明日はベイベイザーデイ って何だよ?
海兵になりすました男はディーテ姉の側近で今はベーザ軍のアシア=ロンテ大佐でとおっているそうだ。
髪型はパンキッシュなモヒカン頭だが質実剛健な威儀を備えている中年。どうにも俺としては苦手な相手だ。
小型艇に案内されて乗り込む。直接に目的のベーザやソー=アンダーがいる戦艦にいくのではなく護衛艦にとどまり攻勢の決起まで潜伏するということだ。
「ロンテ大佐よ。そんなに慎重に時期を待っていなくてもいいんじゃないか?」
「君はゴタロウ=ヴィヴァルディっといったな。ヴィヴァルディ殿よ、いくら我々が対ガヴァダヴァダンことGVDを相手に戦うために修練を積んだといえども敵の戦力を甘く見ない方がいい」
「あなたの場合は一人でも全面戦争しそうですからね」
ブロンズの髪で青い目をした美女ことスカリが言う。
「スカリまで。まあ、否定しないけどな。俺たちの実力からいって楽勝だろ?」
「そうでもない。私の属する流派である『ゴリラキック』の使い手がベーザ側に十数名いる。加えて艦隊が大小50はあり、配備しているGVDが千体はくだらないぞ」
「戦力になりうるのは私達三人でしょう。仲間はまだいますが、そこまで腕はたちません」
「よって、ゲリラ奇襲が今回の手段とする」
「結局は暴れるからいいんだけどな」
俺の言動はロンテ大佐には面白みが感じないようだ。しかし、顔にはまるででてこないといった風体だ。
「やる気だけはあるようだな」
「ああ、殺る気だけはな」
「うむ。ヴィヴァルディ殿とは上下の関係もなし。戦いに参加する意思はおありなのだろう? それを信用して歓迎しなければな」
「ま、俺たちは暗黙の成り行きで突き進んでいる感があるからな」
「では、打倒ベーザとソー=アンダーに八玉の宝玉奪取でよろしいかな?」
「もともと、そのつもりだし。ディーテ姉の仲間のアンタ達なら俺も協力させてもらうことでいいよ」
「よろしい」
そう言うと、ロンテ大佐は巻物のような物を広げる。どうやら、地図みたいだがなんだか古風だな。
「見ればわかるとおもうが、今我らがいる湾岸とベーザ艦隊の布陣を記してある。よく覚えておくように」
艦隊だけではなく、地形の性質や配備している軍用や人員などこと細かく書いてある。どうも、こういったものは俺にはあわない。
「あなた、端から読む気ありませんね。必ずしも役に立つわけではありません。情報は日々変わりますからね。しかし、予備知識くらいは叩き込んでくださいね。あなたは脳に汗をかく行為まったくしませんから」
付き合いが浅いくせにディーテ姉のように説教するスカリ。八玉の宝玉を奪われた原因は俺にあるので素直に聞くが……どうにも、俺には集団行動というものがあわない。
今回、激戦中の激戦で結末がどうなるか俺にはわからないが、終わったらこのメンツから下ろさせてもらうとするかな。
「ゴタロウ=ヴィヴァルディ、本心が顔からこぼれていますよ」
「ええ!」
「まったくもう」
スカリは深く嘆息する。
「しかたないですね。あなたとは苦楽をともにしていないのだから。いいでしょう、明日はベイザデイという祝日ですし、私たちも余興というか遊びましょうか?」
「ベイザデイ?」
「この星のお祭りですよ。女の子が嫌いな男の子に不味い料理を振るうというのが起源で…」
「何、その逆バレンタインデイのような悪意のイベントは……!」
「正式にベイベイザーデイですね。時の女性がベイベイザーって人物に照れ隠しで冷やかしを装いました。関心をもらうためのアプローチでしてね。それが、起源ではじまりでした。その女性は料理が下手なので意地悪でわざと不味い料理を贈ったそうですよ」
「なんだ? その不器用なやりとり」
「わかりません。でも、広まってその行為は普段交流しない人間同士が親睦しあって創作料理を出し合う祭りになりましたね。普通に野外の露店に色んな創作料理が振舞わされます。色んな場所でコンテストがありまして、私も出場します。あなたも助手で付き合いなさい」
「楽しめるのかそれ? 言っておくが俺料理はできんぞ」
「雑用決定です」
「しょうもない。で、ロンテ大佐は?」
「うむ、君たちと付き合いたいのが、大佐としての用と娘がコンテストに出場するようでその応援にな……。すまない」
まあ、ロンテ大佐はスカリ以上にあわないので別にいいけどな。
しかし、娘がいるのか、可愛いのかな? 年頃か? まあ、同じコンテストにでるのだから見ることもできるだろうから、その時に拝ませてもらおう。ブサイクじゃないよな?
「会場は色々とありますが、この艦隊の催しに参加します。一応に娯楽施設の船もありますのでね」
しかし、ここで俺らは目立っていいのか?
「ふむ、少しは考えるようだな。一兵卒ぐらいしかあまり参加しないので安心したまえ」
俺の不安が顔に出ていたのか?
「大丈夫か?」
「危険なら告げるし、一応私も大佐なんでな。君を不信者扱いにしないように配慮はしてある」
「といことで、私たちは遊戯施設の船に今日は寝泊りします」
「わかったぜ。スカリと同部屋?」
「バカいっているんじゃありませんよ。子供が」
軽くあしらわれる。チッ……!
俺たちは小型船で戦艦と戦艦の間を通り過ぎながら遊戯船? に向かうことになった。




