愛
私は愛している、一人の男を。
私は愛している、最愛のあなたを。
あなたも愛している。ただ一人、私を。
なのに世界は引き裂く、それが最善だと。
二人の想いも知らず、自分勝手な都合で。
世界は壊した。私の最愛を。
だから私は壊した。二人の関係を壊そうとするもの全てを。
もう何も関係を引き裂くものはいない。なのに貴方は目覚めない。
どうして?どうして?なんで?なんで?
その問いを答えてくれるものは、何もない。
今日も私は、貴方の体と共にいる。
閉じた瞼を手で開いても、私を見つめてくれた眼球はなく、そこにあるのはただ虚空のみ。
貴方の胸に耳を置いても、いつも聞こえた鼓動はない。
今日も私は、貴方といる。暗い暗い、闇の中で、ずっと。