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『フィンらんど』  作者: 神宮寺匁トロロ
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【第11話 進軍】 

第四十三章:エストリア侵攻作戦


ヴァルディス国の要衝であるエストリア。その巨大な城壁はまるで牙を剥くようにそびえ立ち、敵軍の精鋭がその内部で待ち構えていると噂されていた。この城を制圧することが、アルディニア王国にとって未来を左右する重要な鍵だった。


広場には東西の傭兵団が集結し、隊列を組んでいた。その中心には、紅蓮の騎士団団長エクセリオン・ブレイズハートと蒼玄の騎士団団長グラシス・ブルーレインズの二人が立ち並んでいる。燃えるような赤髪と冷徹な青い瞳が、二人の対照的な存在感を際立たせていた。


「我々は夜明け前にエストリアに到着し、日の出と共に攻撃を開始する。」

エクセリオンの力強い声が広場全体に響き渡る。


その言葉にフィンは思わず息を呑んだ。目の前に立つ二人の圧倒的な威厳に、胸の高鳴りを抑えきれなかった。


「これが戦争の本当の姿か…。」

隣で呟くジンの声にも、微かな緊張が滲んでいた。


傭兵団が次々と出発準備を整え、巨大な軍勢が進軍を開始した。


第四十四章:進軍の夜


夜の冷たい風が吹き抜ける中、数千人規模の軍勢が整然と進軍を続けていた。その足音は大地を揺らし、山道を進む隊列は暗闇の中で一つの生き物のように蠢いている。


フィンは剣の柄を握りしめながら、隣を歩くジンに目を向けた。

「これだけの軍勢が一つの目標に向かうなんて…。すごい光景だな。」


「だが、全員が生きて戻れるわけじゃない。」

ジンが静かに返す。


その言葉の重さに、フィンは改めて戦場の現実を感じた。


夜が更け、エストリアから数キロ手前の地点で軍勢は野営地を設けた。火の手が次々と上がり、炎の明かりが闇を追いやる中、傭兵たちは戦闘準備を進めていた。


フィンとジンも自分たちの剣を研ぎながら、明日に備える。


「フィン、準備はいいか?」

ジンが尋ねる。


ふたりの決意が込められていた。


遠くにはエストリアの城壁がぼんやりと見え、その威圧感が否応なく心を揺さぶった。


第四十五章:夜明けの攻防


東の空がわずかに明るくなり始めた頃、エストリアの全貌が霧の中から姿を現した。高くそびえる城壁には無数の弓兵が配置され、その奥には精鋭部隊が待機しているのが見える。


「これが…エストリア。」

フィンは息を呑みながら呟いた。


エクセリオンが軍勢の最前列に立ち、全員に向けて声を張り上げた。

「目標はただ一つ。エストリアを制圧し、アルディニアの未来を切り開くことだ!」


彼の手から炎が舞い上がり、それが狼煙となって空を赤く染めた。その合図と共に、号令が響き渡る。

「進軍開始!」


フィンは剣を抜き、ジンと共に最前線へと駆け出した。


城壁から降り注ぐ矢の雨が、前進する軍勢を次々と飲み込んでいく。盾を構えながら前進する中、フィンは初めて戦場の厳しさを肌で感じた。


「気を抜くな!足を止めるな!」

ジンの叫び声が矢雨の中でかき消されそうになる。


城壁に近づくにつれ、次第に敵兵との白兵戦が始まる。剣と剣がぶつかり合い、怒号と金属音が響き渡る中、フィンは目の前の敵に全神経を集中させた。

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