1:いつかの夢
初めてで稚拙な文章ですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
「お前は本当に何もできないな」
ああ、またこの夢だ。
辺り一面真っ白な空間の中、声だけが響く。
そして子供がうずくまって泣いている。
「お前には何もない」
「お前は真っ白だ」
「無能」「出来損ない」
「竜人の恥晒し」「劣悪種」
早く目を覚まさなきゃ。
『これ』はいい。『次』だ。『次』が来る前に――
だが、起きようとする努力もむなしく場面は古びた家の中に移った。
「ただいま…」
「あら白、お帰りなさい」
「おかーさん、なんでぼくにはなにもないの?」
「――。」
「おかーさん?」
「…ごめんね、白、ごめんね」
「おかーさん、なかないでよ」
「お母さんが悪いの…あなたをこんな風に産んでしまったお母さんのせいなのよ…あなたは悪くない…」
「うーーー…きめた!」
「…?」
「ぼくね、おかーさんがなくのきらいだから、さいきょーになる!!さいきょーのせんしはね、みんなをしあわせにできるんだって、せんせいいってた!だからさいきょーになっておかーさんをわらわせるんだ!!」
「白…」
「ねー、なるよぼく!さいきょーになる!!…だから、おかーさん、まっててね!」
「そっか……ふふ。」
「あー!おかあさんわらった!!!だめだようまだわらったら!ぼくまださいきょーになってないよー!」
「あら、ごめんなさい。でもね、白はお母さんにとってはもう十分最強の戦士よ。あなたがいるだけでお母さんはとっても幸せだもの」
「むむむ…」
「うふふ。よーし、そしたら未来の最強さんのために今夜はハンバーグにでもしようかしら?」
「わぁい!!!おかーさんだいすき!!」
そうだ、ここでチャイムが
リリリリン リリリリン
まずい――
「あら、誰かしら」
だめだ母さん
「はーい。どちら様ですか?」
扉を開けちゃだめだ
その向こうには奴らが、奴らが
「きゃあっ!ちょ、ちょっと!?」
「―――。ガキは―すな。」
知らない奴らが、ずかずかと家に入ってくる。
よくわからないことを言っている。
もうやめてくれ。これ以上は見たくない。
「白!!逃げなさい!!!はやく!!!!」
「おかあさんも!!」
「女は――にしていい」
「了解ですぜお頭」
「こんなに良い女は久しぶりだぜ」
奴らは、下卑た笑みを浮かべながら、母さんの腕をつかむ。
「つっ、離しなさい…!」
「お、おかーさんをいじめるなあ!」
そうだ。僕は無我夢中で男に向かっていった。
だが所詮子供の戯れ事だ。
「邪魔だガキ!!」
「うわあっ!」
当然こうなる。
壁に叩きつけられ、目の前に星が舞う。
「白!!!」
母さんの悲鳴が聞こえて、そして――――
ここまで読んでいただきありがとうございました。