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#65 演技と道化師 その2

「ん……分かった。独自ながらもほぼ完璧な推測だったと思う」

「ありがとうございます」

「嫌なら嫌と答えても構わないところではあったが、意外な答えだった。よろしく頼む」

「わ、渡貫先生……僕も責任重大なポジションでどうするか悩みましたが、できる限りやらせていただきます。よろしくお願いします」


 修と渡貫が会話をしているところを少し離れた場所から見守っていた先輩生徒会役員達。

 そのやり取りを聞いている雄大の心中ではふと思うことがあった。


「もしかしたら、修クンは道化師かもしれないな」

「道化師、ですか?」

「ああ……って、鈴菜クンに聞かれていたのか」

「……ハイ……すみません」


 彼がそのように呟くと、修の教育係である鈴菜が食いついてくる。

 聡や政則、達也もその話に耳を傾けようとしていた。

 おそらく彼らも(のち)に続く雄大がどのような言葉を口にするのか気になっているだろう。


「彼の()()()は今後も見られると思う。たとえ、それが()()だとしても……」

「普段は冷静な人が見せる()()()ということですか?」

「そう。修クンはいずれ、この生徒会の切り札になると俺は思う。彼ならば、ね」

「よって、吉川くんは鈴菜ちゃんが以前話していたチートな後輩かもしれないね」


 鈴菜は雄大や聡から言われた「切り札」や「チートな後輩」。

 彼女自身も意識していたが、ここまで彼らが修に期待されているとは思っていなかった。

 彼らが今後の彼に期待しているのならば、私も教育係としてぼやぼやしていられないなと――。


「まぁ、ボクから見て吉川くんはどちらかと言ったら()()()()だからね」

「表の仮面と裏の仮面を使い分ける……まさに仮面(ペルソナ)の使い手……」

「木崎くん、たとえが……」

「今の自分にとっては(あなど)れないかもしれませんが、これからの生徒会運営には彼は必要だと思いますね」

「木崎くんが侮れないって……」

「おがすす、そこは笑うところじゃないぞ?」

「すみません」


 政則の発言に思わず突っ込みを入れてしまう鈴菜。

 彼女は修の()()()などの人間性までは分からない。

 本人いわく勘と言っているが、それとは思えないくらいのほぼ完璧に等しい推測――。


 渡貫は彼の()()()に、鈴菜以外の役員は()()()に目をつけたのだろうと彼女は勝手に感じ取っていた。

2019/04/01 本投稿

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