表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/81

#15 委員会と生徒会役員決め その3

 修は佐藤の可愛らしい文字で埋め尽くされている黒板をいろいろと悩みながら目を追っていく。


「(生徒会役員と兼任できるように委員会も考えておけということか……)」


 彼の中で考えていたうちの3つ目である「生徒会役員をメインにする」という選択肢はなくなった可能性があるかもしれない。

 しかし、佐藤から生徒会役員と委員会、どちらも入っても大丈夫なように決めておくようにと言われたのだ。


「うーん……」

「どうしようか……?」

「生徒会役員をやるとしたら、負担の少ないところがいい」

「まだやるか分からないじゃん?」

「そうだよな……」


 学級委員以外は2~3人という制限がある中で修はもちろん、クラスの誰もが悩んでいる模様。

 だんだん打ち解けてきた生徒達が友人同士で集まり、どの委員会に入るか話し合っていた。

 そんな中、佐藤はニヤケながら「みんな、悩んでるねー」と思いながらその様子を見守っている。


 その時、麻耶が彼女のところに近づき、「先生?」と声をかけた。


「ハイ、菅沼さん」

「学級委員をやってもいいですか?」

「もちろん! 実は毎年のように生徒会役員と学級委員が決まるのが遅いの。凄く助かるよ」


 彼女らがこう話していると、他のクラスメイトがどこか安堵の表情を浮かべている。



 †



 あれから、委員会が少しずつ決まり始めた。

 麻耶が修を巻き添えにしようとしたが、彼は丁重に断り、図書委員に入ることになった。


 しかし、修の場合に至っては委員会は仮である。


 佐藤から生徒会も委員会もどちらもやってもいいと言われたら、どちらも活動しなければならない。

 また、生徒会役員を専門に活動してほしいと言われたら、そちらを中心に活動することになる。


 そのことは生徒会の担当教師から聞いてからになるので、要は彼女次第なのだ。



 †



 委員会決めが終わったあとの休み時間……。


「ところで、吉川くんは生徒会役員でいいの?」


 麻耶がペットボトルのお茶を飲んでいた修に問いかける。

 彼は一瞬だけ吹き出してしまった。


「そ、そんなにあたしの質問がおかしかった?」

「おかしいも何も。僕は少しだけ興味があっただけだよ」

「なら、あたしと学級委員をやればよかったのに……」


 彼女は修に断られてしまったため、少しショックを受けていた。


「菅沼さんはさっきの先生の話、聞いてたのか?」


 彼はいつもと変わらないような口調ではあるが、声のトーンを落としているため、麻耶に恐怖心を与えている。


「……えっ……!?」

「聞いていなかった、みたいだね? もし、僕が生徒会役員がメインだとしたら、菅沼さんが大変になるよ?」


 修は彼女に分かりやすく説明をした。


「確かにそうだよね。無理言ってごめんね」

「分かればいいって」


 彼女らはまだまだ続くロングホームルームの前の休憩時間を雑談で盛り上がるのであった。

2016/12/15 本投稿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

短編シリーズ版はこちらからどうぞ。

cont_access.php?citi_cont_id=896134301&size=200
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