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【PV22.6万突破!!】△▼異能者たちの苦悩 △▼-先にあるのは絶望のユートピアか? 希望のディストピアか?-  作者: ネームレス
第一章 シシャの回遊

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第11話 トラップ

 どこにどんな教室があるのか、その配置はわからないけど石膏の壁や廊下なんかも一緒だ。

 さらには天井のLED照明まで同じだった。

 でも、ひとつだけ大きく違う点がある、それは照明器具の隙間を縫うようにして等間隔でサーキュレーターが設置されていることだ。

 低周波を具現化させそうなくらい大きなプロペラがグルグルと攪拌(まわ)っていた。

 あっ、俺はもうひとつ二階とは違う点を発見した、それは窓がひとつもないこと。


 う、うわっ!? 

 急に眼球()を動かしたから直接照明で目がくらんだ。

 俺は反射的に目元を覆っていた。

 てか、ここで寄白さんの告白が待ってるのか? わざわざあの螺旋階段を上ってきた理由ってなんだ? 俺は指と指の間隔をすこしずつ広げて目をならし顔から手を放した。

 辺りの景色をもう一度確認する。

 天井のサーキュレーターと窓がないことを除けばごくふつうの校舎だ。

 まあ、学校なんてどの階も同じよう造りだよな。

 それは今まで嫌ってほど感じてきたことだし。


 二階から螺旋階段を上ってここにきたんだからここが最上階のはずだよな。 

 じゃあ俺が今いる場所は「六角第一高校」の三階ってことになるのか。

 ずいぶんと階段を上ってきた気がするけど薄暗い上にグルグル回ってきたからよくわからん。

 あっ、そっか!? 

 螺旋階段はふつうの階段を直線に上るよりも遠回りするから最上階まで距離が長いんだ。

 俺はどれだけ離れた場所につれてこられたんだ? まあ、告白は人気(ひとけ)のないところと相場は決まってる。

 このデジタル時代にメールでもSNSでもなくじかでの告白なんて、なんて古風なんだ。

 まあ、そこも寄白さんのプラス要素だけど。

 そしてさらに相手は不思議っ娘。

 俺ごときザ・ふつうにそんな女子の思考回路がわかるわけがない。

 

 「では、わたくしはお着替えがありますので失礼いたします」

  

 「えっ? は、はい。ど、どうぞごゆっくり」


 寄白さんは膝に両手を添えて丁寧にお辞儀をしたあとにテクテクとどこかの教室へと歩いていった。

 うはっ、お、お着替えか~!!

 女子はシチュエーションを大事にするからな。

 結婚式だってお色直しをするし。

 それに近い心理状態ってことだよな~。

 いいよ。いいよ。待ってますとも!!

 

 ……ん? でも、ここが校舎の三階なら一般の階段で上がってくればよかったんじゃないのか? あれっ!? 

 でも三階にこんなサーキュレーターなんてなかったぞ。

 それに俺の慣れ親しんだ三階には窓があった? どういうことだ?

 やっぱり、お、俺は異次元に連れてこられてしまったのか? そんなふうに思ってると人の気配がした。


 「よう、沙田!!」


 く、く、九久津がいる!?

 ふたりきりでの、よ、寄白さんからの告白はどうなる? ああっ!? 

 そ、そういうことか、俺は気づいてしまった。 

 そうだよな~そうだよな~。

 どうせ俺なんてこんなオチさ。

 世の中そんな甘くないよな~理由はわからんが完全に(トラップ)だ。

 

 「待ってたよ~?」


 九久津が俺の肩を組んできた。

 淡い期待が木端微塵(こっぱみじん)に砕けてしまった。

 

 「おっ、おう」

 

 肩に回した手を振り払おうとするが外れない。

 そうだこいつはソフトマッチョだった。

 は~。

 九久津までいるっていったいなんなんだよ? しかも待ってたって……あ、新手(あらて)美人局(つつもたせ)? 男女ふたりペアの犯行? それとも九久津の冷やかしか? さては俺が寄白さんにフラられるところ見て笑おうって魂胆か? なんで俺がフラれんねん!!

 この場所の映像が速攻で動画共有サイトにUP(うぷ)されるとか? ま、まさかもうすでに実況生配信されてるとかじゃねーよな? Wi-Fi(ワイファイ)じゃなく無線LAN(ラン)の規格ごと遮断してやろうか。


 「沙田。ここって何階かわかる?」


 「はっ?」


 俺の思考がとんでもない場所まで飛躍していたということもあるけど九久津の質問の意図がわからなかった。

 校舎の階数のなにが問題なんだ?

 

 「ここって三階だろ?」


 俺は九久津に近づいて九久津の顔の真ん前で右手の人差し指、中指、薬指と順番に立てていった。

 つまり三階の「三」を表現したってわけだ。

 でも、さっきも思ったけどここ(・・)って俺の知ってる三階じゃないんだよな。


 「違う」

 

 九久津は身振り手振りで否定した。

 

 「じゃあ何階だよ?」

 

 「ここは最上階!!」


 ドヤ顔の九久津はそれでもイケメンだった。


 「やっぱり三階じゃないか?」


 「いいや」


 首を横に振ってもったいつける。


 「九久津がおまえが今――ここは最上階!! っていっただろ? 俺は転校初日に六角第一高校(ここ)が何階建てかたしかめたけど」

 

 「本当に?」


 「ああ、絶対に!!」

 

 「どうやって?」


 「校門のところから校舎を見てたしかめたから間違いない」


 「それで三階建ての校舎だと?」


 「ああ、そう六角第一高校(ここ)の校舎は間違いなく三階建て」


 俺が確信を持ってそう答えたときだった。


 「いいえ。ここは六角第一高校(がっこう)の最上階……」


 女の人の声がした。


 「の、四階よ!!」


 えっ、え、えっと寄白さん……? しかも、よ、四階だって? 「六角第一高校(いちこう)」の建物って四階建てなの……? お、俺は周囲を見回してみた。

 転校初日に見間違えた……わけじゃ……ない……よな?

 

 「寄白さん。けど俺が見たときは確実に三階だったよ?」


 なんか寄白さんの雰囲気も変わったような、あっ、髪型か。

 ポニーテールも似合うな。

 相変わらず左右の十字架のピアスを揺らしてるけど。

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