#53 繋がった答えとなかなか繋がらない答え その3
【作者より】
後書き欄で次回は11月24日と書きましたが、更新できずにすみませんでした。
今回は短めですが、ご覧いただけると幸いです。
自分の推測が果たして正解なのか不正解なのかハッキリと分からず、ずっと自室の中で悶絶している修。
「僕の推測が外れていたら嫌だなぁ……そもそもそこまで読んできてしまった自分が悪いんだけど……」
彼の脳裏では鈴菜に怒られている場面を想像していた。
それだけでも修の背筋はぞっとしてしまう。
なぜならば、彼女から「私からの説明を受けていないはずなのに、なぜ吉川くんは勝手に読み進めてきちゃうんですか?」とツンとした面持ちで言っているところを想像することができてしまったからだ。
「もし、鈴菜先輩とかがそのことについて触れてきたら、その時は彼らに素直に謝ろう。その方が1番安全だからな……」
修はこう呟きながら、再び「マニュアル」という名の分厚いクリアファイルに視線を移す。
例の『生徒会役員殺戮要綱』の次の項目はその役割及び説明が記されており、サッと流し読みで済ませた。
「よし。マニュアルはほぼ読み終えたから、さっきの自分で推測したものは夕食を食べたり、風呂に入ったあとにでもメモしておこう。あっ……」
彼は机の上に置いてある時計を見ると、時刻はすでに18時25分を回っている。
修は学校から学生寮に戻ってから、制服から私服へ着替えずにずっと分厚いマニュアルを読んだり、例の要綱の件で過去の事例をもとに推測をしていたりしていた関係上、そこまで時間が経っているとは思っていなかった。
「そういえば、まだ制服から着替えていなかった……急いで着替えてから行こう」
彼は慌ただしく部屋のクローゼットから私服を取り出し、制服から着替え、夕食を取りに行った。
2017/11/30 本投稿