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立体脱出ゲーム  作者: 望月笑子
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102号室:青色の河童の部屋103号室:オレンジ色の天狗の部屋

202号室:青色の狼男の部屋


「俺は、殺人鬼。306号室のピンク色のヤクザに的を絞ったが、アイツが【警察官】でないことを願う。俺は、殺人鬼。決して名乗る事はできない宿命。殺人鬼の俺に、手を貸してくれるヤツなんか、誰もいないんだ…。俺は、こんな所で孤独死なんかしたくない。」



このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。

タランッ タランッ タランッ…


オレンジ色の天狗は、パネルの通話ボタンを押した。


「………という事なんです。」

「なるほど?!(・◇・;)?そうだったんだ。つまり、時報に合わせて、全員で【金色ボタン】を押せばいいのね?」

「はい。そういう事みたいです。」

「分かったわ。なんだ。案外、簡単ね。3日間なんてかからずに脱出できるんじゃない。色々持ってきて損したわ。」

「ふふ。」

「私たち【貧民】は、日給1ポイントだっけ?」

「はい」

「まあ、いっか。100万円貰えるだけでもね。監視されてたかも知れないけど(笑)。ついでに、なんか美味しいものでも食べて帰ろうかしらん。」

「そうですね。時報は、あと4回。毎回、押すべきだ、と黄色のジェイソンさんも、おっしゃっていました。」

「分かった。色々ありがとね。」

「こちらこそ。」

通話が切れた。




202号室:青色の狼男の部屋


「俺は、殺人鬼。こんな所で、飢え死になんかしたくない。みんな、ここから脱出できずに、おそらく飢え死ぬんだ。日給ポイントは、全員死んでしまえば、払う必要なんかない。ルールなんか、はじめからなかったんだ。主催者側は、こんな俺たちを、面白がって黙って、どこかで見ているに違いない。飢え死んでいく様だって、世界のどっかで動画を流して、金を儲けるつもりなんだ。人は、体内の水分を20%失えば、脱水症状を起こす。喉が激しく渇き、脈拍が早くなり、頭痛や目眩がして、精神が錯乱する。次第に目もかすみ、歩くことも話すことも困難になり、舌が腫れ、肌がシワシワになり、痙攣が起き、聴覚も失い、臓器が停止したことすら分からなくなる。つまり、俺たちは、生きながら死んでいくんだ。まだ、誰も脱出したなんて報告はない。俺は、某ミステリー・サークルの奴らに、ハメられたんだ。ここに来たことは、誰にも話していない。タクシーの運転手も、おそらくここの仲間なのだろう。だから、口を割らない。要するに、俺はここで死ぬんだ…。ヤベ。涙が出てきた…。」



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