#37 死後と連絡 その1
長らくお待たせしてしまって申し訳ありません。
久しぶりというわけで短めです。
生徒会役員達が作り出した時間はどのくらい流れたのかは定かではない。
「はぁ……」
修は溜め息をつきながら、いつになったら鈴菜が落ち着くのかどうかを気にしていた。
「鈴菜先輩、落ち着きました?」
「……ハイ……やっぱり、吉川くんはいい人です!」
「それ、まだ言うんですか!?」
「私は嬉しいので、何回でも言いますよ!」
「まぁ、鈴菜ちゃんが普通に落ち着いてくれたらボク達も嬉しいんだけどね」
「僕もそう思います……」
「木沢先輩、吉川くんはいい人ですから!」
「鈴菜クン、早く戻ってこい」
「……全く……話が先に進まないだろう? これから1限目が始まるのに……」
呆れている男子役員達に対して鈴菜はまるで泥酔したかのように何度も同じことを話している。
彼らから本日何度目か分からないほどの溜め息をつかれた彼女はふと我に返り、「さっきまでの話は忘れてください!」と顔を赤くしながら視線を落とした。
「さて、ようやく鈴菜クンが落ち着いたところでこの少女の親御さんに連絡を入れないとな」
「親御さん?」
雄大が言ったことに対して反応する修。
その時、彼はなぜ親が出てくるのか理解できなかった。
「ああ。もし、生徒が死去した場合はその保護者に死後の連絡を入れなければならないんだ」
「家族に連絡はするんですね」
「その通り。おそらく時期を教える予定だからな」
「「頭の片隅に入れておけよ」ということですね」
「そういうこと」
達也が修にこっそりと教える。
彼らが話している間に聡と雄大が慌ただしく動き始めていた。
「あれ? 連絡先の用紙は生徒会室だっけ? 担任の先生のところだっけ?」
「連絡カードか?」
「そうそれ!」
「各クラスの担任のところだと思うが……」
「2年C組の担任は理科の斉藤先生だよね? ボク、ちょっと職員室や生物準備室とかに行ってみて訊いてみる」
「了解」
聡は先ほどまで着ていた白衣を脱ぎ捨て、理科担当の斉藤がいるところへ向かった。
2017/09/14 本投稿
※ Next 2017/09/16 0時頃更新予定。




