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報復の大地  作者: 西 一
終章 大いなる遺産
48/58

起つ時は、今

 シャンガン(香港)に向かっていた周大一向の前に、二つの道が立ちはだかった。

 一方は整備された道であり、もう一方は山道で整備されていないものの、近道であった。いずれもシャンガンに続く道で、周大はどちらの道を進むべきかを思案した。

 そんな周大に、後方にいたシュタイナーが近付き、片方の整備された道に進むべきだと勧めた。

 周大はシュタイナーを睨んで、彼の言った方の道とは反対の道を進んだ。

 進言を受け入れてくれなかったことで落ち込むシュタイナーは、うつむきながら元の位置に戻った。

 


 荒れた山道を進んで行く周大達の耳に、人馬のぶつかり合う激しい音が麓の方から聞こえて来た。

 この騒ぎを確かめようと、周大達は断崖に迫った。

「――あれは」

 周大達が見下ろした大地では、大軍同士がぶつかり合い、激しい戦闘をしていた。


 後方にいたシュタイナーが、再び周大の所に近付いて来て言った。

「あれは、中央軍と大漢軍のとの戦いです」

「中央軍と大漢軍だと。何故だ? 同じ仲間ではなかったのか」

 中央軍の軍旗と大漢軍の劉の旗がなびいていた。


「中央世界の実権を巡って、両者は戦っているのです。大漢軍を指揮するリュウギ殿は、最大の敵である中央軍を倒そうと奇襲したのです。八万の兵力を有する中央軍を、四万の大漢軍が果敢に攻めたてています」

「なんと、馬鹿なことを。今は争っている場合じゃないだろう……」

「そう。馬鹿なことを止めるのが、シュウダイ様の使命です」

「また、その話か。オレには両者を止める力はない」

 うんざりとばかりに周大は首を振った。


「リュウギ殿は、大漢の虎と恐れられる武将で、王太子の身でありながら、自ら進んで前線に立つ勇猛果敢な人物。あらゆる兵法を身に付け、そのたぐいまれな戦法で敵を圧倒します。彼には中央に取って代わろうなどという野心は無く、中央を立て直すことだけを考えているのです。さしものマルス殿も苦戦しています」

「あのマルスが苦戦しているだと……。大漢軍は、それほどに強いのか?」

「中央軍は背後を崖に覆われているため、進退を塞がれ不利な状況です。そして、眼下にある本営の中には、シュウダイ様が倒すべき相手であるマルス殿がいるのです」

「あの本営にマルスが……まさか――。お前は、あの時、オレがあえて反対することを見越して、整備されている道を進めと言ったのか。オレをこの場所に連れて来るために」

「はい。シュウダイ様が私の意見に反発するのを予測して、あえて反対の道を勧めました」

「全てはマルスを倒して、中央軍を乗っ取るためにお前が仕組んだのか」

「私はこの日のために、部下達と情報を取り合っていたのです。離反後、連合軍の中で、中央軍と大漢軍の二強が争うと私は読んでいたので、密かに探りを入れていたのです。今、マルス殿を倒せば、中央軍はシュウダイ様のものとなるでしょう。軍内部においてマルス殿を嫌う者は多く、中央軍は完全に統率されていません。シュウダイ様はペガサスの一件で名は知れ渡っています。また、ザルツの後宮の女官達を助けたことは、諸王国にも知れ渡っているのです。中央軍の中でシュウダイ様に共感する者は多く、これらの者達を見方に付ければ、中央軍はシュウダイ様一色に染まるはずです」

「そう簡単に、中央軍を乗っ取れるとでも思っているのか? あの軍勢の数を見てみろ、立ち向かうどころか、一瞬にして呑み込まれるのがオチだ」 

 誰が見てもそう思うはず。

 だが、

「どう戦いを終わらそうかと、マルス殿は、あの天幕の中で思案しているのでしょう。マルス殿は、本格的な戦闘にならないために前線に立つことをためらっているのでしょうが、主力軍が大漢軍に押され、追い詰められた諸将は司令官のマルス殿を頼るはずです。本営にはマルス殿と僅かな側近のみで、今、崖を下って一気に本営を攻めれば、簡単に攻略出来るでしょう」

 強気なまでにシュタイナーは進言した。


「中央軍を乗っ取りたいのなら、お前が部隊を率いてマルスを倒せばいいではないか」

「私では出来ません。何しろ、私は彼らが最も憎むザルツの人間ですから」

 横にいた召輝が慌てて言った。

「何言っているんですか! 兄貴。マルスは我々を追放した張本人ですよ。それに奴は、兄貴を目の仇に苦しめてきたではないですか。その恨みを晴らすために、シュタイナーの言う通り、本営を攻めて中央軍を乗っ取りましょう」

