超高空バトル
猫像の近くで死んだ奴というか、もう肉塊なんだけどな。放置して通路が死臭に満ちるのも困るし、一応に人道は誰にでもある。悪党の命でも命は命である。回収して弔うことにした。
棺桶を引くとカラカラと哀愁の音が漂い地味にバツの悪い気持ちにさせる。いや、俺はなにも悪くないよな? そんな中、協会をでると感慨に老けることも馬鹿に思えてくる連中にでくわす。
ベーザとかいう一味なんだろうが、ヒャッハーとかヒーハーとか叫んできそうな出で立ちではある。まあ、仲間の遺体を渡すのにはちょうどいいか? 決して挑発ではなくて普通に弔って意味なんだけど伝わるかな……。
「よう、お前らの仲間が事故死してな。遺体がひどいが弔ってくれないか? 戦う者の最低の礼儀だと思うんだが」
相手はいくつかの輸送船以外に何もない。しかし、その輸送船がなんだかあやしい。
「貴様の行為は敬意と感謝する」
意外と口調は丁寧だ。雑魚にしておくには勿体無い。だけど、雑魚だと思う。
向こうは素直に棺桶を引き取ってくれる。意外だな。
「ところで取引願いたいのだが、貴様の八玉の宝玉をゆずってくれないか。これは、雇い主のベーザからの仕事ではなく我々の本来の目的だ。この遺体の者は抜け駆けしたがな……」
「悪いな、譲ることはできないし、お前たちじゃ触れることができない」
「それについては、手段があるので無用の心配だ」
「そうか、残りの手段は争奪をするか?」
「正面きって勝てる相手とは思えないからな。用意をさせてもらった。超高空圏遠距離放射型GVD、MIMをご存知かな?」
「やたらと肩がデカイ大型のGVDだろ? でかいトレーみたいな円盤にのって長距離ビームを放つ……」
え? そんなものもあるのかよ? あれって自力で大気圏の出入りできるってとんでもないやつ……。
「周りの住民ならご心配なく、ここにある船で住民は避難させている。答えは変わらないか?」
「なかなかに紳士だな。俺以外にはな。すまんな、手放すとどのみち身内に殺されるんでな」
「その意気はよし! ではわれわれはこれに乗って去るとする。貴様が強引に船に乗ろうとした瞬間に放火するので注意をしとけ」
MIMのビームの火力がどれほどかは知らない。戦艦以上の主砲でもどうにかする自身はあるが、大気圏からの攻撃じゃ俺が反撃できないぞ! どうする?
輸送船は去っていく。くっ、街の連中も少しは抗って助けてはくれないのかね。自分の命さえよければか? まあ、俺もそうするが……などと愚痴いていると……。
雲と空が避けて円を描いた穴があく。空を貫く赤く禍々しい粒子の塊が天井から落ちてくる。とりあえず逃げる。
「シャーーー!」
怪猫音とともに俊敏に走る。ビームが地上に落ちる寸前に跳躍しスレスレでかわす。熱気だけは伝わるのは仕方が無い。ああ、街の一部が木っ端微塵だわ。
おおよそ、攻撃指定範囲から避けることはできた。しかし、逃げているだけではな。攻撃に入るには間合いが遠すぎる。しかし……。
「これ、使えるかな」
宝玉を取り出す。猫パンチのように気脈をあやつりあらやるエネルギーを操作できるならやってみる価値はあるか……。見当違いなら死ぬな。
「やるしかないか! 来い!」
俺は二発目のビームをなるべく拡散しないうちに跳躍して受け止める。しかし、ただ受け止めているわけではない。
「宝玉よ! 俺を守ってくれ!」
猫パンチ 円殺反殺波をつかう。腕のフォームで円を描き鏡に見立てる。実際にはエネルギーを吸収して反射する荒技なのだが……今回は宝玉を握り締める。宝玉力を利用させてもらう。
「くっ、くうぅぅぅぅぅぅぅ熱い! だが」
超高熱極悪ビームはそのまま一つの塊に収束し元の威力のまま相手側に飛んでいく。このまま、MIMにあたって破壊してくれないだろうか?
