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黄昏の勇者
黄昏の魔法使い
#0 黄昏時の森の中で
高校2年の少年、立花彼方には友達と言える様な人物は居なかった。
だが、彼には1度も友達が出来た事がない訳ではなかった。
彼が中学生の頃、望月由那という彼の唯一たった1人の友達がいた。
彼は長い間彼女と過ごすうちに彼女に密かに好意を寄せていた。
彼女はある日突然、彼方や両親達の前から姿を消した。
数日後、彼女は近くの森のご神木の前に倒れている所を発見された。
彼女は脳死状態で目立った外傷も無いために今も有名な大学病院に入院している。
黄昏時が近付く森のご神木の前に彼は立っていた。
「あれから何年が過ぎたんだっけな....」
彼方がご神木に触れたその時だった。
目の前がぼやけ、頭に電流を流されたような痛みが走る。
目の前が完全に暗闇に覆われた。
何も___聞こえない。