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め~め~☆バーベキュー

 目の前にはブラウンさんと、巨大なヤギ? がいる。


「ヤギ肉きたーーーーー!」


「いやいやいや、バフォメットだからな! 悪魔的な強さを持つ巨大な山羊の魔物なんだ!」


「やっぱりヤギ肉じゃないですか!!」


「ま、まぁ……優里がそういうなら良いか。どっちにしてもこれを食べないと帰れないしな……」


「しかし、これどうやって解体しましょうね?」


「うーん……これは俺でもちょっと手古摺るかな……まぁ、解体してみるよ」


「はい、お願いします! でもその前に腕を怪我しているみたいなので、手当しましょう」


「あぁ、すまない」


 部屋から救急箱を取ってきて、ブラウンさんの腕を消毒して包帯を巻いておく。


 さて、ヤギ肉かぁ……。初めて食べるからどんな味かなぁ、楽しみだ! 日本では山羊はほとんど食べないけれど、海外では食べるんだよねぇ。


 前にどこかの国の料理で見たことがあったけど、食べたことはないんだよね。でも、脂が少な目で羊肉より甘みが少しあるって書いていた気がする。


 相変わらず、料理の事に関しては忘れないんだよね。ちょっと見ただけの記事でも結構覚えている。


 さて、ヤギ肉料理は何が良いかなぁ。やっぱり匂いが気になるかもだからスパイスを効かせようかな。後は、ハンバーグみたいにしてみようかな。あっ、でも串に巻き付けて焼こうかな。ちょっと海外の料理っぽいよね。後は普通に唐揚げ作ってみよう。


 後は、ヤギ肉のトマト煮込みとステーキか焼き肉どっちがいいかなぁ。


 と、悩んでいたらブラウンさんがお肉を持ってきてくれた。


「優里お待たせ。これくらいで良いか?」


「はい、ありがとうございます」


 相変わらず大量だけど、気にしない! ブラウンさんは、今日も解体を進めるようだ。私もお料理を進めよう。


 まずは薄く切って塩胡椒で焼いてみる。


「うん、やっぱり匂いが少しあるけれど……うん、甘みがあるっていうの分かるね。塩胡椒でも美味しいなぁ」


 うん、これだったら焼き肉にしてぱくぱくいけちゃう方が良さそうかな。お肉は酒、醤油、みりん、にんにく、生姜のタレに漬けておこう。唐揚げも袋に、酒、醤油、みりん、生姜、にんにくのタレを作ってお肉を漬けておこう。



 まずはハンバーグ風のタネを作って行こう。フードプロセッサーにお肉、酒、みりん、味噌、醤油、砂糖、スパイス、牛乳に浸したパンと卵を入れてスイッチオン!


 これを割りばしに巻き付けていく。焼きやすくするためにレンジに少し掛けて火を通そう。最後はホットプレートで焼いて完成だね!


 次はトマト煮込みだ。お野菜とお肉を切って準備しよう。お肉には下味で塩胡椒をしてから、圧力鍋で玉ねぎを飴色になるまで炒めよう。それからお肉も入れて表面に焼き色を付けてから、赤ワイン~!


 アルコールを飛ばしてから、トマト缶、コンソメ、蜂蜜を入れて火にかけよう。今日は薄めにお肉を切ったから加圧5~6分で良いかな。ピンが下がったらお塩で味を調えて完成~!


 加圧している間に唐揚げをひたすら揚げる。よし、これで全部出来たかな~。


(今日のお酒はビールとワインかなぁ……ふふふ、楽しみ~)


 後は焼き肉用のお野菜を切って準備OKかな。今日のお土産はハンバーグ風に焼いた物と、唐揚げ、焼き肉の焼いたお肉を詰めようかな~。それとご飯はおにぎりでいいかなぁ。



 リビングにホットプレートを出して、焼き肉の準備をする。まずはお野菜を乗せて、ビールとワインの準備をしよう!


「ブラウンさん、お待たせしました~。今日は焼き肉なので焼きながら食べましょう!」


「優里、ありがとう。今日は焼きながらなんだな」


「そうなんですよ。よし、食べましょう~!」


 焼けるまでの間、唐揚げとトマト煮込みを出しておく。その間に焼けたお野菜を取り分けて、味を付けたお肉を焼いていく。じゅわ~っと良い音がして、お肉が焼けていくとお腹の空く良い香りもしてくる。


 私も食べ始める。まずはビールを飲んでから、唐揚げを食べよう!


