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スターウォーズの説明と考察っぽい何か

 スターウォーズEP8が公開されてから一ヶ月が経とうとしています。

 最近になってスターウォーズを見たことない知人友人が「見ようと思うんだけどEP1~7全部見なきゃ駄目ってホント?」とか「7の評判微妙だったけど8って見る価値あるの?」みたいな事を聞かれる事が多くなりました。

 スターウォーズについて自分はそこそこ好きなので、説明とかすると長くなる上にかなり複雑な話になってしまいます。

 あと、最近日中が忙しくて自分自身まだEP8を見に行けていないのですが、それに備えて自分の復習がてら

考察などをさっと文章化してここにまとめておこうかと思い立った次第です。

 もっとも知識に関しては映像化作品を一通り触れている程度なので、可能な限りソースを明示しながら間違いが無いようにしていきますが、もしスターウォーズについてもっと深く知ってるぜそこは間違いだぜ! みたいな方がいて指摘して頂いたら、よろこんで修正させていただきますので、お願いいたします。


 それでは今回はよく聞かれる、何も知らない人からの質問から一個人として回答させていただきます。


 さて、スターウォーズを見た事がない人がよく聞いてくる話として『新作見る前に旧作は全部見ないと面白くない?』というのがあります。

 旧作というのはEP1~6のいわゆるナンバリングタイトルと呼ばれる作品群で、それぞれ1~3と4~6で時代が一括りの作品群となっています。ただ、スターウォーズのややこしい所の一つなのですが、これら作品は公開時期はあべこべで、4~6が先に公開されていて、1~3が後になって公開されています。見る順番によって楽しみ方が違うので一概にどれが一番正しい見方なんてものはありません。ですが、ここでは便宜上最初に公開されたEP4~6を第一次作品群。EP1~3を第二次作品群。EP7以降を第三次作品群とさせていただきます。

 話は戻しますが、一ファンとしては是非全部見ていただきたいところです。が、その必要があるか否かは楽しみ方次第、としておきましょう。

 そもそもスターウォーズシリーズはどんな話かと言うとサーガもの、つまり星間戦争の戦記ものです。基本的には戦闘機同士のドッグファイトや白兵戦、巨大兵器や巨大生物の打倒攻略が大きな見せ場です。派手なアクションが好きな方ならどの作品を単体で見ても大体楽しめます。勿論、映像技術の問題等で公開時期が後のものになればなるほど派手で完成されたアクションが披露されます。

 なので戦闘シーンが大好きな方は旧作を見ずとも最新作であるEP8だけを見ても十分楽しめると思います。


 一方でストーリーの繋がりを気にする人は、ある程度旧作を見る必要はあると思います。

 基本的に映画スターウォーズは三部作刻みで時代が一纏めになっている為、EP8を見る場合は最低でもEP7だけは見ておいた方が良いと思います。

 もっとも「必要はある」なんて書き方をしましたが、基本的にストーリーが気になる人は誰に言われずとも、最初にEP7を、次にハン=ソロやレイア姫など過去作に登場していたキャラが気になってEP4~6を、そしてダースベイダーことアナキンやその師オビ=ワンの過去が知りたくなってEP1~3をと、旧作が気になって次々と確認すると思うので、わざわざ私が勧める必要もないと思いますが。

 ここでスターウォーズの世界観にどっぷりハマった人は、小説版やアニメ版などスピンオフ作品に手を出していくわけですが、これに関してはまた別の機会に触れたいと思います。


 次に聞かれるのが「『EP7は駄作だった』みたいな話はよく聞くけど本当?」という話。

 これに関しては意見が分かれる所で、多分私みたいに考察している熱心なファンや、ルーカス作品を至上とする信者(EP7、正確にはEP3より後に作られた作品群は権利がルーカスからディズニーへ移っている為に作風や商業展開のやり方が大小ならず変化している)からすると少し物足りない部分はあるかな? という感じです。

 というのも、レイア姫等を始めとした旧作に出ていた方々を演者ご本人で出演させたり、演出のオマージュを多く取り入れる等、第一次作品群を公開当時に見ていた方々に対する客寄せパンダ的な扱いの色が大きかった事。

 その一方でレイやフィンなど全く旧作では関係の無かった(EP7公開当時)人物を主人公格として持ってきた事。

 そしてソロとレイアの息子であるカイロ=レンが悪役となり、師であるルークがEP6で迎えていたハッピーエンドを吹き飛ばすような裏切りをしていて過去作品を否定するような表現をしており、その上でポッと出であるレイに大活躍されて良いようにやられてしまっている等、まあ突っ込もうと思えばいくらでも悪い言い方ができる演出が散見された事が大きな要因と考えられます。

 また、過去作では何かしら強いメッセージ性があったにも関わらず、EP7はそれよりも非常に商業的な色が強く出ており、大企業であるディズニーが主導となっているというのが大きな色眼鏡となって『EP7は駄作であり、既に物語として完成していた旧六作品に対しては単なる蛇足である』という声が決して小さくないのだと思われます。