「オレは、自身のために人をおとしいれるようなことはせぬ!」

 キッパリと言い放った周大の決意に、さしものシュタイナーも説得を諦めた。

 彼にもそのことは十分分かっていた。


「……分かりました。シュウダイ様に攻める気が無いなら仕方ありません。もう私は何も言いません。黙って貴方様に付いて行きましょう。だた、これだけは言っておきます。シュウダイ様が今起たなければ、中央諸国は覇権を争って泥沼の戦争に発展します。その間、中央諸国の力の衰えるのを見ていたガザフが襲い、諸王国は無論、ビクトリア帝国は栄光と権威を失うばかりか、砂漠の中に埋もれて消え去ることになるでしょう。サルフはガザフの支配する世界となり、その他の人民は彼らの手によって迫害を受ける。かつて、ザルツによって行われてきた悲劇が繰り返されるのです。その悲劇を阻止することの出来るのは、シュウダイ様しかいないのです」

「さっきも言ったが、オレにはそんな力は無い。オレは争いが嫌になり逃げ出した人間だぞ」

「いいえ、貴方様には隠された力があります。胸の奥から放たれる器量が魅力となって人々を引き付け、こうして多くの若者が集まって来ているのではないのですか」

「皆を、引き付ける力……」

 周大は、シュタイナーが言った隠された器量という言葉に、ふと、シオンに謁見した時のことを思い出した。

 シオンもまた、同じことを自分に言っていたことを。


 ……シオン最後の戦いとなったニュルンベルグの戦いで、周大は初めてシオンに会った。

 当時、周大はザルツの女官達を戦場の中から救い出したことで彼の名は知れ渡っていた。

「その男、シュウダイと申すのか」

「はい。漢人で、もの凄く大きな男です」

「俺に似て、体の大きい男か。一度、その男に会って見たい。会って彼に礼が言いたい、ビクトリアの大義を守った男に」

 シオンは一目、その周大という男を見たいと言って、側近に彼を連れて来るように命じた。

 当の周大はシオンとの謁見に喜びながら、シオンの待つ本営を訪れた。

 極度の緊張で固まっている周大を見て、シオンは笑いながら言った。

「大きな体に似合わず、何を固くなっているのだ。もっと楽にしたらどうだ」

「は、は~ぁ」

 周大はシオンの笑いに緊張の糸が緩んだ。

 落ち着きを取り戻した彼は改めて、

「謁見を許され、ありがとうございます」

 礼を述べた。

 終始、うつむいてひれ伏している周大に、

「略奪の宮中から、女官達を救い出したそうだな。礼を言う」

 周大にシオンは頭を下げた。

 これには周大は勿論のこと、側近達も驚いた。

「礼などと、もったいない御言葉」

 感激のあまり、自然と涙が溢れ出る。

「漢人であるお前が何故、中央軍に従っているのだ。大漢王・劉公に従軍の許しを受けているのか? 先の戦いで農民兵のほとんどが恩賞をもらって自国に帰ったと聞いたが」

「私は劉王の臣下ではなく、ただの農民です。何者にも捕らわれない自由人です。このまま中央軍の末端の兵士としていさせて下さい。御願い致します」

 地面に頭を付けて周大は願い出た。

「その自由人が何故、軍律の厳しい軍隊に留まっていたいのだ」

「シオン様と共に、夢を追い掛けたいのです」

「夢か……。そなたは大きいの。いいや、その体ではない。その体の中に眠る器量だ。その器量は、俺のそれより遥かに凌ぐものだ」

 シオンは周大を見詰めながら、

「気に入った。お前を百騎馬隊長に任命する」

 と命じた。

 周大は慌てて体を起こした。

「私めに、ですか? 他国のこの私に役を」

「不服か?」

「と、とんでもございません。ありがたく御受け致します」

 と、再びひざまずいた周大に、

「お前にとって百騎馬隊長と言う役は物足りないかもしれん。しかし、お前なら自分の力ではい上がってくるだろう。お前の器量を持てすれば、いつかきっと我がビクトリアのために、最大の力になってくれる。そう俺は信じている」