「ん~。美味しいっ! 山羊肉の臭みが大分減ってますね」


「うん、旨い! 脂が少ないけど、噛むごとに旨くなるな」


「そうですね~。やっぱり唐揚げは何で作っても美味しいんですね! そしてこのビール! 最高です!」


「はははっ、本当だな! この冷えたビールが堪らないな!」


 その間に焼き肉が焼けたので、取り分けて食べる。塩胡椒で焼いたのも美味しかったけれど、やっぱりタレに漬けこんだのは、柔らかくなっていて味も美味しい。


「ん~~!! ビールっ!」


「旨いっ!! こんなに美味しいのか、バフォメットは……」


「このタレに漬けこんでおくのがポイントですね。塩胡椒でも美味しかったですけど、味を漬けておくと更に美味しくなります!」


「そうか、この味を付けている所が更にうまくしてくれるのか」


 次を焼いている間に、トマト煮込みを食べよう。でもこれには赤ワインが飲みたいっ! 用意してある赤ワインを注いで準備完了!


「ん! このトマトの酸味と山羊肉が合っていて美味しいですね。しかも赤ワインと良く合いますよ!」


「それは試さないとだな。本当だ、このトマトの酸味が絶妙だな。そしてこの赤ワイン! 旨いっ!!」


「ふふふ、どれも美味しいですね~」


「優里は本当に料理が上手いし好きなんだな」


 その間にお肉も野菜も焼けたので、次から次へ食べる。今日もどのお料理もお酒も美味しい!


「しかし、ブラウンさんが持ってきてくれる食材はどれも美味しいですね~」


「いやいやいや、本来なら食べないからな」


「えぇぇ?!」


 あんなに美味しい食材を食べないだなんて、なんてもったいないっ!


「バフォメットなんて食べられると思わなかったし、デスシザーも食べないからな?!」


「なんてもったいない! あんなに美味しかったのに!」


「あぁ、あの美味しさはもったいなかったな。今度からは食べる! っていうか、むしろ仲間が食べたくて取りに行く! って言っていたくらいだ」


「あはは。気に入って貰えて良かったです」


 その間に、ハンバーグ風のつくねが焼けた。スパイスが効いていてこれは美味しいっ!


「わぁ、美味しいですね! スパイスとの相性抜群です!」


「本当だな。これはスパイスが効いていてすごく旨い! ビールだな!」


「ですね!」


 スパイスだけじゃなく、ビールとの相性も抜群です! ヤギ肉は初めてだったけれど、これはこれでとても美味しい。スパイスの効果かお肉に甘みを感じる。



「昨日のお土産もありがとうな。とても美味しくて取り合いだった」


「ふふっ、それは楽しそうで何よりです」


 お土産も喜んで貰えていてとても嬉しい。美味しく食べて貰えるのは作った人にとって、とても幸せな事だ。


「そういえば私……明日から家に帰るのでここに居ないのですよ」


「そうなのか。俺も明日から王都に向けて出発する所だったんだ」


「そうなんですね。また長期休暇を取ったらここに来るので、そしたらまた会えると良いですね」


「そうだなぁ。まだまだ冒険者を続ける予定だからきっとまた会えるだろう。次にここに来られるのを楽しみにしている」


「はい、私も楽しみにしてます! 今度はお仲間の方も一緒に来られると良いですね」


「そうだな。今日も試してみようと思ったんだが、さすがに倒してすぐに掴めなかったんだよな」


「ふふっ、そうなんですね」


「きっと、悔しがっているだろうな。優里に会いたがっていたし、食べたがっているからな」


 お仲間さんにもきっとそのうち会えそうだ。アレクおじさんの時も大勢の時もあったから、とても楽しみだ。


「今日もとっても美味しかった。優里ありがとうな」


「いえいえ、こちらこそ新しい食材とても楽しかったです! そしてこれがお土産です。楽しく食べて頂けたら嬉しいです」


「はははっ、優里はぶれないな。お土産もいつもありがとう。また会えるのを楽しみにしている! またな!」


「はい、また!」


 そういうと、ブラウンさんの身体が光り、光が収まるとブラウンさんは消えていた。


「明日から来ないと考えると……寂しくなっちゃうね……」


 明日からまた日常が帰ってくる。明日は一人暮らしの家に帰り、会社に行く毎日だ。なんだか切ない気分だ……。


 それだけ、この生活が楽しかった。祖母がずっとここに居たがった理由も良く分かる。びっくり箱みたいで、毎日ドキドキわくわくした。今日も来るかな? ってとても楽しかった。


 日常を頑張って、早く長期のお休みを取れるように頑張ろう。次に来た時はどんな食材を持ってきてくれるかな?


(ふふっ、そう考えたら楽しくなってくるね)



 数カ月後


 やっと1週間のお休みが取れた。大量のお酒と食料を車に積んで、祖母の家に着いた。お酒は倉庫に入れて、食料は地下の食糧庫に入れておく。


 お野菜は買えたけど、お肉類はあんまり良いのがなくて買えなかったんだよね。ブラウンさんお肉を持ってきてくれるといいなぁ……。


 ドォーン!


(来たーーーーー!!)

読んで頂きありがとうございます

ブックマークや☆の応援もありがとうございます。


今回で完結となります。

また1週間分書けたら更新する予定でいます。


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