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#69 見る側と見られる側 その1

 翌日――。

 生徒会室にはすでに修以外の生徒会役員が集っていた。


「さて、修クン以外は揃ったな!」

「「ハイ!」」

「今日は昨日話していたことを実行する!」

「まずは吉川くんの席を探すところから始めましょう!」

「どこかな?」

「ところで、座席表とかはないんですか?」

「あっ、座席表! その手があったか!」

「じゃあ、教卓にある座席表を写しましょう」

「さんせーい!」

「朝から楽しそうだね。高橋くんと鈴菜ちゃん」

「あの2人、昨日からノリノリですよねぇ……」

「まあ、これからくだらないことををしようとしてるボク達が言うのもなんだけどね……」

「それは言えてますね……」


 雄大と鈴菜が修の席を探すべくそのうちの1つのカメラを1年B組の座席表を写そうとしている。

 聡と政則が彼らが実に楽しそうにしているところを見て苦笑していた。

 達也は鈴菜の肩をポンポンと叩く。


「ん?」

「……座席表なら持ってるぞ」

「達也クン、グッドタイミング!」

「さっすが、達也先輩!」

「達也くん、いつ座席表を持ってきたの?」

「さっき、生徒会室(ここ)にくる前に職員室でコピーしてきた。なんなら、吉川のところ以外の全クラスの座席表もある」

「本当だ! 達也先輩、ありがとうございます!」

「おがたつ先輩」

「どうした?」


 彼は全クラスの座席表を彼女に手渡す。

 それらを受け取ってキャッキャと喜んでいる鈴菜達に対し、政則はふと達也に疑問を持ち、問いかけてみた。


「なぜ全クラスの座席表を?」

「今までは誰が殺められたか分かるのに時間がかかったのは知ってるだろう?」

「ハイ。把握するのにかなり時間がかかったことがあったのは分かってます」

「しかし、今後はそうもいかなくなる。なぜなら、吉川による分析も入るようになるから。座席は自分のクラスだけ把握できてたとしても他のクラスは全く把握できてないと話にならないだろう?」

「確かにそうですね……」


 彼がなぜ生徒会室に座席表のコピーを持ち込んだことには理由があったようだ。

 それは今回の修に一般生徒側の立場を経験させるため以外にも、彼の今後の立ち位置においても――。


「あっ! 吉川くんの席、見っけ!」

「鈴菜クン、よく見つけたな! 聡クンは修クンの席にカメラを向けておいてくれ」

「了解。高橋くんはボクが動かすから指示を出してね」

「ハイハイ」


 達也と政則が話している間に修の座席が鈴菜によって見つけられていた。

 聡は雄大に指示を出してもらいながらカメラの調整を行っている。


「どうやら、話してる間に会長達は進んだみたいですね」

「そうだな。木崎、そろそろ本題の方に加わった方がよさそうだ」

「そうですね」


 彼らはようやく鈴菜達に加わり、「遅かったですね」と彼女に言われながら刻々と迫ってくる本題の開始の準備を手伝い始めた。

 同じ頃、修はどこかで――。

2020/04/01 本投稿

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