 ただ、映像技術は格段に進歩していて戦記もの、アクション作品としては十分に見応えがあります。ケチがついているストーリー部分も私的な所見で言わせてもらえれば『今後の布石かな?』と思える表現や描写が随所に散りばめられていて、EP8以降の展開次第なら十分に化ける内容だと思えます。

 また、旧六作品で完成していて蛇足、と言う話に関しても実はそうじゃないかもしれない可能性があります。

 が、それについて話すにはここから先は個人的な考察の部類に入り、更に旧作のネタバレがありますので、まだ視聴していない方はお気をつけください。


 第二次作品群でベイダーことアナキン・スカイウォーカーがジェダイに伝わっていた予言『フォースにバランスを齎す者』かもしれない、という話がありました。

 ジェダイの立場からすればフォースの暗黒面を打ち倒した状態こそが正常=バランス状態であるという解釈でしたが、果たしてその解釈は正しかったのでしょうか?

 たしかに一見すると私利私欲私怨に走る暗黒面の権化であるシスの暗黒卿は『悪』そのものにしか見えません。けれど、ある意味本能に忠実なその姿は動物としては非常に自然であり、その私欲に走った結果多くの者がその恩恵に預かっている事も事実です。

 具体的な例としてはEP4でルークが帝国の士官学校に通おうとする話があります。これはこの時点でルークは帝国に対してそれほど強い悪感情を持っていない事をが示唆しています。また、砂漠の惑星で農家を営むような貧しい子供に対しても教育を施して食い扶持を与えられるシステムを作った姿勢は、そこにどのような実情・内情があったとしても本当に悪と呼べるものなのでしょうか?

 勿論、オルデランやレジスタンスなど敵対勢力に対しては必要以上に徹底的に排除してしまう姿勢が“人間として”決して正しいとは言えず『正義』であるとは言えませんが。


 一方で私欲や感情を完全に排除し他者の、フォースの為に常に理性的であり続けるジェダイですが、その在り方は、社会を営む“人間としては”はある種理想的な思想でありました。

 が、生物としては非常に歪な生き方と言えます。事実、その強すぎる『理性』の為に『本能』を押さえ込み続けた結果、歪んだ存在として生み出してしまったのが、アナキンことダースベイダーという男です。

 こういった存在を生み出してしまうジェダイの思想や教えは果たして、本当に“正常なもの”だったのでしょうか?

 これらを踏まえるとフォースの光明面・暗黒面はそれぞれ『理性』と『本能』と置き換えられると考えられます。つまり『フォースにバランスを齎す者』とは、『フォースに理性と本能の均衡を与えられる者』と言い換えられるのではないでしょうか。

 そして、仮にこの言い換えが正しいとすると、一つの問題点がEP6の結末に浮かび上がります。

 はたして“理性の象徴たるジェダイ”であるルークが生きている状態で、本当の意味でフォースにバランスが齎されたのだろうか? という事です。

 たしかに予言の者とされたダースベイダーことアナキンによって、その時点における暗黒面の象徴たるシスの暗黒卿である皇帝は打ち倒されました。

 けれど、真の意味でバランスを求めるのであれば“最後のジェダイであるルークもいなくならなければなかったのではないか?”という可能性が常について回ります。

 強すぎる理性の象徴であるジェダイと強すぎる本能の象徴であるシス、その両方を打倒したアナキンはたしかに予言の子としてその役割の大半を果たしていますが、その役目を完全に果たしたとは言えないのではないでしょうか?

 また、第一次作品群においてシスを打倒した際は自分の血を受け継いだルークの手助けによって成し遂げましたが、これは“予言”の役割の一端がルークに受け継がれていたのではないでしょうか?

 つまりEP7において語られた同じくその血を受け継ぐカイロ=レンによる新生ジェダイ壊滅は、アナキン亡き後も活きていた“予言”という血の役割を果していただけなのではないでしょうか?

 そして先に公開されたEP8のタイトルである『最後のジェダイ』はジェダイの滅亡を示唆しているわけでありますが、こうして考えると既定路線だったと考えられ、EP7という作品は決して蛇足などではなく、ルーカス時代から温められていたスターウォーズ世界における未来の始まりだったと考えられます。


 以上の考察を踏まえるとスターウォーズ・サーガという戦記物のテーマは『人間としての理性と生物としての本能との折衝』であると考えられ、ある意味では終わりの無い現実でも解決が難しい永遠のテーマだと思うのですが、EP8以降においてその決着、あるいはその落としどころを模索していくのではないかと、個人的に予想してるのですが、果たしてどうなるのでしょうか?


 EP8、楽しみにしています。

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― 新着の感想 ―
ep1-3が好きで、ディズニーチャンネルのスピンオフも少し見てます。考察をみかけて嬉しくなりました。教育ママのようなオビ・ワンがすべての元凶では?と個人的にはおもうのですが…。なんでもお互い正義だと思…
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