episode 8 因縁
あの出来事から数週間が経ち
今ちょうど戦闘演習の授業を行っている途中である
戦闘演習は自分の武器を出して戦い
止めを刺す手前で戦闘を終了する
俺の武器はシンプルな剣を二対使うスタイルを取っている
今のところ戦闘演習では無敗である
その理由は破壊者の魔力をしようするのが禁止であるからである
元々人間に備わっている魔導は使用を許可されている
戦闘経験では遥かに俺のほうが上のため未熟者では俺には勝てない
「今日の相手は君か」
俺は演習場に出ると大剣を持った男子生徒がいた
俺は剣を二対出して構えた
「なぁ聞きたいことがあるんだけど」
「何が聞きたい?」
「何であの刀を出さないんだ」
「演習では必要無いからだ」
「それは俺をなめているのか?」
「なめているわけでは無い
演習では使う必要が無いからである」
「それをなめているって言うんだよ!!」
男子生徒は突然破壊者の力を解放した
4thの破壊者は力を解放すると能力を上昇させることができる
「演習では禁止だわかっているのか?
先生すぐ中止を!!」
俺は先生に呼び掛けたが返事はなかった
よく見たらいつもの先生じゃない
実験させられているのか?
一般人が破壊者にどれだけ対抗出来るのか
それとも破壊者は一般人をどれだけ圧倒するのか
クリエイトの考えそうなことだ
「どこを見ている?
いくぞ!!」
男子生徒はすでに俺の前に来ており横斬りをしてきている
「これはマジでやらないと死ぬな」
俺は後ろに下がり距離を取って剣に魔力を纏わした
だがこの行程をしている間に男子生徒は後ろに回り込み掛け声と共に剣を突き刺してきた
「破壊者の力を使ったらこんなに速いのか」
俺は横にステップしてかわし男子生徒の剣が横を過ぎていくのを確認したら
男子生徒に向かってバリアーを収束して爆発させた
爆発させたら男子生徒の腹に蹴りを入れた
「痛くないね君の蹴り」
俺の足を男子生徒が掴み壁へと俺を投げ飛ばした
俺は壁に衝突して身動きが取れない
男子生徒は追撃の手を止めず接近してきて縦斬りをしてきた
俺はそのままの体制で剣をクロスさせて攻撃を受け止めた
「そんな剣でいつまで持つんだよ」
確かにこの剣ではすぐに限界が来てしまう
俺は受け止めたまま横へと剣を流して男子生徒の剣を壁に衝突させた
その隙に俺は立ち上がり距離を取った
剣を見るとまたヒビが入っていた
「またか」
俺はため息をした
そして剣をしまい
右手をつきだして
何もない空間から刀を出した
「それを待っていたんだよ」
俺は刀を構えて様子を見た
男子生徒は嬉しそうに接近してきて縦斬りをした
俺は縦斬りを刀で流して
男子生徒を刀で殴った
男子生徒は後退りした
「その刀を抜いたとこを見たいよ
早く抜くんだ」
こいつ力に溺れて自分が最強だと思っているのか
破壊者の力に頼っているだけなのに
この観察官さえいなければ
そんなこともお構い無く男子生徒は接近してきた
だが俺と男子生徒の間に銃弾が遮った
「何してるのよ亘君」
銃弾が放たれたほうを見ると渡来が立っていた
「そうだよ亘」
次に声がしたほうを見ると大地が男子生徒に殴りかかっていた
「そうよ大丈夫?」
佐原が俺の近くに来ていた
「それより演習は?」
「この演習は君の抹殺を企てた計画だったのよ
一般人がいつまでもいるのはおかしいと」
「何だと!?」
「さらに奴は破壊者ではなくクリエイトよ」
「あらばれちゃいましたか〜」
男子生徒は大地の攻撃を避けて距離をとった
「探しましたよ桐谷亘」
男子生徒の姿が変わりクリエイトになった
「まさか貴様は
あの時死んだのでは?」
「そうあれは分身
私が本体、そしてやっと君を見つけることができましたよ」
クリエイトは不気味に笑った
「知り合いなの桐谷君?」
佐原が尋ねてきた
「少しな
やっかいな奴と知り合いになってしまったな」
「さあ、あの時の続きをしようではないか」
奴の戦闘力は計り知れない
このままみんなを巻き込む訳には
「みんな逃げ……」
俺が逃げるように言おうとした時にはすでに3人はクリエイトに攻撃を仕掛けていた
「破壊者が3人揃えば!!」
大地はガントレットを装備して正面から
渡来は銃を構えて発砲を
佐原は盾と剣を装備して横から
それぞれ攻撃した
「やめろ!!そいつは」
3人は攻撃するも見えないバリアーで攻撃は遮られクリエイトには届かなかった
「君たちは関係無いのだけどね
だけど自分の力量を知ってもらうか」
そう言うとクリエイトはまず近くにいた佐原、大地に蹴りを放った
2人は反応することが出来ずそのまま腹に入り壁へと蹴り飛ばされた
次にクリエイトは渡来の近くまで一瞬で近寄り
