#27 出席人数の確認と生徒総会実施
「次は生徒総会か……」
「昼飯、食ったあとだから眠いよなー」
「だよなー……」
「みんな、揃ってる?」
「あともう1人!」
「分かった!」
昼休みが終わる10分くらい前から一般生徒が講堂に集まり始めており、各クラスの学級委員が全員集まっているかを確認している。
午後は昼食を取ったあとのため、生徒総会は睡魔との闘いだ。
「今から生徒総会の資料を配るから、そこら辺で捨てるなよー」
「「ハーイ!」」
「「分かりました!」」
講堂に集められた気怠そうな表情をしている一般生徒は各クラスの担任から生徒総会の資料を受け取っている。
†
その舞台裏には生徒会役員はだんだん埋まっていく講堂を見ながら本番が始まるのを待っていた。
彼らははじめての顔合わせから、本日までバタつきながら生徒総会の準備してきたのだから、あとはこの本番を乗り切るだけ。
「みなさん、今日は生徒総会の本番ですよ!」
「鈴菜ちゃん、対面式の時も同じことを言ってなかったっけ?」
「その時は言っていませんよ? ね、木崎くん?」
「え、そうだっけ?」
「もー……すっとぼけないでくださいよー。あれ、吉川くんは?」
「修クンはあっちで出席の確認をしてくれてるよ」
「本当だ。今年の1年生の生徒会役員は今のところは彼しかいないので、がんばってもらいたいところですね」
「そうだね、鈴菜ちゃん」
彼女らは今のところは貴重な新入生の活躍をそっと見守るのであった。
†
一方の修は各クラスの出席人数の報告にきているところが続出しており、その対応に追われている。
「3年E組は35人中1人早退で、欠席者はいません」
「早退が1人ですね。分かりました。ありがとうございます」
そのあとも途切れることもなく続く報告の列……。
彼は同じクラスの麻耶の姿がないことに気がついた時、右肩を叩かれた感覚があった。
「修クン、いよいよだな……」
「そうですね」
「緊張してるかい?」
修が右側を見てみると、雄大が眼鏡の角度を直しながら話しかけてきた。
彼は「……ええ……」と答えると、「駆け回って大変になるだろうと思うけど頑張っていこう」と声をかける。
次の瞬間、バタバタとけたましい音が聞こえてきた時には雄大の姿はなかった。
「……はぁはぁ……出席はここで受け付けてますか?」
「ハイ。何組ですか……って、菅沼さん!?」
雄大と入れ替わりに駆けつけたのは麻耶。
修は顔を上げるまでは誰に話しかけられたかは分からず、ただただ驚きを隠せずにいた。
「びっくりさせちゃった?」
「当然だよ。「1年B組は全員います」って言いたかったんだろ?」
「そうだよ! よく分かったね!」
「この流れだと必然的にそのセリフしか言わないよ」
「だよねー。吉川くん、今日は頑張ってね!」
「僕はこれとマイクを持って駆け回るだけだよ?」
「それでも、頑張ってね」
「……あ、ありがとうな……」
「いえいえ」
彼はようやく自分のところに駆けつけた麻耶と話せたことによって、緊張を和らげることができたような気がした模様。
「自分のクラスが1番最後だったとはね……」
修は苦笑を思わず浮かべた。
「修クン、出席人数の確認は終わったかい?」
「生徒総会はできそう?」
雄大と達也は彼に問いかける。
修はゆっくり頷き、彼らにこう告げた。
「先ほど終わりました。全体の人数の3分の2以上の生徒が集まりましたので、生徒議会並びに生徒総会を実施することが可能ですね」
と――――。
※ Next 2017/03/18 3時頃予約更新にて更新予定。
2017/03/16 本投稿