた。日はほとんど落ちていた。
「大分ぎりぎりになっちまったが、まだ開いてるな、間に合った間に合った」
ぎりぎりだったらしい、私のせいかな。
「さ、入るか」
「そんな簡単に入れるの?」
「ん?ああ入れると思うぜ、嬢ちゃん、特に後ろめたいこととかないだろう。あったら別だがね」
私、身分証とか持ってないんだけど、そんな簡単に入れるのならセキュリティがばがばである気がするが。
そんなことを考えているうちにバーレさんはずかずかと検問所に入っていく。
「そこで止まれ」
兵士らしき人に止められる。
「荷物を確認する、あと見せろ」
????何を見せるの?言い方的に荷物じゃない、じゃあ何を?
「嬢ちゃんどうしたんだい?」
「えと、見せるって何を?」
何言ってんだこいつ?という顔をされた、一秒くらい見つめられたあと合点がいったような顔をした。
「あぁ、田舎者か。ステータスだよ、それを見る。もちろん、名前と所属だけでいい」
ステータスを!この世界ではそんなことできるのか、ほへー。だがどうやって見せるのだろう。さっきの感じでいいのかな。そう思っていたら、バーレさんがこっちを見て、見ときなという顔をする。そう思うと兵士に慣れた手つきで、ステータス画面を開いて、こっちに見えるように簡単な操作をする。
「これでいいかい?」
「ああ」
ありがとうバーレさん。私の一番の幸運はあの女神にあったことじゃない、あなたに会えたことだ。
ということで、私もバーレさんの真似をしてステータス画面を開いて、操作する。操作感も、なんとなくゲーム感があった、やはりなれない。
「こ、これでいいですか?」
「ああ、大丈夫だ」
どうやら行けたらしい。よかった。
「荷物の方も・・・。なんだこれ、変な形のポーション瓶だな」
私のおろCの空き瓶を見て、不思議そうな顔をしている。兵士さんはもう一人の兵士さんに渡す。すると、もう一人の兵士が何を唱える。
『彼のものの過去を表せ』
『性質鑑定』
そう唱えると、瓶が淡く光る。3秒ほど経つと光が消えた。さらっと使っていたが今のが魔法か!私も使えるのかな。
「特に問題なし」
「了解、お前らいっていいぞ」
「はーい、お疲れ様でーす」
「・・・。でーす。」
どうやらいけたらしい。ふー、少し緊張したが、なんてことはなかった。
「んじゃ、ここでお別れだな」
「あ、今日はいろいろとありがとうございました。いや本当に」
「ははは!いいってことよ!まぁ、また会ったら何か買っててくれ!」
「わかりました。あ、最後に、近くに宿とかって」
「ああ、それなら、左の道に行けば、安い宿屋がある、冒険者用で信用度も高いからそこにするといい。確か、割高だが女性用の宿屋もあったと思うぞ」
「本当にありがとうございました」
そう言って、バーレさんと別れる。本当にあの人と会えてよかった。
さて、とりあえずギルドに向かうのは明日にして、今日のところは宿を取ろう。女一人だが大丈夫だろうか?バーレさんを信用するとしよう。今日は運がいい一日だった。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字・コメントお気軽にどうぞ。
怠惰の少女の物語をどうか生暖かい目で見ていただけるとうれしいです。できるだけ毎日投稿でいけたらなんて無謀なことを考えている作者ですが、頑張っていきます。最低限の目標として失踪しないを掲げていきます。よろしくお願いします。