体力測定
優一は飛んだり走って自分の身体の具合を確認する。
「おっ!身体が軽いぞ!」
「気を高めれば身体能力だけでなく放つ気の威力も上がります」
優一は自分の拳に力を入れて自分が気によって強くなったことを自覚して喜ぶ。
「それでは優一さんの体重を五倍まで上げますね」
「五倍!?俺に耐えれるか?」
「優一さんは基礎体力が元々付いているので大丈夫です。それによく気を使わないでここまで辿り着けましたね!」
ミティシアは優一の体重を二倍から五倍まで上げる。
「それでは今度は走って家まで戻ります」
そう言ってミティシアは来た道を走っていく。
「優一さんファイトです!」
ティファリアはミティシアの後を追うように走り優一はその後に付いて行った。
「一時間…」
優一はスマホで時間を計っておりタイムを口にする。
「その四角い鏡は時間まで計れるのですね!」
「俺の居た世界では十キロマラソンのタイムは二六分で走る人がいるからもっと早く走らないとな」
優一がそう言うとティファリアとミティシアはピョンピョンと跳ねてストレッチをする。
「良かったら私とティファリアのタイムを計ってくれませんか?」
「分かった!」
優一は二人が本気で走ったらどれだけ早いのか気になり二人のタイムを計ることにした。
「重さは優一さんと同じで五倍で走ります」
ミティシアとティファリアは優一がひいた線の前に立つと、走る体制をとる。
「位置についてヨーーイドン!」
二人は優一の合図と共に世界樹に向かって走り出す。
先頭はミティシアであっという間にティファリアと距離が離れる。
ティファリアも後を追うように行き、あっという間に見えなくなる。
やっぱり早いな。
三分が経過した頃ミティシアが戻ってきた。
「何かあったのか?まだ三分しか経ってないよ?」
「もう世界樹まで行ってきました」
「はやっ!?」
ミティシアは全く息切れをしてなく余裕の表情でいた。
往復でに二十キロもあるのに化け物か!いや、さすが異世界の人だなと言うべきか…
さらに十分が経過する頃にはティファリアも戻ってきた。
流石にティファリアは息切れしていた。
「はぁはぁっお母さん早いです…途中で見失いました…」
ティファリアも早いよ…身体の重さが普通ならこの二人は一体どのくらい早いんだ
「優一さん、私のタイムはどの位ですか?」
「十三分だよ!」
ティファリアは汗を拭くために家にタオルを取りに行く。
「ミティシアさんは気を使えないから身体能力を上げないで走ってるのか?」
「私はエアストヴェルトの血も入ってるので身体能力が少し高いのと魔法で強化することも出来るのです。ですが今は魔法で身体は強化してません」
普通の状態であの速さって事か。それに対して走る前に気を高めていたティファリアにこれだけの差を付けるとか…このままじゃ俺が守られる立場になってしまう…
「ミティシアさん、俺も走ってくる」
優一はそう言い世界樹に向けて走った。
タオルを取りに行ってたティファリアは汗を拭きながら戻る。
「優一さんも走りに行ったのですか?」
「ええ」
「お母さん、私も優一さんに付いて行きます」
「分かった。気を付けていくのよ!」
ティファリアは優一の後を追うように走っていく。
あの子があんな笑顔を浮かべて鍛錬するの、初めてみた。優一さんならきっと……
日が暮れ始め家に戻ると、ミティシアは大きなお肉をまな板の上に調理していた。
「二人ともおかえりなさい。今料理を作ってるので少し待っていてくださいね。それとお風呂はもう沸かして置きました。二人とも先にお風呂に入ってくださいね」
「ミティシアさんありがとう」
汗まみれになった優一とティファリアはお風呂に入る準備をする。
「ティファリア、先に入ってくれるか?俺はちょっと用事があるから先に済ませてくる」
「分かりました」
ティファリアはお風呂へ入ると優一はこっそりと家の外に出る。
さてと、もうひと頑張りしないとな…
辺りは微かな日の灯りで周りが見え、優一は二人には内緒で鍛錬を始める。
昔見た、自衛隊が特訓している動画を思い出しそれを真似て鍛錬をする。