#20 はじめての委員会と顔合わせ その2
【作者より】
今回は『私立白川大学付属高等学校生徒会・短編シリーズ(http://ncode.syosetu.com/s2032c/)』より、『逆ハーレム生徒会の日常(旧・とある生徒会と新入生(仮))(http://ncode.syosetu.com/n4928cg/)』の内容を三人称で書かせていただいたものです。
その様子を見ていたのはこの高校の生徒会の副会長である小笠原 鈴菜。
彼女は先日の対面式の司会進行をしていた女子生徒であり、栗色のセミロングヘアの髪をおろしている。
身長は160cm前後の華奢な体躯で昨年の「ミス白川」と呼ばれており、学校のアイドルみたいな存在である。
「どうしたんだろう? 迷子かなぁ……」
鈴菜が複雑そうな表情を浮かべながら、その男子生徒の様子を見ている。
彼女ははおそらく部活の見学とかで迷子になったのだろうと思っているようだ。
しかし、本日はあくまで「専門委員会」の集まり。部活動見学はそのあとである。
「…………(生徒会室? 一体なんの用事かな? もしかして、場所の確認!?)」
鈴菜は心の中でそう思っていた。
場所の確認などでこの高校の生徒会室に立ち寄る生徒を見かけたのは極めて珍しいことであったから――。
「制服や上履きは新しそうだし、見慣れない顔だから、新入生かな? うーん……在校生でも上履きを変える人が多いし……もし、在校生だった場合は裁かないとならないから慎重にならなきゃね……」
彼女は懐から鞭を取り出し、警戒体制を取りながら彼のところに向かった。
「こんにちは。どうしたんですか?」
鈴菜は男子生徒に声をかけ、彼は彼女の方を向き、「あっ……こんにちは」と少し緊張した口調で挨拶をする。
「あの……生徒会室ってこちらですか?」
男子生徒が勇気を振り絞って鈴菜に問いかけてきた。
彼女は彼がそのようなことを訊かれるとは思わなかった模様。
なぜならば、生徒会室に用がある人は全くおらず、生徒会役員に入りたい新入生は事前に担任を通じて場所を案内されるからだ。
「ええ、こちらですよ。私もそこに入りますので、一緒に行きましょう」
彼女は彼が新入生だと分かると速やかに鞭をしまう。
男子生徒が「すみません、ありがとうございます」と鈴菜にお礼を言い、彼女と生徒会室に入った。
これから、生徒会室に入った彼らが見たものは一体なんだろうか……。
2017/02/02 本投稿