表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人たちの四重奏  作者: ひろきち
1年目
14/16

第12話 夏の始まり

更新遅れてすみません。。。

高校の時よりも長い大学の夏休み。

去年は受験勉強に部活にと忙しかったから今年は少しゆっくりと…って思ってたんだけど。


「健吾!!足が止まってるぞ。天野!藤原戻りが遅い!」

「「「はい!!!」」」


夏休み初日。

俺はバスケ部のみんなと都内の大学に練習試合にきていた。


今日は俺達1年と小宮先輩達2年の強化を意識した練習試合。

ということで先発メンバーも俺と藤原、天野といった1年が中心の布陣だ。

そして、相手は因縁の緑山学園。


何が因縁かというと5月に行われた新人戦の準決勝で俺達が接戦の末敗戦した相手だからだ(ちなみにその後緑山は決勝戦で敗退した)

そしてこの大学には・・・


「くそ。腕上げたんじゃないか福島」

「それはお互い様だろ」


俺のフェイントを読んで素早く行くてにポジションを取りパスコース、シュートコースを塞ぐ福島。

そう緑山は福島と村田さんが進学した大学だ。

都内でも有数の名門私大なんだけどバスケも強く全国大会の常連校だ。

そしてこの大学にはもう一人顔なじみの選手が居る。


「しまった」

「小泉!」


攻めあぐね少し強引にパスを出そうとした俺からボールを奪った福島は素早くフロントに走りこんだ小泉にパスを送った。

そして、ボールを受けた小泉は、ディフェンスにまわった天野を振り切り綺麗にシュートを決める。

もう一人の顔なじみは倉北のキャプテンで福島と同郷の小泉だ。


つまり、俺にしても天野にしても元チームメイトでお互い知り尽くしている相手ということだ。

正直やりにくいし、新人戦でもこの2人にやられたところも多い。


「田辺!練習試合だからって油断するな!」

「はい!!」


コーチからの激が飛ぶ。

正直、別に油断していたわけじゃない。

福島も小泉も確実にレベルアップしているし、こちらの動きも読まれている。

味方としてコートに立っているときは頼もしいけど敵になると本当厄介な相手だ。


「悪い田辺。小泉をフリーにしちまった」

「それを言うなら俺だって福島にボール取られたんだ・・・」


「2人とも凹んでないで攻めるぞ。まだ負けたわけじゃないだろ」

「藤原。そうだな・・・負けてばかりいられないよな」


藤原にこんな事を言われるとは思わなかったけどその通りだ。

まだ負けたわけじゃない。

今度は俺が福島を止める!


その後、両校選手を交代させながら試合を重ね、最終的に準決勝の時と同じく2点差で俺達が負けた。

俺もチームの中では最多の得点数を稼げたし新人戦の時以上には動けていたと思うけど、まだまだこれじゃ駄目ってことなんだな。。。

新人戦の雪辱を晴らすつもりだっただけに悔しいけど、次こそは・・・。



------------------------

「じゃ。今日はここで解散だ。気を付けて帰れよ!」

「「「お疲れ様でした!」」」


緑山学園の校門のところで解散。

今日は女子も同じく緑山と練習試合を行っていたので俺は楓達を待つことにした。

楓にメッセージを送り、校門近くのベンチに座っていると


「よぉ田辺。お疲れ」

「お~つ~か~れ福島。ったく少しは手加減してくれよ♪」

「そんなこと言って手を抜いたら抜いたで文句言うだろ」

「よくわかってるじゃん」


確かに試合で手とか抜いてもらいたくはないよな。

よくわかってらっしゃる。


「小早川を待ってるのか?」

「あぁ。福島も村田さんを?」

「あぁ。帰りに飯でも食べてこうかと思ってな。

 それより女子は川野辺が勝ったみたいだぞ。田辺の従妹が決勝点決めたらしい」


へぇ露が。あいつポイントガードのはずだけど攻めに行ったんだな。

あいつも最近は練習頑張ってたからな。


「へぇそりゃ凄いな」

「綾が言ってたぜ。いいライバルが出来たって♪」


・・・村田さんにライバル認定されちゃったのか。露も大変だな。

でも女子は勝ったのか。

俺達ももっと練習して福島たちに勝てるレベルにならないとな。


福島とは何気に地元でも時々会ってるので、それ程久しぶり感は無いんだけど、福島の通っている大学は来るのも初めてだし何より川野辺に比べて都会だ。

普段の学生生活の事や友人の事など色々と話すことも出てきたりして思わぬところで話が盛り上がった。


「やっほ~お待たせ太一」

「健吾君お待たせ!」


と男二人盛り上がっていると着替えを終えた村田さんと楓がやってきた。

うしろには露も居る。

ん?てっきり天野と待ち合わせでもしてると思ってたんだけどな。


「露。今日は天野と一緒じゃないのか?」

「うん。天野君今日はバイトなんだよ。最初は"休む!"とか言ってくれたんだけど無理させたくないから」

「ほぉ。露ちゃんは天野君とラブラブなんだねぇ~。

 ねぇ太一。この後のご飯田辺君達も一緒にいいかな?」

「いいぞ。俺も綾に言おうかと思ってたんだ」

「う~ん 以心伝心ね」


何だかこの2人も変わったな。地元で会う時よりも仲いい感じがする。

というか俺達に一緒に行かないっていう選択権は無いのか?


「田辺君、楓。一緒にご飯でいいよね?もちろん露ちゃんも」

「あ、ぁぁ」

「じゃ!お店案内するから行こ!パスタが凄く美味しいんだ♪」

「わぁ私、パスタ大好きです」

「いいねぇ露ちゃん♪早く行こ色々とお話したいし」

「はい♪」


一応聞いてくれたけど・・・断る間とかなかったな。

それにいつの間にか露とも仲良くなってるし。

まぁ悪いことじゃないけどね。


こうして長い長い夏休みは初日から大忙しで始まったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