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#23 顔合わせ後と放課後は?

 生徒会役員との顔合わせを終えたあと、担当の先生が誰なのかと少しモヤモヤしながら、修は教室に戻っている時のことだった。

 先に歩いている彼の後ろからバタバタと走っているような音とともに、さらには「おーい!」と元気な女子生徒の声が耳に入ってくる。


「吉川くーん!」

「うわぁ!?」

「大丈夫? びっくりした?」

「なんだ、菅沼さんか……って、びっくりするし、みんなが見てるから恥ずかしいよ!」


 それらの目立つような行動をしていたのは麻耶。

 修が後ろを振り向くと彼女が右手の人差し指を彼の頬をツンと突っついた。


「本当だねー。あたし達はいつもみんなに注目されるねー」

「言われてみればそうだな」


 彼女らの行動を他の生徒達はじっと見ている。

 彼らは新入生代表挨拶をした女子生徒とそれに振り回される男子生徒がまた何かやっている、そんな印象しかないのだろうと思いながら――。


 そんな中、麻耶は「放課後は?」と修に問いかけた。

 彼は彼女の問いに関して何かに気づいた模様。


「そういえば、部活動見学も今日からなんだよな?」

「うん。今日から今月いっぱいだって。同じ委員会の先輩が言ってたよ」


 その頃に彼らは教室に到着。

 修は麻耶に言われるまでは部活動見学の存在を忘れていた。

 しかし、今の彼にとっては呑気に部活動見学(それ)をしている余裕はない。


「残念ながら、早速、生徒会の方で仕事があるんだよな……」

「なんの仕事?」

「4月の最後の方にやる生徒総会。僕はただいるだけに近いけどね」

「あぁ……眠くなるやつね……」


 麻耶がげんなりとした表情を浮かべながら修に言い、一方の修は苦笑を浮かべた。

 彼が生徒会役員になってはじめての仕事は生徒総会。

 それは決算報告はもちろんのこと、様々な議題に関しての質疑応答などを行う年に1度の行事である。


「そうそれ。僕も寝ないようにしないと。部活動見学もしたいけど、入部は断念せざるをえないかな」

「そうだよね。後期に入ると、私達も猶予期間が終わっちゃうもんね。」

「今は純白な僕もいずれは闇に堕とされるものだよ」

「吉川くん、なんか怖いことを言うね」

「それは事実だよ? 菅沼さんも僕に殺されないようにしないとね?」

「本当に怖いわー。あたしも気をつけなきゃ」

「覚悟しておけよー」

「ハーイ、また明日ね」

「あぁ」


 彼らが楽しそうに話している時、現役の生徒会役員は一般生徒を裁いたり、生徒総会の資料作成を開始している。

 修は急いで通学鞄を持ち、早急にまるで秘密基地のような生徒会室へ向かった。

2017/02/16 本投稿

2017/02/22 誤字修正

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