表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/81

#21 はじめての委員会と顔合わせ その3

【作者より】

今回は『私立白川大学付属高等学校生徒会・短編シリーズ(http://ncode.syosetu.com/s2032c/)』より、『逆ハーレム生徒会の日常(旧・とある生徒会と新入生(仮))(http://ncode.syosetu.com/n4928cg/)』の内容を三人称で書かせていただいたものです。

 鈴菜は生徒会室の扉を開いた。


「どうぞ」


 彼女が修をその部屋に誘導する。

 彼は軽く会釈をし、「失礼いたします」と小声で少しかしこまったような口調で入ったが、修の声は残念ながら鈴菜以外には誰にも聞こえていなかった。


「この部屋は生徒会室なのに広く感じますね……」

「えぇ。私達はこちらの部屋で主な仕事を行っています。一応、会長から説明が入りますがねー」


 彼女がこう説明すると、彼はぼんやりとこれから活動していく生徒会室をじっくりと眺めてみる。

 生徒会室(そこ)は普通学級と同じくらいの空間に他の学校とは異なり、たくさんのモニターやパソコンが並んでいた。

 それらの近くには4人の男子生徒がモニター見ながら、あれこれ話し合っている。


「こんにちは」

「こ、こんにちは」


 そのようなことをしている時に鈴菜と修が彼らに挨拶をした。


「「こんにちはー」」


 彼らもようやく彼女らに気がつき、挨拶を返す。


「やあ、鈴菜クンと新入生クン。君は確か……新しく生徒会役員に加わる吉川(きっかわ)クンかい? 鈴菜クンと一緒だったんだね?」

「ハイ。一応、担任の佐藤先生と道順を教えてもらいましたが、この近くで僕が迷子になってしまいまして……偶然会った先輩と一緒にきました」

「吉川クン、それは真実かな?」

「えぇ。僕は嘘をついていませんよ?」


 特徴的な口調で話す男子生徒に対して修は淡々と答えていった。

 一方の鈴菜は彼と会ってからのことを振り返り、彼女は「えっ!?」と驚愕の声を漏らす。


「ど、どうした? 鈴菜クン」

「会長! 私はそんな話、聞いてませんよ!?」

「ボク達は知ってたよ? 鈴菜ちゃん?」

「おがすずは生徒会室(ここ)にいなかった時間帯だったしな……」

「鈴菜ちゃん、動揺中ー。血は繋がってないけど、そんな鈴菜が可愛い」

「私、今の今まで知りませんでしたよ!?」


 他の生徒会役員は修の役員加入について事前に知らされていたことに対し、鈴菜は先ほど知ったのだ。

 彼女はそのことに動揺している模様。


「僕もこの高校の生徒会に女子がいるとは知りませんでした」


 入口付近にいる彼も鈴菜ほどではないが、少し動揺していたらしい。

 しかし、修は対面式の頃から男子生徒が4名に対して女子生徒が1名という「逆ハーレム」状態だったので、本来ならば知っているが、ここはあえて「知らない」と答えたのだ。

 彼女は少しムッとした表情をが、知ってしまった現実を受け入れるしかない――。


「では、吉川クン、自己紹介頼んだ」

「1年B組の吉川(きっかわ) (しゅう)です。よろしくお願いします」

「みんな、分からないこととかがあったらフォローするようにな」

「ハイ」

「ハーイ」


 今のところは修が生徒会役員に加入。

 果たして、彼以外の新入生で役員の加入はいるのだろうか――。

2017/02/09 本投稿


※ Next 2017/02/11 3時頃予約更新にて更新予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

短編シリーズ版はこちらからどうぞ。

cont_access.php?citi_cont_id=896134301&size=200
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