#22 現役役員の自己紹介と表の活動内容
「そういえば、修クンに一番最初に自己紹介をしてもらったから俺達もしないとな……」
特徴的な口調で話す男子生徒が少し戸惑いながら口にする。
「そうですね」
「一応、対面式の時に自己紹介みたいなものをやりましたが、おそらく覚えてないと思いますしー」
鈴菜と別の男子生徒が何やら頭を悩ませているようだ。
「そうだな。では、役職順に自己紹介をしよう!」
「「役職順?」」
突然の役職順ということだったため、彼らの立ち位置を急いで直していく。
「いいっすねー」
「ということは……会長である高橋くんからかな?」
「別に聡クンからでもいいんだぞ?」
「いやいや、高橋くんからでいいからー。生徒会長なんだしさ」
聡と呼ばれた男子生徒が彼からと言ってくるため、渋々と自己紹介を始めた。
「では、新入生の修クンのために改めて自己紹介をしていくからな。俺は3年C組の高橋 雄大です。この学校の生徒会長を勤めている」
修から見た雄大の特徴的な口調はどこぞのお偉いさんかという印象が強い。
「次は自分かな? 生徒会副会長、3年E組の小笠原 達也です」
彼から見た印象はこの先輩は掴み所がなさそうだな……といった印象を持ったらしい。
「私ですね! 同じく、生徒会副会長を勤めています。2年A組の小笠原 鈴菜です」
修はさっき、この先輩と一緒にこの部屋にきた。
噂では学校のアイドル及びミス白川。
彼女のしっかりしているところが彼の印象に強かったのだ。
「あのー」
「ハイ、吉川くん。なんでしょう?」
「副会長の小笠原 達也先輩と小笠原 鈴菜先輩に質問なんですが、血縁関係ってあるのかなぁと思いまして……」
修は達也と鈴菜に問いかけた。
なぜならば、同じ名字のため、血縁関係があるのか少し気になる。
「私達は血縁関係はないのです。よって、親戚ではないのです」
「残念ながら、顔も似てないしな」
「2人とも同じ名字なので、呼び方に悩みそうです……」
「んー……俺は「おがたつ先輩」と「おがすず」と読んでるけど」
「自分達が反応しそうな呼び方だったらセーフだよ。変な呼び方だったら鈴菜に怒られるけどな」
「なんかスッキリしました! 僕は達也先輩と鈴菜先輩と呼びます! ありがとうございます」
他の先輩役員のおかげで彼の疑問点が解決された。
修は残り2名の自己紹介を聞こうとする。
「ボクは書記の3年B組木沢 聡です」
彼は男子生徒ではあるが、女装したら結構いい線が行きそうな印象がある。
重要であるので、もう1度言う。
彼は男子生徒だ。
「会計の2年D組の木崎 政則です」
さっき、鈴菜先輩達の呼び方の例を教えてくれた先輩。
「以上で現段階は6名。活動内容は生徒会運営として、生徒総会の実施や学校祭などの後夜祭イベントの企画運営などがメインである。他にもあるが、慣れてきた時に教えるとしよう」
「ハイ! よろしくお願いします!」
「「よろしくお願いします!」」
現段階で6名になった私立白川大学部属高等学校生徒会。
これから、どのような活動が修を待ち受けているのだろうか――。
2017/02/11 本投稿