ボッチの俺の青春物語
「はああぁぁぁ」
間抜けで何も感じないため息をついた。
「どうしたの?そんな腑抜けた声出しちゃって」
俺の隣の席にいて、今も話しかけてくる…
クラスの中で数少なく話しかけてくれる人 佐藤 歩美
「今回のテスト難しくて難しくて…嫌になるよ」
「なんでそんなに頭悪いの?」と、
私は簡単でしたけど?みたいな顔をしながら口に孤を描いている。
「野口君って何が得意なの?」
悔しそうに歯を噛み締めているとさらに追い打ちが来た。
「部活じゃテニスしてるけれど大会で勝ったことないし、全くの音感なし、体育じゃ成績2だぞ?」
「何しても駄目ね、野口くんは」
俺の顔を見て嘲笑うかのよな目で笑った。
「しゃーねーだろ、なんにも才能がないのだから」
「少しは悔しがって否定しなさいよ」
(悔しくは一応思ってるんだけどな)
そんなことを思いつつもあーだこーだと言い合っているとチャイムがなった。
<朝のホームルーム>
ちなみに俺はこんなでも班長をやっている。
みんなからは終わりだだの班の壊滅だの言われる。
「今から朝のショートホームルームをはじめまーす」
(―起立…)
やる気のない声とともに皆がバラバラと立ち上がる。
そうして前に立っていると佐藤さんがこちらをみて笑っている。
―ドキッとしたが動揺は見せず落ち着くために前を向いていた…
―――3時間目になった―――しかし横目にこの光景である。
数学の授業なのだが佐藤さんはわからないといった表情で首をかしげている。
なんやかんや俺は数学だけはできる…と思いたい。
ポリポリ頭を書きながらも
「わからないの?」
「私数学だけはわからないの、あなたとは違うけどね」
「ひどっ!っわからないなら教えてくらい言えよ」
「ったく、んーとルートっていうのはその中にある数字が二乗してその数字になる数と一緒なんだよ」
「あっそっか!」
理解して問題が解けたので顔を明るくしている…
(にしてもちかいなぁおぉい!)
かなり近くで教えたためどうしてもそこに目がいってしまう、大きく実った果実に…
なんてこと考えてたら「どこ見てるのよ?」と心を読まれたかのように言われとっさすぎて動揺を隠せず、あたふためいてると微かに笑い「離れて」と、冷たく凍えそうな声で言われた。
俺の胸に冷たく深く刺さった。
(せっかく教えてやったのに、孤高だなぁー)
と思っていた。
だいたいの奴にたいしては塩対応だ。
俺に対してはなぜかあまりそんなことはない。
不思議だなぁーと、思いながらも今日という日を過ごしていた。