あら不思議 光る柳を 断ち切れば
三寸の 小さき姫が 座りけり
じいさまに 名付けられたる かぐ茶姫
老夫婦 我が子のように 可愛がる
みるみると 背は伸び美貌 極まれり
この姫に 世にも奇妙な 癖ありき
何時も 五七五でのみ 話す癖
奇異なれど 雅さ増して 気にならず
婚約を 望む貴族も 後絶たず
断れど 食い下がるもの ばかり故
それではと 条件一つ 姫は問う
「五七五で 一生会話 できますか?」
難題に 全ての男 黙り込む
噂聞き 駆け付けたるは かの帝
「我ならば 答えてみせよう その課題!」
「字余りも 許されません さようなら!」
肩落とし 溜息つきて 去る帝
時が経ち 姫はしばしば 泣き悩む
空仰ぎ 溜息こぼす ことも増え
溜まりかね 二人尋ねし その訳を
沈黙を 破り答えた 姫曰く
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
天の川 その数々の 星の中
柳生ゆ 川柳の星 あるという
住人は 皆五七五で 語る中
姫はつい 口ずさみけり 自由律
罰として 遠い地球へ 島流し
刑期終え 星へ帰る日 近づきて
悲しみと 憂いが募り 涙落つ
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
説明を 終えしその時 空光り
川柳の 星より迎え 参りけり
嘆きつつ 涙の別れ 終えた後
雲に乗り 天の川へと 帰り行く
残された 帝の命で 語り継ぐ
五七五と 柳と姫の 物語




