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閑話 2年生コンビのちょっとした心理的(?)な話

 最終的に翌日は修のクラスのカメラはすべて彼に向けることで決着がつき、その日は生徒会らしい活動をせずに終わってしまった。

 しかし、鈴菜の脳裏に引っかかることが1つだけある。

 それは政則が言っていた「ちょっとした心理的な実験」という言葉。

 彼女にとってどんなものだったのか気になっていた。


「木崎くん」

「ん?」

「さっき吉川くんに()()()()()()()()()()()()をしたって言ってましたけど……」

「ああ、したけど」

「私、少し気になってしまいまして……」


 2人は通学鞄に荷物をまとめながらのため、ガサゴソと音を立てながら話している。

 生徒会室には修や3年生はすでに帰路についており、モニターの電源は切られていた。

 よって、そこには鈴菜と政則しかいない。


「そのことか。あの時は確かにみんながいると話しづらかったからな」

「ですよねぇ」

「ん。ただ、さりげなく()()()()()()だったけど。そんなに自然な会話だった?」

「とっても」

「まあ、騙したくてやった訳じゃないんだけどな……彼は何気に素直だなと思ったよ。「裏切られた!」って言ってたしさ」

「……木崎くんも何気に人を試すんですね?」

「試すも何も……だってさ、この生徒会はなんでも経験だと思うんだよ。去年のことを思い出してみてよ」

「ハイ……」


 彼にそう言われ、彼女は昨年入学してきた時のことを思い出していた。


「そう言えば、私達は吉川くんみたいなことはやってなかったですよね?」

「そうだろう?」

「ええ。だから、木崎くんは吉川くんに一般生徒側の経験を積んでほしいということを言いたかったんですね」

「まあ、少し遠回しになってしまったんだけどな」


 政則は苦笑しながら答える。

 彼らが経験してこなかった「一般生徒側の視点の生活」。

 彼は修に遠回しに何気ない会話で誘導してそのような結論となった。


「それに彼は……」

「「彼は駒になるんだしさ」と言いたいんでしょ?」

「ご名答。さすが、おがすず。個人的には優秀な駒になると思う」

「私もそう思います。吉川くんの分析は推測であってもほぼ完璧ですしね」

「さて、帰ろうか。鍵は返してから帰るから」

「そうですね。ありがとうございます」

「閉まったな。じゃあまた」

「お疲れ様でした」


 2人は戸締まりをし、帰路につくのであった。

2020/04/01 本投稿

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