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エアストヴェルト  作者: 工藤準
第五章 エルフの里
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南の世界樹

エルフの里に来て三ヶ月後。

優一は三ヶ月間特に何もすることなくエルフの里の料理を一通り堪能していた。

食事以外の時は日課の鍛錬をする以外特にやる事はなかった。

アイリスも優一の鍛錬に付き合うがすぐに疲れてしまい、エルフの図書館に行って読書をするだけの日課を過ごしていた。

「暇だ…」

ホルメラの屋敷でソファーにだらしなく座りながら優一は呟いた。

優一にとって長期的な休みは学生以来…今までは仕事が忙しくてロクに休みが取れていなかった。

無論、異世界に来てからも激しい鍛錬や生活に必要な食料などの確保で日々忙しい日課を送ってきたが、このエルフの里に来てからは時間になれば食事が用意され、好きな時に寝れると言う快適な環境が揃っているから苦労する事はない。

だが、人の(さが)と言ったものか、あまり休みの多さにする事が無くては、逆にそのする事が無い生活は苦痛に感じてしまうことがある。

趣味やゲームといった物が有れば時間は潰せるだろう。

でもそれはない。趣味も。

何て退屈な人だと言う人もいるだろう。

優一はこの一言を言われたら、こう一言を返すだろう。

ほっといてください。

だらしなく座っていた優一にホルメラが近寄る。

優一は起き上がり座ると、ホルメラはお礼を言い座る。

ホルメラは人間が出来ている。

人間ではなく、この場合はエルフが出来ているというのか?

自分の屋敷でだらしなく座ってソファーを独占していた優一が席を空けたのに丁寧にお礼を言う。

「優一さんは南の世界樹に向けて旅をされているのですね」

「はい」

「もしお暇でしたら私と一緒に世界樹まで行ってみませんか?」

「ここから近いのですか?」

「いえ、馬で5日間かかります」

「えっ!?」

「ですが、魔法陣を使えばすぐに到着します」

優一は思い出す。

ティファリアが使っていた《転移魔法》のことを。

そして、ここはエルフの里…魔法の図書館と自称しても誰もが認める里。

「なら下見がてら行ってみようかな?」

「それでしたら、この屋敷の上にある魔法陣まで行きましょう」

優一はホルメラの後に付いて行き玄関を出るとアイリスと出くわす。

どうやらエルフの図書館から帰ってきたところのようだ。

手には何冊か借りて来たのか本を抱えていた。

「優一さん何処かに行かれるのですか?」

「ちょっとホルメラさんと世界樹まで行ってくる」

「私も行きます!」

アイリスは慌てて家に入ると机に本を置きに行く。

ホルメラの後に付いて行くと、そこは行き止まりになっており、一つの魔法陣が光り輝いていた。

「こちらの魔法陣にお乗りください」

二人は魔法陣に乗ると身体が宙に浮いて上に上昇していく。

私生活用で着ていた白のオシャレなワンピースが風でめくりそうなり、咄嗟にスカートを抑える。

顔を赤くして優一を見ると、優一は上の景色に気を取られており、アイリスは安心する。

魔法陣が止まり、最上階に付くと、そこは太い木の枝でドーム状に形成されていた。

中には大きな魔方陣が一つだけあり、ホルメラが近づくと光り出す。

「この魔法陣から世界樹まで一瞬で迎えます」

優一は不意に思い出す。

魔法陣を使う時、術者は魔法陣からあまり遠くに離れる事が出来ないことを。

思い返せばここに来て三ヶ月間、エルフの民は普通に魔法陣を使って上下に行き来していた。

術者らしき人は、その場にいなくエルフの民が近づくと魔法陣は光り出す。

優一は飛行気を使って行き来していたから特に気に留めていなかったが、改めて間近で見ると気になったのだ。

「そういえば術者が近くに居ないけど、何故魔法陣は起動したのですか?」

「この転移魔法はドライアドの力を借りて起動しています。他の魔法陣は魔鉱石を使って起動しています。魔鉱石はドワーフの民によって加工されて開発された技術です」

「ドワーフとエルフは友好的な関係なんですね」

「はい。彼らは私達と似て知的な人達で話が合うのです」

類は友を呼ぶ。

この二つの種族にはピッタリな言葉であろう。

是非ドワーフと会ってみたいと優一は思う。

ドワーフの技術が有れば街は発展するだろう。

三人は魔法陣の上に立つと転移した。

「ここが南の世界樹…」

南の世界樹は、初めて訪れた世界樹より少し高く、周りは花畑にそれを囲うように木々が聳えていた。

琴音とティファリアがこの景色を見たら喜ぶであろう。

現に、アイリスはこの美しい景色に惚れ惚れしていた。

綺麗な蝶や木々から聞こえる小鳥のさえずり。

二人は大きく息を吸って吐く。

「綺麗な場所だな」

「はい…」

突然風が吹き花びらが空を舞う。

まるで、二人が訪れたのを祝福するかのように。

「世界樹がお二人を祝福していますね」

「世界樹は感情を持っているのか?」

「はい。元々世界樹は神様だったのです。4人の神様女神様達が、オールワールドに悪しき者を封印する時に世界樹になったという言い伝えがあります。詳しいお話は世界樹の守護者であり、私達エルフの始祖、妖精王アルフレド様にお会いして話を聞かれるといいでしょう」


本日は読んで頂きありがとうございます!

右手を怪我して以来の投稿です♪

ゆっくりになりますが投稿と修正を頑張っていきたいと思います!

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