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エアストヴェルト  作者: 工藤準
第四章 人魚の国
36/48

虚言は自分の為ならず

船に乗り優一達は大きな客室に案内され荷物を置く。

ベッドはスペースを活用して二段式になっており、両サイドに三つずつ。

真ん中にはテーブルにそれを囲うようにソファーと椅子が対格に置いてあり、床はフローリング素材で出来ていた。

「これは凄いですね!」

「まるで、動く家みたい」

琴音とティファリアは内装に感動している。

ラティスとルナフィーネはフカフカの布団に顔を疼くめて、幸せそうにしていた。

「そんなに珍しいの?」

「俺の居た世界では、こういった船は結構な額が必要だからな」

「人魚の国に来ればこれよりも、もっと凄いんだから!」

「おいおい。ムードが大事って、さっきの店で言っときながらイルミちゃんもムード分かってないな」

「あんたにちゃん付けで呼ばれると気持ち悪い」

優一は笑いながら謝るとイルミは舌打ちする。

「はぁ~~。早く国に戻りたい~~」

「そう言えば何でイルミは奴隷商人に捕まったんだ?」

「ちょっとね・・・好みの男性から声を掛けられて付いて行ったら、いつの間にか眠らされてたのよ」

「好みの男性って、まだガキのくせにもう色気づいてるのか?」

「恋に歳なんて関係ないのよ!そんなんだから童貞なのよ!」

「誰が童貞だ!俺にも女の一人や二人付き合ったことあるし、それに裸ぐらい見た事・・・」

優一は強がり、勢いに任せて虚言を言いかけると、殺気を二つ感じ取り口を止めた。

「へぇ~~兄さんどこの誰かは分かりませんが、いい加減な気持ちで女性とお付き合いした事があるのですか?」

琴音の目は瞳孔を開いており、優一を睨みつける。

「裸ぐらい・・・何ですか?」

ティファリアの表情は笑顔だが、ソファーに尻尾を鞭のように叩きつける。

優一は恐怖を感じ、目を合わせないようにする。

「兄さん、少し外の空気吸いたくありませんか?」

「そうですね。それに少し暑いので・・水に頭を付けるのもよろしいかと。ちょうど、ここは海の上ですし」

優一は窓から逃げ出す。

しかし、琴音とティファリアの《グラビド》の合わせ技によって海へと落ちる。

「そこで少し頭を冷やしてください」

「これは罰です」

                  〇

優一は自力で船に戻ると客室で正座をさせられていた。

「強がってすみませんでした」

「もう、これっきり嘘は付いては駄目ですよ」

「分かりました」

ティファリアは優一に近づくと耳元で(ささや)く。

「その、裸を見た事は誰にも言わないでください!」

ティファリアは、顔は恥ずかしそうに赤く染め、はにかんだように唇をゆがめる。


次の日。

優一達は目的地の島、ホルタリー島に上陸した。

島には船着き場と古びた小屋が一つだけ建っており、人が住んでいる気配はなかった。

「兄ちゃんたち、次にここに来るのは三日後だけど大丈夫か?」

船長が気を利かして、次の便を教えてくれる。

「俺達は大丈夫だ!」

そう伝えると、船は出航し優一達は小屋の中へ入る。

「島に着いたのは良いですけど、ここからどうやって人魚の国に行くのですか?」

「俺達は海の中では息が出来ないぞ」

「それなら、海の中でも呼吸が出来るように魔法をかけるといいよ」

イルミは優一に魔法を唱える。

「『アプノアー』」

優一はイルミに魔法をかけられたが、特に変わった様子はない。

「これで海の中で呼吸が出来るのか?」

「試してみれば?」

優一は大きく息を吸って海の中へ飛び込む。

最初は不安で息を止めていたが、海中で溜めた息を吐き出す。

すると、海中の中でも呼吸が出来るようになっていた。

海から上がり無事息が出来た事が他の皆に伝えると、琴音とティファリアは呪文を唱える。

「「『アプノアー』」」

二人が唱えた魔法はルナフィーネとラティスにもかかる。

二人が一度見ただけで、魔法を使いこなす姿を見てイルミは唖然とする。


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