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静かなひとへや  作者:
1/9

1.私のせいかつ

口が寂しい、と言う人がいる。手が寂しい、と言う人もいる。

そういった人達は、口へと何かを入れてみたり、手に何かを持ってみたりするんだろう。

私は、耳が寂しいと言う人だ。

だから、耳に何かを聞かせてやろうと思い立った。

朝起きて、最初にする事はヘッドフォンを着ける事。それを習慣にしてしまうのだと。

朝、起きて。夜、寝る。

その間、私がヘッドフォンを外す事は無くなっていった。

外してしまう事が嫌で、風呂にあまり入らなくなった。

同じ理由で、学校へも行かなくなる。

そういった生活を始めると、色々な人達が私を訪ねにやってくる様になった。

学校の先生だとか、友達だとか、親戚だとか家族だとか。

その人達は、皆私に話し掛けてきているように見えた。

私はその間、雑音ばかり聴いていて。

何を言っていたのか(勿論、本当に話し掛けてきていたのかも)、まるでわからなかったけれど。

私から、無理に音を取り上げようとする失礼な人もいた。

そして信じられないことに、抵抗する私の事をぶつ人まで。

勿論、殴り返した。渾身の力で追い出した。

そんな事を繰り返しているうちに、誰も私を訪ねてこない様になっていった。

もう誰も訪ねてはこないのだと気付いて、私は心底安堵する。

これでやっと、幸せな生活を過ごせるのだと。


私は仕事を探し始めた。親からの仕送りが途絶えてしまったのだ。

一緒に入っていた手紙から察するに、帰って来いという事らしい。

まっぴらごめんだった。

だから私は、ヘッドフォンをしたままの子供にも出来る様な、そんな仕事は無いかと探し始めた。

まずは、内職という奴を始めてみた。家の中で作業をするのだから、ヘッドフォンをしていようが関係が無いだろうと。

・・・三日で、飽きてしまった。

それでも一応、貰った分だけはやりきり、家賃代にもならない程度の金を貰った。

しかし、それでも収入は収入。ありがたかった。親からの仕送りも途絶え、内職すらも辞めてしまい、それでも、一ヶ月ほどは何とかなった。

水とパンと、ヘッドフォンとその音源。私の生活に入り用なのは、たったのそれだけだったからだ。

暗くなれば眠り、寒ければ厚着をし、少しだけ節約を意識する。

携帯電話も解約をした。と言っても、これは節約のためではなくて、携帯自体が煩わしくての事だ。節約生活(?)に不便は無い。心底安らいだし、何より楽だ。

だけどいくら節約をしたところで、金が減るのは止められなかった。嘆かわしい。

しかたない。私は持ち物を売る事にした。無駄に数がある衣類、場所を取るだけの家具達。いらない物はいくらでもある。

唐突に話が飛ぶけれど、私はとある生き物を拾った。

タダ飯を食わせるつもりはさらさらないので、そこは自力で何とかしてもらうつもりだ。住居を提供してやっているのだ。それ以上世話をやく必要もないだろう。

たまたまに見つけ、有無を言わさず連れ去ってきた生き物。

飼い方は知らないし、何と言うのかも知らない。けれど、連れ去って欲しそうだったので連れ去ってきてしまった。

…どうしよう。

私は一瞬だけ考え、そしてすぐにそうする事を放棄した。

眠気が襲って来たのだ。あらがうなんて、そんな馬鹿な事はしない。

私は、戸惑っている生き物を放置し、そのまま眠りに着く。

視界の端に、拾ってきた生き物達が一瞬、写る。

愛らしい小さな生き物と、醜悪な大きな生き物が。

ヘッドフォンしてる少年少女っていいよなぁ、っていう事で書き始めたはずだったのにいつのまにかこんなことに。

何か書けそうな気がしてきたので連載にしますね。

そんなに長くしないで一桁代で終らせるつもりです、よければお付き合いを。

一応路線はライトノベル。誰がなんといおうとも。

・・・ヘッドフォン付き少年少女に萌える方とかいませんかね・・

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