#52 繋がった答えとなかなか繋がらない答え その2
あの時、彼の脳裏には5月の連休に入る前に起きた一般生徒の女子生徒が雄大と達也によって殺められていたことを思い出していた。
「あっ……なるほど……」
修は「生徒会役員殺戮要綱」を見ながら、雄大や達也がどのようにして動いていたのかを自分なりに推測してみようかと――。
「えっと……まずは会長と達也先輩が生徒会室のモニターで見ていたとすると……」
それは「1.モニターまたは現地での監視」という項目に該当する。
彼らはモニターまたは現地での監視を行い、その様子があまりにも嘘をついていそうな言動や動作だと判断した場合は生徒会役員は武器を所持することが可能となるのだ。
よって、2人は拳銃やナイフを所持していたことが分かる。
「そういえば、鈴菜先輩や聡先輩はかなり時間が経ったあと、教室にきたような気がする……その時、なぜ2人はいなかったんだろう?」
今の修にとっての最大の疑問点であるのは現場の教室が近い鈴菜と聡が殺め終えたあと、教室に姿を現したのが遅かったのはなぜかという点。
彼の中では考えられることは「2.他の役員の連携」に該当されるのではないかと推測した。
「もしかしたら、どちらかが会長か達也先輩からの連絡を受けて、それから人混みを避けながら駆けつけたとか考えられるかもしれないなぁ……それで聡先輩と鈴菜先輩がその現場である教室に辿り着いたのはすべてが終わったあとだったという……」
その項目はモニターを監視していた者が他の役員に速やかに現場に駆けつけるよう連絡しなければならない。
しかし、「雄大や達也はどちらかの携帯電話から全員に連絡した」か、「鈴菜か聡のどちらかに限定して連絡し、そこからさらにどちらかに連絡した」かという2つの選択肢が考えられる。
修はその点に関しては全く分からなかったので、間違いを恐れずに前者を選択した。
「それで、聡先輩による「死後解析」が行われた」
その間に「3.殺戮施行」をし、鈴菜達が事件現場の教室に駆けつけたあとはほとんどの工程を終え、最終工程である「4.死後解析」へ入ったということとなる。
「これで僕が覚えている範囲ではこんな感じかな? さて、そこからつながることはあるだろうか……? それとも、僕の答えは当たっているのだろうか……?」
彼と「生徒会役員殺戮要綱」を使った推理は果たして正解なのだろうか? それとも、不正解なのだろうか――。
2017/11/23 本投稿
※ Next 2017/11/24 3時頃予約更新にて更新予定。