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回想リフレクション。



「……ずずずずっ」



 ママンに作ってもらったお粥を食べながら「ぶはぁー」と湯気を吐く。

 ちゃんと体調を崩してしまったので、こうして学校を休んで布団の中で半日を過ごしている。

 暇だったのでテレビのモニターでNetflixのドラマ『三体』を見た。

 でも、一話を全部みる体力は残っていなくて、途中で力尽きた。


「雪柳、なにしてんだろ……」


 なにをしていても、不思議と彼女のことが頭に浮かんでしまう。

 付き合ってまだ1週間程度しか経過していないけど、雪柳 愛への愛が止まらない。


 サブスクを見ていても「このドラマ、一緒に見たいなぁ」とか思ってしまうし、自転車を漕いで帰宅しているときも、あそこのケーキ屋さんのシュークリームを今度買ってプレゼントしようかなぁとか、なんでもないことをいちいち恋愛に関連づけてしまう。


 俺は雪柳 愛が好きだ。

 昔からずっと、ずぅーっと好きだった。


 ※ ※ ※


 小学生の頃に引っ越してきて、転校生だった俺には友達が一人もいなかった。

 みんなは公園で集まってサッカーやゲームをしているのに、俺は一人ブランコを思いっきり漕いで、“柵をジャンプで乗り越えるごっこ”をしていた。

 運動神経は良かったので、2週間程度で乗り越えることができた。


 その後は砂場で泥団子を作って、形の良い泥団子を美術品のように枠の縁に並べて「らっしゃいらっしゃ〜い。いいのそろえてるよー」とまるで市場の店主のように手を叩いて、周囲に“作った泥団子をお店みたく販売するごっこ”をしていた。


 でも誰も近づいては来なかった。

 それは避けられているとかではなくて、友達グループ内で遊ぶことに夢中になっていることもそうだし、自己完結している少年にわざわざ接触してきて輪に入れようとするほど自分が友達を欲しているようには見えていなかった、というのもあったのかもしれない。


 本当は寂しくて仕方なかった。

 みんなと一緒に遊びたかった。


 もっと自己アピールをするべきだった。



『……つまんねっ』



 俺が拗ねて、目の前のお気に入りだった泥団子を握った拳で叩き潰そうとしたときだった。



『だめっ!』



 三つ編みの少女が、眼前に立っていた。

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