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ありがとう、光の扉

 

 「ゆうた君、貴方はどういったひとなの?」

 私は、ウサギ頭の少年に訪ねた。

 「僕?僕はここの住民。ドリームワールドの」

 「ドリームワールド?」

 「そう、ここは夢に逃げたくなった人が見える世界」

 

 「私も?」

 

 私は、この場所にどうしてこれたのか、疑問を投げかけた。

 「貴方は、本を読んだんでしょ?そういう人もいるよ」

 

 「あの……」

 私は、話したくなってきた。

 「翔真君って知ってる?」


 「翔真君?う~ん」


 「知らない?」

 「うん、名前では、覚えてない」

 「私、その子を探して来たの」

 翔真君の写真を見せて言った。


 「ああ、この子ね、知ってるよ」

 「知ってるの!?」


 「うん、おいで」


 そうして、建物の中に入った。

 ゆうた君は、そこにいる少女に言った。

 「おい、クマの少年は?」

 「あ、翔真君ね」

 

 翔真君ー


 翔真君の名前を呼んだ。


 「なあに?」


 写真の子だ。

 「翔真君!私貴方を夢見病から目覚めさせに来たの」

 「あ……僕……いい」


 翔真君は逃げ出した。

「翔真君!」


 なんで、逃げるの!?


 「翔真君、貴方、お母さんが、いっつもそばにいるのよ?」

 「いや、僕、お母さん、嫌い!」


 そう言って、クマ帽子をかぶった翔真君は、また逃げ出した。


 「翔真君!逃げないで、お願い、翔真君……」

 私がそう言うと、翔真君は私の様子をうかがった。

 「お姉さん……泣いてるの?」


 「翔真君、何があったかは知らないけど、お姉さんと……帰ろ?」

 「でも……」


 「翔真君、なんか、したい事。なかったの?」


 「うん……」


 そう言うと、翔真君は、考えているみたいだった。


 「僕……」



 ダンスを……、



「ダンス?」



 うん、タンゴを……。



 「お姉さん、タンゴ、踊れないわ」


 「僕、踊りたいんだ!」

 

 「習いにいこ?帰ったら」

 「……お母さん、許してくれないかも……」


 「何で?」


 「”お金がかかる”っていってたもん」

 「大丈夫、お姉さんも頼んであげる」


 「ほんと!?」


 私は、大きくうなずいた。


 


 光の扉……ありがとう、

 

 私……翔真君を帰らしてあげれたわ……。


 タンゴを、……踊るんだって、




 私も……習いにいって……




 一緒に……行くわ。



 翔真君と、タンゴを……踊れるように……。



 ありがとう、光の……夢たち……



 

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