 この謁見が周大にとってシオンとの最後の分かれになった……。


 この時のシオンと交わした最後の言葉が今でも耳に残って放れない。


 シオン様はあの時、オレの中に、何を見たというんだ……。今となっては何も分からないが、シオン様と同じことをシュタイナーは言っている。


 目を閉じ、天を仰ぎながら周大は自分を信じようと思った。

 自分を信じることこそ、自分を引き立て認めてくれたシオンへの恩返しであると言い聞かせ、

「オレにどれほどの力があるのか分からない。だが、この世に生を受けて生まれて来たからには、この世のためになる力を備わっているのかも知れんな」

 と呟いた周大は、部隊の全員に向かって、

「このオレに命をくれるか? 決して五体満足でここから出られないかも知れぬ。それでも、オレに付いて来てくれるか」

「オーーッ!」

 覚悟を決めた周大の言葉に、全員が喜んで賛同した。


「起つべき時は、今なんだな」

 と、傍らに控えるシュタイナーに向かって言った。

 諦め掛けていたシュタイナーの目が輝いた。

「はい! 今こそ、起つべき時なのです」

「シュタイナーよ、オレの後ろに乗れるか? その頼りない馬車では、この崖から降りることは困難だろう」

「それでは、この私を連れて行ってくれるのですか」

「何をぐずぐずしている、お前らしくない。それでは勝機を失うぞ」

 シュタイナーを後ろに乗せるということは、彼を信じ、全幅の信頼を寄せたことに他ならない。

 シュタイナーは喜んで周大の後ろに乗り、力一杯しがみ付いた。

「行くぞ!」

 という周大の掛け声に、三千人の彼の部隊が一気に崖を下って行った。

 周大の部隊は、大漢軍との戦いで手薄になっている中央軍の本営を奇襲した。



「――騒がしいぞ! 何事か」

 本営の中で戦闘の準備をしていたマルスが、周りの騒がしさに側近達と外に出た。

 外に出て来たマルスの目に映ったものは、周の一文字の旗をなびかせた部隊によって本営が包囲されている現実だった。

 更に、包囲している敵の中に、彼が最も憎む周大がいたのである。

「貴様、気でも狂ったか! 我が中央軍に背くつもりか、命知らずめ」

「もはや、中央軍は貴方のものではなくなりました。観念し、シュウダイ様に降伏されるが宜しい。本営はシュウダイ様の率いる三千人の兵士に包囲されています」

 と、周大の後ろに乗っているシュタイナーが言った。

「三千だとぉ! 馬鹿な。中央軍を追放した時はたかだか三百足らずの部隊だったはず、それが短期間に三千の兵を集められるはずがない」

 マルスが辺りを見回すと、周大を取り巻く兵士の中に、黒衣の騎士達がいるのを見た。

「貴様、ザルツに身を売ったか!」

「身を売ったんじゃない。彼らは、オレに付いて来たんだ」

「嘘を付くな!」

「嘘ではありません。ここにいる全ての者達は、シュウダイ様を慕い、自らの意思でシュウダイ様に付いて来たのです」

 とシュタイナーは言った。

「お前達……」

 マルスは若者達の輝く目を見て、シュタイナーの言っていることが本当であると悟った。


「確かに、お前には人を引き付ける器量があるらしいな。しかし、必要なのは力だ。いくら器量があっても、力が無ければ目的は達成されん」

「残念ながら、力では人民は付いては来ません。それは我がザルツの行って来た行為を思い出して見れば御分かりのはずです」

 シュタイナーの言葉に、

「力こそ正義だ。俺が力によって中央を立て直して見せる」

 頑なに拒否し、己の信念を曲げないマルス。

「シュウダイ様にも力はあります。貴方ほどの眼力を持ってすれば分かるはずです。全ての面において、シュウダイ様が勝っていることを」

「何をぉ! 俺が奴より劣っていると言うのか。言わしておけば勝手なことを言いおって」

 マルスはいきり立ち、

「良かろう。シュウダイに中央軍を束ねる力があると言うのなら、中央軍をお前にくれてやる。ただし、俺を倒してからだ。勝負だ! シュウダイ」

 剣を抜いた。


「勝負だと?」

「そう。かつて大帝陛下が支配権を賭けてカイザーと戦ったが、まさにそれと同様、一騎打ちにて勝敗を決しようではないか。お前が勝てば中央軍はお前の好きにするが良い。だが、お前が負ければ皆殺しにする」

