#2 クラス表と……
修は昇降口付近に掲示されているクラス表を見つけたが、なぜか麻耶も一緒についてきた。
「で、菅沼さんはなんで僕のあとをついてくるのさ?」
彼は彼女を見て呆れている様子。
麻耶は「なんとなくー」と答え、ルンルン気分でスキップしながら修を先越した。
「なんとなくって言われても、僕のあとにくっついてこられても困るし……中等部からなんだから、友達ぐらいは少なからずはいるだろう?」
「うん。それなりにいるよー」
彼らの前に何人かの女子生徒が集っており、麻耶のことを呼んでいる。
「あっ、いたいた! あたしはクラス表は友達と見るから吉川くんはのんびりと探してね。さっきも言ったけど、同じクラスだったらよろしくね!」
彼女は友達のところに駆けつけた。
「ごめーん。待った?」
「ちょっと待ったかな……?」
「ところで、麻耶。さっきまで一緒にいた男子は?」
「中等部では見覚えがなかったけど?」
「あの子は吉川 修くんだよー。クラスは分かんないけど」
「まぁ、まずはクラス表を見ようよ」
「そうだね」
麻耶達はA組からクラス表を見始める。
「ふぅ……。やっと、あのマイペースな菅沼さんが離れたから、ゆっくりクラス表を見て回るか」
一方の修は彼女らとは逆にE組から見始めた。
†
「首が痛い……」
C組あたりから修は首の痛みを訴えている。
しかし、彼の名前はまだ出てきていない。
少しずつ見ていき、B組に着いた時、修の名前が見つかった。
「B組か……」
彼が所属することになった1年B組全40名を一通りざっと見る。
しかし、彼の視線はある名前で止まった。
「マ、マジかよ……」
麻耶と同じクラスとなってしまったのだ。
案の定、彼女はその場にいなかったので、彼は少しホッとしたり、しなかったり……。
彼は教室に向かって肩をがっくりと落としながら、教室に向かったが、昇降口で彼女とバッタリと会ってしまった。
「吉川くん、そんなにあたしと一緒にいたかったの?」
「菅沼さん、なぜここまでついてくるんだ……」
「まぁ、1年間だけだしね! 吉川くん、よろしくね!」
「よ、よろしくお願いします……」
修達が教室に向かっている時、「あの人、かっこいい」、「エスカレーター組かな? それとも、外部生かな?」と熱い視線が向けられ、噂されているとは知る由もなかった。
2016/08/28 本投稿