しかし、もう一撃、極悪ビームが放たれる。というのも攻撃が目的ではなく相殺だな。相手の射撃の腕前も見事で正確にぶつかりあう。そのまま拡散して辺り一体が爆発した。
「ちぃぃぃぃぃ!」
しかし、相手も俺も目に見える距離じゃないのに正確に射撃するな。機械のシステムがそうさせているだけかどうかはわからないが。ミサイルであるまいし、ビームでこうも正確性がいいとは驚嘆するな。だが、ゴタロウ=ヴィヴァルディはこんなところでは死なん!
攻撃を何度か避けて策を寝る。策というよりかは日頃の鍛錬による技に頼るしかないな。
「猫パンチ ミサイル渡りをお見せするしかないか……。来い!」
連発してくるビームの法則性を見極めて奴が長時間ビームを放射すると同時にビームの上に乗っかる。
猫パンチでは全ての物に気脈があるとして生命だろうが無機物だろうが撃破できるし操作して破壊できるのでビーム返しもお手の物。そして。相手の攻撃した飛来物に乗るのもお手の物だ。円殺反殺波より難儀な技で失敗すれば死ぬのみ。だが、俺はうまくビームの上を足がかりにし高空へと上り詰めていく。
「いけるか!」
しかし、相手は俺の意図に気付きビームを静止して細かな攻撃で応戦してくる。しかし、思う壺だ。それさえ足場にしてようやく俺の攻撃できる間合い(レンジ)に届く。
(カッコイイじゃねえか! MIM)
子供ながらみていたロボットアニメ敵役のMIMだが間近にみるとまるで迫力が違う。実質、大戦の切り札の一つと言われてきた貫禄はある。
しかし、自分の命が大事なので撃破させてもらうぞ。
「ハハハ、やるではないか! 猫の分際で」
MIMからハッチを開きパイロットがでてくる。
(こんな、高空圏内でしゃべれるとはな…)
顔のつくりは悪くないのだろうが金髪のロン毛で暑苦しい奴が出てきた。服装は白いフォーマルといよりかは軍服、いや学生服のようなものに感じた。
「せめて、我が奥義で仕留めてやるか」
(こいつも武術つかいか? だとしたら……)
MIMがゆっくりと自分の高さまで降下してくる。そして生身の人間が攻撃を仕掛けてくる。
「ゴリラキック 鷲爪拳」
「猫パンチ、噴射激」
ちっ、拳とかいって飛び蹴りかよ。思わず返し技で俺も飛び蹴りしてしまったのが迂闊だった。俺のロケットが飛び出したような蹴りもお互いの蹴りと蹴りの交差で空振りとなる。交差時点で相手が手で俺の肩を掴み千切る。
「ぐううう!」
肩を思いっきり裂傷した。相手に乗せられて高所で声を発したのも失敗だった。いかん、意識を失う。
「ククク、男を抱くのはいささか不本意だが…」
そして、奴は俺を抱えながら懐を物色し始める。
「これか! 八玉の宝玉は」
ちいぃ、こんなにも早く奪われるとは情けない俺。それよりも生き残れかもわからない。犬死か?
「俺の名はソー=アンダー。今から、貴様をここから落とす。生きてこられるのならまた相手をしてやろう。」
……。
「声も出ぬか……では、去らばだ」
そして、放り投げられた。意識を失うわけにはいかない雪辱を胸に抱き。生き残るために。
俺はいかに落下から助かるか考えた。確実な死から逃れるために。
はい、筆者もなんだかよくわからなくなりました。物理的なことわからんし 自分なりに頑張ります。
まだまだ、続くので読んでください。 この時点でも楽しんでもらえたら幸いです。