「……分かった」

「兄貴! 奴の口車に乗ってはいけません。奴は時間稼ぎをするつもりなんです。援軍の来るのを待っているんですよ!」

 召輝が慌てて、無謀とも思える一騎打ちを阻止しょうとするが、

「時間稼ぎはマルス殿の計算でしょうが、シュウダイ様が勝つことは頭に入ってはいないでしょう」

 と、シュタイナーが自信たっぷりに言った。

「奴は軍神と呼ばれる男だぞ。その男に兄貴が勝てるはずがないではないか。止めさせるべきだ」

「怖じ気付いたか! さあ、お前の器量とやらを見せてみろ」

 そう言い放つと、マルスは猛然と周大に襲い掛かった。


 軍神と呼ばれるほどの剣の使い手であるマルスに、周大は翻弄された。

 素早い斬撃が周大を襲う。

 周大は繰り出される斬撃をかわすのがやっとで、まったく攻撃に転じられない。だが、マルスの攻撃をかわしているだけでも不思議なくらいだった。


 周大は小さい頃から、強大な勢力であった劉氏との抗争で常に死と隣り合わせの恐怖と戦い続けた。

 更に、世界の舞台となる大戦にも彼は参加した。周大は知らずのうちに力を身に付けていたのである。

 マルスの繰り出す斬撃を無意識のうちに周大は防いでいた。激しく攻めたてるマルスに、疲れの色が見えてきた。

 ただ防いでいるだけに見えた周大の剣には、もの凄い力が込められていて、攻撃を仕掛けるマルスの手を痺れさていたのだ。


 感覚を失ったマルスの手は力が入らなくなり、攻撃の手が緩み始めた。

 この機を周大は見逃さなかった。

 終始受け身に追い込められていた周大に、攻撃を仕掛ける余裕が出来たのである。

 周大は手に持つ長剣に力を込めて振り上げた。

 周大が剣を上げたその姿に、マルスは驚いた。

「こ、これは――」

 長剣を振り上げた構えが、ビクトリアの奥義と言うべき帝王剣の構えだったからである。

 と同時に、マルスの目に亡きシオンが映った。

 不覚にもマルスは一瞬、周大をシオンと錯覚してしまった。


 マルスは攻撃出来ず、防御するために身構えた。

 身構えたマルスの剣を目掛けて、周大は渾身の力で長剣を振り下ろす。

『ガキーーン』

 マルスの剣は折れ、その剣先が虚しく地面に落ちるのをマルスは見た。

 その瞬間、勝負は決まった。


「負けた……。俺の負けだ……」

 マルスは甲胄を脱ぎ出し、潔く頭を周大に向けた。

「なんの真似だ?」

「俺を殺さなければ、中央軍はお前に従わないぞ。さあ、早く斬れ! 俺に生き恥をかかすな、斬れ!」

「何故、死を急ぐ」

「マルス殿は最初から死を覚悟していたのですね。『十二神将は皇帝と共に生きる』が、先代からの習わしです。貴方は死に場所を求めて、さ迷っていたのでしょう」

「殉死など、馬鹿げたことだ。大帝陛下も、二世様もきっと生きたかったであろう。志し半ばで倒れ、どれほど辛かったことであろうか。それを思えば、生き残った我らが二人のやり残した大業を、生きている限りやり遂げなければならないのではないのか。二人の後を追って死んでしまえば、それこそ二人に、なんて言ってお詫びをするつもりなんだ」

 そう言って周大は、がっくりと肩を落とし意気消沈しているマルスの肩を軽く叩き、

「シオン様の夢を実現するために、共に戦おうではないか。今、お前を斬っても中央軍はオレのものにはならないだろう。お前が生きていてこそ、中央軍は統率されるのだからな」

 黙って見ていたシュタイナーが拍手した。

 これに合わせるかのように、拍手の波が一面に広がった。


 その時、拍手の波を掻き分けるようにして、マルスの出馬を要請する伝令が入って来た。

 伝令は、異様な雰囲気に戸惑う。

 その伝令に向かってマルスが言った。

「たった今、俺は中央軍の指揮官を降りる」

「降りる? では、一体、誰が指揮を」

「俺に代わって、このシュウダイ殿が中央軍の指揮を取る」

 驚いた伝令は、周りの状況から全てを察して、

「ハッ!」

 マルスの横に座ってひざまずいた。


「ご指示を、これからの指示をお聞かせ下され、我らが大将殿」

 と、マルスが周大を仰ぎ見ながら言った。

「今後の、指示……」

 周大は困惑した表情でシュタイナーを見た。

「では、私がシュウダイ様に代わって指示をします。まずは、大漢軍との戦いを終わらせ、講和を結ぶのです」

「この状況で、講和だと……」

 収拾のつかないまでに発展した戦いを終わらせ、しかも講和を結ぶと言ったシュタイナーの言葉に、一同は驚かされた。


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