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ずっとあのままでいられたら  作者: 初めての書き出し小説風
6/42

第6話 決断1

あれから無気質な日々が続いている。

なにも感じない。

これまで楽しみとしていた、

お酒、ゲーム、マンガ

に対しても欲求がなくなった。


「なんのために生きているんだろう」

「なんのために仕事をしないといけないんだろう」

「なんのために…なんのために」

自分の問いかけても、答えはみつからない。


はるかと会話しても…いや、

自分からはるかに話しかけることが徐々に少なくなった。


徐々に変わっていくゆうまの”変化”。



その変化にはるかも気がついていた。


あれから1ヶ月経つ。

相変わらず同棲はしている。

生活もしている。

会話もしている。


けど、昔とは違うなにかが二人のなかにある。


「ゆうま…今日のご飯どうする・・?」


「あっ…いつものように作るよ」


「そっか」


「うん」

「買い出しも行ってくるから休んでて」


「…そっか。ありがとう」



どことなく他人事のような空気。

もう、ここにいることが苦しくなるような感覚さえある。



「…もう終わりなのかもなぁ」

言いようのない気持ちから出た言葉がそれだった。


今のはるかの気落ちは分からない。

けど、昔のような元気なはるかはもう感じない。


はるかに気持ちを聞くのは怖い。

でも、なにか変えなければ自分が前に進めない。

そう思った。


「…ちょっと聞いてみるか。。」



カチャカチャ・・

今日の夕ご飯は特製のハンバーグ。

はるかも好きなおかずを作った。


美味しそうに食べているはるかの顔はウキウキしている。

すっと見るはるかの顔に微笑ましいと感じた。


けど、すぐに冷静になる自分も感じた。


「…」


「はるか・・・」


「…なに?」

こっちを見ずに答えるはるか。


「あのさ・・・お」

重い口を開きながらはるかを見る。


「…あっ」


はるかの顔は、僕がこの先の言葉を口に出したら泣いてしまう。

直感だがそう思った。


「あっ…ハンバーグおいしい?」


「うん、いつものようにおいしいよ。ありがとうね」


「よかった」




結局何も聞けなかった。

でも、はるかのあの顔。


僕がなにを話すかわかっていたと思う。

でも、言えなかった。

はるかに対しての気持ちがないことを気づいても、なお言い出せない。


親友によく言われたことを思い出す。


「お前さ、ほんと優しすぎ」

「もっと自分のこと考えろよ」



自分で笑ってしまう。

「はは…ほんとこんな自分が嫌になるよ」


でも。


…ちゃんと伝えなきゃ。

もう、僕の中にはるかがいない事を。



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お読みくださいましてありがとうございます。

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