同じように壁へと蹴り飛ばされた
3人は気を失ったようだ
「待たせたな桐谷亘よ
始めようではないか」
正直先ほどの攻撃を見ていたが
以前見た時より格段に速さが増していた
俺は冷や汗が出てきた
「あと力を隠そうとするなよ
すでにお前はターゲットに登録されている
隠しても無駄だからな」
そうか、もうこの生活は終わるのか
もう帰れないだろうな
「いいだろ
相手をしてやる!!」
俺は左目のコンタクトを外し
刀をゆっくりと抜いた
刀を抜ききると魔力が解き放たれて
目ではっきりと見えるぐらいの密度の魔力を背中に纏った
「それを待っていたんだよ
じゃあ行くか」
クリエイトは手を剣に変換させて走ってきた
いくらクリエイトが早くてもこの状態なら遅く見える
俺は落ち着いて刀を振り上げて斬りにいった
「早いけどまだまだだね」
クリエイトは速度を上げて
降り落ちる刀を避けて右肩を狙い突き刺してきた
俺は速さに対処出来ず右肩を貫かれた
「これで刀を振れなくなったね」
俺の右肩からは激痛と大量の血が溢れていて
剣を抜かれると血が吹き出した
俺は左手で右肩を押さえながら距離を取った
刀を持つぐらいは出来ても振ることは出来ないだろう
「考えろ、考えるんだ」
俺は自分に言い聞かせて打開策を練った
考えられる戦法は破壊者の力の可能性に掛ける以外は思いつかない
昨日の夜に教えてもらった
この刀の限定解除を使えば片手で扱うことが出来るだろうがそこまで精神が持つかは期待できない
ここまで追い詰められたのは初めてだろう
さっきから冷や汗が止まらない
一歩間違えれば即死が待っている
みんなを無事に連れて帰るためには俺が頑張らなくては
今こそ使うときなんだ
俺は右手の刀の剣先を上に向けた
「おっ!何をするのかな!?」
「我は求む
今こそ紅葉という名を捨て村雨になることを
我に答え、その力を示せ!!」
俺はそう唱え刀に魔力を注いだ
すると赤い魔力を纏っていた刀は
紫色の魔力を纒だし俺にも流れてきた
その直後から頭が痛み出した
かなり使用者に負担がかかるみたいなので
早急にかたをつけるため姿勢を低くして刀を構えた
「ぜひその力を見してよ」
クリエイトは楽しそうに再び剣を構えて走り出した
「距離を積めるんだ
ギリギリまで」
俺はクリエイトが近づくのを待った
そして刀の有効範囲まで迫り
俺は一歩のステップを踏み出し
一気にクリエイトの側を通り抜けた
「桐谷流奥義:双舞」
そして立ち上がり刀の血を降り落とした
それと同時にクリエイトは切り刻まれた
あまりにも妖刀の影響でかた膝をついている
「早く解除しないと体が持たない」
俺は刀への魔力供給を切除して
刀の鞘へと向かった
極限の戦いだったので集中を解いて気持ちを落ちつめた
「まだぁだ!!」
クリエイトはまだ生きており後ろから剣を投げつけており
その剣に反応出来ず腹に刺さってしまい
地面に倒れた
クリエイトはゆっくりと立ち上がりおぼつかない足取りで近づいてきた
「僕はね君みたいなのに負けるわけにはいかないんだよ
さあ終わりにしよう」
クリエイトは再び剣を作り出し止めをさそうと頭を狙い突き刺そうとした
俺は薄れゆく意識の中不思議と冷静にいろんなことが考えられた
もう死ぬのか
早い人生で寂しい人生だったな
まだ楽しみたかった
俺は目を瞑り死を待った
「まだお寝むには
ちと早いぞ」
誰の声?
「そんなことは後回しだ
少し体を借りるぞ」
そう言われ俺は意識を失った
クリエイトの剣が亘に当たる瞬間亘が目を開けて剣の動きが止まった
「ボロボロだね本当に
しかも力を半分もでてないじゃないか
仕方ないな」
まず後ろ蹴りでクリエイトを飛ばし腹に刺さっている剣を抜いた
「痛ってぇ
武器は刀か
じゃあ力を出すか」
亘は魔力を濃くして目から光が溢れてさらに体に変化が起こり髪が赤くなった
「貴様!!まだそんな力を」
「ケガ直さないとな」
血が溢れている腹と右肩にそれぞれ順番に左手を持っていって魔力を込めた
すると血が収まり止血できた
「これでいいか
じゃあ行くか」
刀を両手で持ちクリエイトに一瞬で近寄った
「悪いが滅してもらう」
刀を縦に降り下ろしたが
クリエイトは受け止めた
「それを待っていた!!」
痛む右手を少し動かし掌に魔力を集めた
「これでもくらえ!!」
クリエイトの腹に放ちクリエイトの腹に大きな穴を作った
クリエイトはそのまま絶命して倒れた
「俺の出番もここまでかな」
魔力で鞘を寄せ付けて刀をしまい
意識を手放した
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