表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身【毎日更新】  作者: あかくま
6/15

Ⅵ.蹴撃

「変身」

ニシオカの体表が熱を帯びて歪んでいき、硬化した。

2本の角が額から伸び、大きな複眼を備えている。

挿絵(By みてみん)

「ハッ」

そう声をあげ、交差した腕を開くと、体色は金属のような光沢をもつ暗いオリーブ色になった。複眼は赤い。

クモの翅徒(シト)はニシオカをすぐさま敵と認識し、腕から粘糸を出そうと構える。

しかし、ニシオカが反射的に蹴りでその腕を払うほうが早かった。

翅徒が怯むと、間髪入れずに中段、上段に蹴りを入れる。

「得意技は打たせやしないよ」


翅徒は粘糸でニシオカの動きを封じることは諦め、3対の腕で接近戦を挑もうと近づく。

ニシオカは翅徒の考えを読んだのか体勢を低くし、突進でカウンターをした。

常人であれば決してスピードが出る距離ではない、僅か1歩2歩くらいの間合いだが、変身したニシオカの強靭な脚力は詰め寄る翅徒に対して、十分な破壊力を持っていたようだ。


翅徒は3メートルほど吹き飛ばされ、胸の外殻が割れている。もう自力では起き上がれないほどのダメージを受けているようだった。

「ふぅ~...トドメ刺しますか」

ニシオカは翅徒の割れた胸に腕を深く突っ込み、なにか管のような臓器を引きずり出す。

すると体液が外殻から溢れ、ニシオカの体にも飛び散った。

「うん! これでもう大丈夫!」

ニシオカは明るくそう言うと、ユウスケを拘束している粘糸を千切りはじめた。

「あの...その翅徒を狙撃したのって、ニシオカさんじゃないですよね?」

「うん。今朝、助っ人を呼んでおいたんだよね。すぐ来てくれて良かった...ていうか2日連続で襲われるなんて、相当好かれてるね~キミ」

「ハハハ...何でなんですかね...?」


そこから約1キロ離れたビルの屋上では、スコープ越しに2人を見つめる少女の姿があった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