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XⅡ.にどげり
ユウスケは休学、メイリーは翅徒が現れない間はすることがないので、必然的に日中は一緒に過ごすことが多くなった。
といっても、マイペースなメイリーに話しかける切っ掛けもなかったので距離が縮まるということもない。
メイリーはこの日、ニシオカのパソコンでシューティングゲームをしていた。
ユウスケも多少はゲームを知っているが、メイリーがやっているゲームはよく知らない。キャラクターの体格差が激しいゲームという印象を受けた。
「メイリーさんてゲーム好きだよね」
「是」
「シューティングしかしないの?」
「うーん...そうじゃない」
「俺も一緒にできるやつないかな」
「あー...ユウスケ、ポケモンわかるか?」
「そこそこ分かるよ」
「なに育てればいいかよく分からないから教えてほしい」
メイリーはそう言うと鞄から一昔前の携帯ゲーム機を出してきた。
起動した画面を見ると、ダウンロード版の黄色だった。
「あ~...これはたしか序盤が大変だったような...」
2人は夕方まで最初のジムリーダーを倒すのに奮闘したのだった。